スパイスアンバサダーとして活動しています。この度、スープ料理の魅力を活かしたく、「主食1スープ1」の素敵な食。世界の「スパイスおかずスープ」というテーマでレシピ化と発信に取り組む運びとなりました。頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。
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「主食1スープ1」が素敵だなと思ったきっかけはロシアの旅です。でも「沿ボルガ管区のインナー共和国群で云々」と言われても地理背景が分からないと話が分からないので、最初に少しロシアの解説をいたします。
ロシアは85の行政区域に分かれ(※)、そのうち22区域がインナー共和国(内部共和国)です。
※クリミアとセヴァストポリを含めてカウントした数字
インナー共和国(内部共和国)は、一言で言うと「ロシアというロシア人の国の中にある異民族の国」です。タタールスタン共和国がタタール人の国といったように、ロシアは国の中に国があるのです。
上の地図で、バシコルトスタン共和国やチュバシ共和国など6つのインナー共和国群があるあたりが沿ボルガ管区という地域名です。
沿ボルガ管区に6つのインナー共和国があるということは、それだけ異民族を擁する地域です。さすが異民族の宝庫の地域!! そこでは、「普通のロシア料理じゃない」、異民族が作り上げてきた伝統料理や食文化にたくさん出会うことができました。
印象的だったのが「主食1スープ1」のスタイルでした。世界どこでもある形式とはいえ、食の収集を頑張る旅をしているときに「主食1スープ1」にこれほど出会うのが珍しいと思いました。
そしてその「主食1スープ1」のスタイルは、軽やかでで素敵で、日本でもやりたい!と心がわくわくしました。実例としては、
バシコルトスタン共和国の首都ウファで、ラブリーなエチュポチュマクとスープ♪
ペルミ州の氷の洞窟で有名な街クングールで、ラブリーなラソーリニクとパン♪
チュバシ共和国の首都チェボクサリにて、ラブリーなカカイシュルピと総菜パン♪
素敵ですよね~!!この軽やかさが!!
ところで厳しい話ですが、現代では美味しいものを食べていると必ずや健康を壊していくでしょう。「日本人が美味しいと思う感覚」に基づく生活で塩分摂取量が1日平均11 gですか?健康レベルの約2倍ですから超不健康ですよ? 美味しいものを食べるという概念はいいけれど、自分の味覚と胃袋の満足に流されて日々の食事をしているから塩分過量による悪性腫瘍や脳血管疾患や高血圧症などが多く、脂質異常症、糖尿病もあわせると有病者は予備軍を入れて何千万人といる。
家の食事や外食で、「おなかいっぱい♪」と言うこと/言われることがよくありますか? それは、成長期をすぎた成人にとっては病気を迎えていくサインです。
でも、私も家族も、「おなかいっぱい♪」と言う時がある。ならば控えめな時も必要。そういう健康への視点から、「主食1スープ1」の食習慣を取り入れようと思ったんです。 なによりロシアで実際に体験が続いて、「主食1スープ1」の食事の軽やかさに「これすごくいいな♪」と思ったから、食卓のバリエーションとしても是非実践していきたい!
「主食もスープもあわせて麺類でいいじゃん」って言われるかもしれませんがそれは良くないです。炭水化物比率が高すぎて食事のバランスで不合格です。「主食1スープ1」の良さは「おかずスープ」に主食の麺や米を入れないで作るので野菜や魚介類などが多く入らざるを得ない。主食が適量に用意されやすく(摂取総エネルギーの50~60%)栄養学的に評価できる食事法です。
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このような思いから、今回の連載では「スパイスを使う本格的な世界のおかずスープ」をレシピにして掲載します。香辛料/スパイスを使うことで味気なさや寂しさを感じない、各国のご自慢料理を作ることで美味しさに間違いない、そして素敵な食卓を彩るレシピを紹介したい。
全12回の連載です。次回は「おかずスープの定義」について掲載します。ではまた見に来てください!!
【第1回】
きっかけはロシアの「主食1スープ1」
【第2回】
「おかずスープ」の定義
【第3回】
達成報告!渡航最難関国リビアへ!!
【第4回】ハリッサ使用
リビア料理「ハライミ」
【第5回】サテトム使用
ベトナム料理「ラウタイ」
【第6回】カレー粉使用
英国料理「マリガトーニ」
【第7回】チリパウダー使用
米国料理「ホワイトチキンチリ」
【第8回】五香粉(ウーシャンフェン)使用
台湾料理「素肉餛飩湯」(スールーフントゥンタン)
【第9回】八角使用
パキスタン料理「ヤクニ」
【第10回】オールスパイス使用
ジャマイカ料理「フィッシュティー」
【第11回】花椒使用
中国料理「水煮肉片」(シュイジューローピエン)
【第12回】ナツメグ使用
セントクリストファーネイビス料理「ゴートウォーター」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。