スパイスアンバサダーとして活動しています。スープ料理の魅力を活かしたく、主食をあわせるだけで一食が素敵に完結する「美味しい世界のおかずスープ」の楽しさを提案することにしました。「主食1スープ1」の素敵な食。世界の「スパイスおかずスープ」というテーマでレシピ化し、全12回の連載で発信しています。もう11回目です。
【第11回】中国料理「水煮肉片」(シュイジューローピエン)
スパイス純品を使って料理を作るのはすごく楽しいです!! 今回は「花椒」(ホワジャン)を使うおかずスープレシピを掲載します。
私は自宅に山椒の木があるので、夏の時期に山椒を収穫して乾燥させることで、しばらくの間は香りが極めて鮮烈な、素晴らしい花山椒を料理に使います。もちろんそれがあれば麻辣味の中華はぐんと完成度が高くなりますが、手元にない時期もあるので、こういうときは、香りは落ちますが市販品が便利ですね。
「水煮」(シュイジュー)という単語がつく料理でも、「水煮肉片」(シュイジューローピエン)は日本語の水煮とはまるきり違い、濃厚で辛さが尖って旨味がふくよかな、ゴージャスな本格中華料理です。
レシピは簡単です♪
材料(2人分):
- 薄切り肉(※1)
- 200 g
- 片栗粉
- 大2
- 塩A
- 小1/2
- 酒A
- 大2
- 白菜(※2)
- 200 g
- 花椒ホール
- 大1
- 砕いた唐辛子(※3)
- 大2
- にんにく
- 2かけ
- 生姜
- にんにくと同量
- ねぎの白い部分
- 15 cm
- サラダ油A
- 大2
- 豆板醤
- 大1
- 水
- 550 mL
- 酒B
- 大1
- 塩B
- 小2/3
- オイスターソース
- 小2
- 鶏がらスープの素
- 小1/2
- 味の素
- 好みで少々
- 花椒パウダー
- 小2
- サラダ油B
- 大4
- パクチー
- 少々(※4)
※1:薄切り肉は、牛肉でも豚肉でもよいです。
※2:白菜のほか、チンゲンサイやターツァイなどを使用してもよいです。長ねぎの白い部分を入れてもよいです。
※3:砕いた唐辛子は、キムチ用唐辛子や、あらびき唐辛子などの市販品があります。
※4:パクチーは仕上げにトッピングする量でよいです。ない場合は小ネギで代用できます。
作業工程:40 分
- 薄切り肉を食べやすい大きさに切ってボウルに入れ、片栗粉、塩A(小さじ1/2杯)、酒A(大さじ2杯)を入れてやさしくもむ。
- 白菜を食べやすい大きさに切り、洗ってザルにあげておく。
- 花椒ホールと砕いた唐辛子を強火に熱した小鍋に入れてごく短時間ローストして、色を若干つけて香りを出し、取り出しておく。
- にんにくと生姜とねぎをみじん切りにする。
- 中華鍋かフライパンにサラダ油A(大さじ2杯)を入れて強火にし、にんにく、生姜、ねぎを炒め、豆板醤を加えて全体になじませて赤い油を作る。
- 水、酒B(大さじ1杯)、塩B(小さじ2/3杯)、オイスターソース、鶏がらスープの素、好みで味の素、白菜を入れて煮る。
- 味見をして、塩加減などを好みに調える。
- 白菜がくたくたに煮えたら、白菜を取り出して器に入れる。
- 残ったスープに肉を加え、肉に火が通って白くなるまで調理する。肉は火が通りたての状態にするため長時間料理しない。
- スープに花椒パウダーを入れて混ぜ、肉とスープを器に入れる。
- ぬれた台ふきんを用意。
- 小さなフライパンか小鍋にサラダ油B(大さじ4杯)を入れて強火にかけ、花椒ホールと砕いた唐辛子を入れてさっと混ぜるとすぐ辛さと香りと赤い色が出て麻辣油が出来るので、直ちにぬれた台ふきんの上に置いてこれ以上黒くなるのを防ぎ、麻辣油を器にジュッと注ぐ。
- 器の水面を赤い麻辣油が覆うように、スプーンで赤い麻辣油を広げ、パクチーを飾りに乗せて出来上がり。
- Enjoy!
美味しいーー♡♡♡
これはすごい・・・。こんな麻辣(マーラー)が自宅で作れるだなんて。
これは私の大好物の料理です。中国では特に四川省など唐辛子を多用する地域の料理として知られますが、料理名の覚えやすさとあいまって、各地に広まっています。「水煮」の料理名の通り、野菜や肉をスープ煮にしてますが、仕上げの大量の「麻辣油」が素晴らしい。この料理は、赤い油の中から肉を拾って食べるのです。花山椒の香りがこれまた素晴らしい。「ミーファン!」(米飯)、つまり、食堂でこれを注文するとき、必ずや「白いごはんもつけてね!!」と言いたくなる味です。どうでしょう、見た目も味も本格的な中華を、自宅でも楽しみませんか。
* * *
「スパイスを使うと、ふとほかの部屋から入ってきたときに、わあ、いいにおいって、料理を見ないうちから美味しそうって思ってもらえる。」
そういう瞬間って、嬉しいじゃないですか。
その瞬間が楽しくて、スパイスがあると幸せが増える。
料理って本当にすごいよね。言葉では伝えられないものなのに、食卓であの国へ旅できるのだから。こうして料理で地球はまるくなる。
* * *
次回はナツメグを使ったおかずスープです。ちょっと驚きのスパイシーで美味しい料理です。お楽しみに。
【第1回】
きっかけはロシアの「主食1スープ1」
【第2回】
「おかずスープ」の定義
【第3回】
達成報告!渡航最難関国リビアへ!!
【第4回】ハリッサ使用
リビア料理「ハライミ」
【第5回】サテトム使用
ベトナム料理「ラウタイ」
【第6回】カレー粉使用
英国料理「マリガトーニ」
【第7回】チリパウダー使用
米国料理「ホワイトチキンチリ」
【第8回】五香粉(ウーシャンフェン)使用
台湾料理「素肉餛飩湯」(スールーフントゥンタン)
【第9回】八角使用
パキスタン料理「ヤクニ」
【第10回】オールスパイス使用
ジャマイカ料理「フィッシュティー」
【第11回】花椒使用
中国料理「水煮肉片」(シュイジューローピエン)
【第12回】ナツメグ使用
セントクリストファーネイビス料理「ゴートウォーター」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。