Гуйру-лағман(グイルーラグマン)

バス移動の途中で下車したカザフスタン東部の田舎町(おそらくサリオゼク)で、運転手と一緒に「グイルーラグマン」の昼食を頂きました。ラグマンはカザフスタンの中でも「ウイグル料理」の位置づけですが、カザフスタン東部と中国新疆ウイグル自治区は接しておりどちらにおいてもラグマンは土着の人気料理です。皿の上に手で延ばしてつくるうどん麺、その上に共通したワジャ(肉野菜トマト炒め)がかかります。このワジャのお肉が大きいとグイルーと呼ばれ、小さいまたは少ない場合はスイルーと呼ばれます。なおラグマンのカザフ語の綴りは「Лағман」でウイグル語の「لەغمەن」と一致していますがロシア人人口比率が高いカザフスタンではメニュー表の表記もロシア語化されておりこの店では「Лагман」と書かれていました。カザフ語の「ғ」はウイグル語の「غ」に相当し「喉から息を吐きだすグ」なので「Лағман」ならウイグル語のラグマンの音を正しく表記できていますが、ロシア語の「г」(普通のグ)だと音が違ってしまいます。本来のテュルク系の音がカザフスタンでロシア語化している現象を垣間見たのでした。

※カザフ語の「Лағман」の音価は「l a gh m a n」。ウイグル語の「ラグマン」は「لەغمەن」が「n a m gh a l」でこれを右から読む。ロシア語の「Лагман」の音価は「l a g m a n」。「グイルー」の綴りは「Гуйру」。「スイルー」の綴りは「Суйру」。