スパイスアンバサダーという企業制度が今年度で終了となるそうです。よって私が6年間続けたスパイス大使/スパイスアンバサダーの取り組みも今回で最後を迎えることになりました。本記事は全12回の連載として組んできた「世界のおかずスープ」の最終回です。
【第12回】セントクリストファーネービス料理「ゴートウォーター」
スパイス純品を使って料理を作るのはすごく楽しいです!! 今回はナツメグパウダーを使うおかずスープレシピを掲載します。
さて、カリブ海の島の位置を正確に覚えるのは非常に困難ですが、でももし興味があれば、地図でアンティグアバーブーダやセントクリストファーネイビスの位置を見てみましょう。それらはカリブ海諸国の真ん中あたりという地理的な位置がつかめます。そのあたりの国では比較的よく見る料理が、直訳して「ヤギの水」という、ゴートウォーターです。
水? いえ、それはカリブ海黒人の驚きの料理・・・。
カリブ海の美味しい調味料である「ジャークシーズニング」を作るのは楽しく、それがあるとレシピは簡単です♪

材料(6人分):
- 骨付きヤギ肉(※1)
- 800 g
- 水A
- 2 L
- 玉ねぎ
- 1個
- にんにく
- 5かけ
- 小ネギ
- 刻んで1/2 C分
- 青唐辛子(※2)
- 1本
- 薄力粉
- 大2
- 水B
- 大2
- 砂糖
- 大3
- サラダ油
- 大3
- 乾燥タイム
- 小2
- クローブホール
- 小2
- ジャークシーズニング
- 小2(※3)
- ケチャップ
- 大3
- 塩
- 小1
- こしょう
- 小1/3
- ナツメグパウダー(※4)
- 小1/4
- ガーリックパウダー
- 大1/2
- カイエンペッパーパウダー
- 小1/10
※1:骨付きヤギ肉の代用は、骨付き羊肉です。
※2:青唐辛子がなければししとうかピーマンで代用します。
※3:ジャークシーズニングは市販品(輸入食材店など)でもよいですし、リンク先を参照して手作りしても美味しいです。使用量は製品により差があります。
※4:ナツメグパウダーはメースパウダーでも代用できます。
作業工程:2 時間 30 分
- (事前にジャークシーズニングを作るか買うかしておく)
- 大きな鍋に骨付きヤギ肉と水A(2 L)を入れて強火で熱し、沸騰後は火力を弱め、水面が沸くくらいの火力で1時間半くらい煮る。
- その間に、玉ねぎとにんにくをみじん切りにし、小ネギと青唐辛子を小口切りにしておく。
- 薄力粉と水B(大さじ2)を混ぜて水溶き薄力粉を作っておく。
- 小鍋に砂糖を入れ、手元に濡らした台ふきんを置き、小鍋を火にかけ、醤油のような色のカラメルにし(焦がしてはならない)、濡れた台ふきんに置いて冷ます。
- 肉がゆで終わったら肉を取り出し、骨から外した肉を一口サイズに切る。
- カラメルに肉のゆで汁を入れ、カラメルを溶かしておく。
- スープを作る鍋にサラダ油を入れて熱し、玉ねぎ、にんにく、小ネギ、青唐辛子、乾燥タイム、クローブホールを入れ、少し焦げ付くくらいに炒める。
- お肉を入れて炒める。
- ジャークシーズニング、ケチャップ、塩を入れて炒める。
- こしょう、ナツメグパウダー、ガーリックパウダー、カイエンペッパーパウダー、カラメルと肉のゆで汁を入れ、フタをして10分ほど煮る。
- 味見をし、塩加減、スパイス加減、旨味加減などを好みに調え、水溶き薄力粉を加えて混ぜ、更に10分ほど煮る。
- Enjoy!
美味しいーー♡♡♡
これはすごいですね、大人なガッツリスパイシースープ。
さてこの料理名は「ゴートウォーター」。しかし実態は、水のように飲めるものでは決してなく、スパイスがガツンと強烈に口内に広まる刺激的な料理で、「これがカリブ海の黒人料理か」と、食べたときは驚きすら感じた料理です。しかし、骨付き肉を水からゆでて肉や腱を柔らかくしてはがし、その旨味は確かなものです。慣れない味と刺激でお子さまには難しいかと思いますので、大人の食卓にどうぞ。
また、沖縄や北海道に住んでいない場合、ヤギ肉や羊肉を塊で食べることがなかなかありませんが、豚や牛と違って肉の風味がものすごくあるんです。私の大好物のお肉です。オンラインでなら常時買えるので、何かを機に試してみませんか。世界が変わりますよ。
* * *
さて、このように、第1回~第12回は本格的な世界のおかずスープとして世界的スパイスを使う世界の本物を紹介しました(最初の3回は前段)。
そして、
6年連続で就任したスパイス大使/スパイスアンバサダー。
主催企業のスパイス大使/スパイスアンバサダーの制度が今年度で終了。計画し、勉強し、挑戦し、計画をこなし、乗り越えてきました。そして日本のキッチンにいながら世界を旅することができました。寂しくもありますが、感謝でもあります。これがなかったら作っていなかった世界の料理もたくさんあり、それを実際に作って宝物の1ページをこつこつと作り上げてきたことが、スパイス大使/スパイスアンバサダーの活動に取り組んだ大きなメリットです。
これからも、イキイキと、ハツラツと、地球の素晴らしい食文化を我が家に取り入れて生きていきたい。自分自身がそれぞれの文化と心が繋がるように理解をしていき、その充実感と楽しさがひとかけらでも読み手に伝わるように、これからも自分自身の「世界の料理」の活動と発信を努力していこうと思います。
これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

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セントクリストファーネイビス料理「ゴートウォーター」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。