マルコフチャはソ連圏で人気のにんじん甘酢漬けサラダです。これは現地のチムチ(キムチ)で、朝鮮半島のキムチが原型です。ソ連圏にマルコフチャがある最大の理由は、1937年に当時のソ連指導者スターリンによって、シベリアに住んでいた朝鮮系住民(コリョサラム;高麗人)がカザフスタンやウズベキスタンへ強制移住させられた歴史があるため。カザフスタンがソ連になったのが1936年ですからいきなりの無茶ぶりというか。顔立ちが日本人と似ているため日本軍のスパイ疑惑(という虚偽の口実)がかけられての強制追放でした。時すでに日韓併合(1910年)後で、その朝鮮人は日本人になりたくなくてむしろ日本に対抗心を持ってシベリアにいたのにね。移住後コリョサラムたちは痩せた土地でも農耕を始め、白菜などない土地でも祖国のキムチの味をと、にんじんや酢でキムチ風の料理を作ったのです。とっても美味しいけれどとっても悲しい歴史を含む料理。ちなみにマルコフ=にんじん、チャ=ハングル・チョソングル文字の「채」(チェ。チャプチェのチェ)=「いろんな材料を混ぜ合わせたもの」の意味に由来します。にんじんに、唐辛子や酢や砂糖を組み合わせて作ったことが名前の由来でしょう。
※「チムチ」のロシア語の綴りは「Чимчи」または「Чимчхи」。「マルコフチャ」の綴りは「Морковча」。



