インドネシア料理の美味しいものの1つに、「ペンぺ」というかまぼこやはんぺんに似た食品があります。魚肉をデンプン(キャッサバデンプンやサゴヤシデンプン)と共になめらかなつみれにしたもので、客の注文が入ると揚げてくれ、甘酸っぱいタレをかけて提供されます。ただし作り手により様々なペンペが存在し、焼くもの、汁に浸るものなど多様なバリエーションがあります。店の主人はこのタレを「チュカ」と言っていました。チュカは直訳では「酢」ですが私が「アッサムジャワ」(タマリンドという酸っぱい豆のインドネシア語)と返したら「そうそう」という感じでうなずいてくれましたので、チュカは酢というよりは酸っぱいものと訳すとよいのでしょう。
※「ペンペ」の綴りは「Pempek」。そのほか「Mpek-mpek」や「Empek-empek」の綴りもあり、読み手により使う綴りや発音が異なる。「チュカ」の綴りは「Cuka」。「アッサムジャワ」の綴りは「Asam jawa」。