先日、2018年5月26日(土)~27日(日)の二日間、大阪の新聞社の主催で「サッカーワールドカップの出場32か国の料理が勢ぞろい!!出場国の料理を作ってその国や地域に理解を深めよう」という主旨のイベントがありました。私はこの企画において、レシピと料理に関わる業務を引き受けました。主には、1)出場国のレシピ提供、2)調理監修と料理解説、3)レシピブック作成、の3点です。
【スパイス大使】としての活動は、スパイスの使用促進に貢献することです。そのスパイス群が日本料理に登場しないものが多いとなると、世界の料理のアイディアを日本の調理者に届ける活動と言うこともできると思います。FIFAワールドカップサッカー大会は、世界のみんなが楽しみにするスポーツの祭典です。対戦国の料理を作ってその国のことを学ぶ良い機会です。このようなときこそ、世界の料理を作って、その国の人を見て、自国や対戦国を応援することは大変有意義です。
そこでこのページでは、上記のイベント企画のために選出した料理の概要と、その料理から見えるその国のこと、なぜ私がその料理を紹介したいと思ったか、そして調理に使用したスパイスを一挙まとめます。
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【はじめに】<32か国レシピ要件>
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欧州偏重の色濃いワールドカップですが、それでも世界各地から予選を突破した国々が集まり、32か国の料理を集めると、その相同性や差異からも、世界の料理に理解が深まります。私がレシピを選定するために徹した要件は、主に以下の19ポイントです。
- 【最重要】国民食であること。その国の伝統料理/著名な料理/その国の家庭料理/人々の人気料理、といった要素を必ず含むこととした。
- 主催者が世界平和を願う立場に立って世界平和の他の企画と同時に立ち上げたイベントであるため、国と世界の背景が見える料理 -負の側面も含めて- を取り入れた。負を強調すると心象悪いのであまり強調はしないものの、レシピ選定には深い意図をきちんと含め、聞かれれば答えられるようにしている。
- なるべく普遍的な料理を選んだ。例えば日本代表料理に明石風たまご焼き(だしで食べるたこ焼き)をピックアップしても、それを食べたことのない日本人もいるだろうし、なんか、ピンポイントでピックアップするのは違うと思う。だから、「○○地方の名物料理」は避けた。その国のみんなが食べている料理を選んだ(ただし開催国ロシアに関しては主催者の判断により日本が初戦を挑むサランスク(ロシア国内のモルドヴィア共和国の首都)の郷土料理とすることに決定した)。
- 結構重要なことですが、基本的には私がその国、あるいはその国の人の家で実食していること。食べたことのない人に味見はできません。
- 2日以内で作れること。イベント内調理期間が土日の2日間だけであることが制限理由です。それに一般家庭で作ってもらうことを考えても、作ろうと思ったとき、何日もかかる料理ではないほうが良いと思います(豆を水に浸けるのに時間がかかるものの、今回作成した料理の平均調理時間は1時間くらいだと思います)。
- みんなが作れること。失敗しにくいこと。ただし簡単すぎると異国の料理にトライするわくわく感が削がれるので、例えばゆでじゃががドイツ国民食でも、除外しました。ご家庭でも、学校でも、親子クッキングでも失敗しないようにと私が失敗と試作を重ねて作ったレシピばかりです(実際、調理当日は世界の料理を作るのが初めてな方々ばかり、そしてお子様も調理される中、失敗した人がいませんでした!)。
- 日本で比較的簡単に入手できる材料を使うこと。
- 特に生鮮はなるべく店頭に常時並ぶ食材を使うこと。イベントの日が決まっていることと、またこれを見て作ってくださる一般の方にとっても、買い出しのタイミングで入荷ナシなどになったらダメージが大きいから、なるべく安定した食材を使うことを選びました。ニシンやムール貝の料理など、この点で消除されたレシピもあります。一方で羊肉は常時取り扱いのスーパーも多いので取り入れました。
- 比較的安価であること。高級食材は避けました。
- 異国感重視! 日本の食事に根付いているものは、異国感が削がれるため除外した。例えば魚の塩焼きがポルトガル国民食であっても、ピザやサンドイッチがアルゼンチン国民食であっても、異国感を重視したいので除外しています。
- 日本の一般家庭の調理器具で作れること(イベント会場は公民館の調理実習室で、特別な器具がホントにありません)。
- 「もどき」とか「○○風」ではない、その国のにおいがすることもこだわった。だから、スパイス使用料理は香辛料を単品からブレンドし、美味しさを香りで作る方法を実践した。
- 基本的に美味しいこと(人には好みがあり100%達成できないのは承知しています)。
- 主食となる食材は、じゃがいも、キャッサバ、米、もち、パン、パスタ・クスクス、小麦の麺、トウモロコシ粉のすべてを取り入れ、世界中を俯瞰できるように、主食のバリエーションから世界の食文化を学べるようにした。
- ワールドカップの時期と食材の旬を考慮し、5~6月の調理時点で出回らない食材を使う料理は除外しました。例えばスペインのガスパチョは除外。あれは真夏の熟れ熟れで美味しいトマトを使ってこそ美味しい料理です。
- おかずとなる食材は、羊肉、豚肉、牛肉、鶏肉、燻製肉、卵、魚、魚以外の魚介類、柑橘類、野菜、豆、海藻、乳製品、発酵食品と、とにかく世界中を俯瞰できる食材を取り入れた。世界の様々な味が楽しめる。ただし今回は太平洋の島国から南アジアにわたる国々が出場できなかったので、ココナッツミルクを使う料理は取り入れなかった。
- 料理の色が赤、オレンジ、白、緑、黒、黄、紫、茶にわたるように組んだ。色とりどりで楽しい。
- 食べたときの食感が、熱い料理、冷たい料理、甘い料理、辛い料理、しょっぱい料理、酸っぱい料理、薄味料理、油多い料理、ノンオイル料理、さらさら料理、とろみ料理、ねばねば料理、香辛料がぷんぷん香る料理、塩すら使わない料理など、いろんな味わいにわたるように組んだ。
- あくまで食事を作る。デザートやドリンクは作らない。
以上19のすべての要素を満たす料理を選ぶことは、膨大なパズルとの戦いでした!!。夫が「こんなことができるのは世界でお前しかいない」と半分以上笑いながらも励ましてくれました(夫はあらゆることにおいてうそをつかない素晴らしい人であります)。とにかく、全部自分がやらなくちゃいけない。世界各地の歴史や政治体系や民族学やら世界中の言語も、とにかく枝葉末節すべてに自己結論を持つために滅茶苦茶勉強したこともあって、想像を絶する苦労がありました。実際レシピ選定に4か月かかりましたが、選定完了しました。
それでは以下、旅人である世界の料理研究家のあづささんが各国に敬意をこめて選んだ32か国の料理を是非ご覧ください。料理と国の紹介文は製作したレシピブックの誌面に掲載したものなので真面目に書き、誌面を統一するために全料理で全角280文字にしています(若干の誤差あり)。その下に書いた料理選定基準は上記以外のぶっちゃけ談です。ではでは、是非ワールドカップの対戦に合わせるなどして、スポーツの祭典を盛り上げる料理を作ってみてください!!!
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1)【開催国】ロシア料理:メドゥイジュヤラパ
概要 :角切りパンをまぶしたレバー入りメンチカツ風オーブン焼き。
料理と国:「メドゥイジュヤラパ」は「熊の足」という意味のロシア語です。ロシアは連邦制国家であり、国内にはロシア人ではない民族を主体とする自治が認められている地域があり、「ロシアという国の中にある国」となっています。その1つがモルドヴィア共和国というモクシャ人とエルジャ人の国で、そのモルドヴィアの代表料理がこの「熊の足」なのです。見た目が熊の掌(てのひら)のようでしょう。熊肉を使わないのに熊の名を冠するのは、きっと強さの象徴だから。モルドヴィア共和国の首都サランスクは、日本が初戦を挑む会場です。みんなでこのご当地の名物料理を作って食べて、日本の初戦突破を応援しましょう!
使用スパイス:こしょう
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2)【1次リーグ日本対戦相手】コロンビア料理:アレパ
概要 :トウモロコシ粉を練って焼いたもの
料理と国:低地海岸沿いに大都市が形成された日本と違い、コロンビアでは海ぎわの大部分が未発達。首都ボゴタが標高2640 mに位置し、その他人口の多い街の多くもアンデス山脈の中腹にある点が実に興味深いです。コロンビア料理を理解するならば、人口の多さの点からもアンデスすなわち山岳の料理を主体にとらえていくことになります。またコロンビアは、かつてはパナマやベネズエラまで版図を広げる広大な国を作っていました。そしてその地域には今もこのトウモロコシ粉の焼き物が根付いています。現地では、肉料理を挟んだり、ハチミツやバターを塗ったり、様々な場面でアレパが食べられています。
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3)【1次リーグ日本対戦相手】ポーランド料理:ピエロギズヤゴダミ
概要 :ブルーベリーを具にした餃子
料理と国:ピエロギはポーランドを代表する料理の一つで、小麦粉を練った皮で具を包んで作る、いわゆる水餃子です。具にはひき肉やマッシュポテト、発酵キャベツのほかフルーツなども定番かつ人気です。今回はブルーベリー入りの餃子のレシピを紹介します。現地では、男女問わずにこのフルーツ入りの餃子を食べています。「餃子の皮が主食になる」だなんて日本人にとっては意外な発想でしょうか。でも、ピエロギ、ワレニキ、ペリメニなど、広く東欧~中欧にはこういった餃子系の料理が根付いており、食べるほどに、具の旨味とフレーバーから「これは皮を食べる料理なのだ」と実感し、理解が深まるのです。
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4)【1次リーグ日本対戦相手】セネガル料理:ヤッサギナール
概要 :鶏肉のレモン玉ねぎソース煮込み
料理と国:アフリカ大陸最西端にあるセネガルは、ブラックアフリカの最果ての国と言えます。北にアラブ主体のモーリタニアがあり、アフリカを北から南下するように旅すると、セネガルに入って「ブラックアフリカに来た!」と心底感動を覚えます。砂漠あり、海あり、サバンナも熱帯雨林もある多様な国土の中、ヤッサは南部カザマンス地方という米どころの料理です。しかし今ヤッサは世界で最も有名なアフリカ料理のひとつとなり、世界中のアフリカ料理店で提供されています。「レモンと米」という組み合わせは、日本料理とは異なるけれど、美味しいですよ。なおヤッサはレモン玉ねぎソース、ギナールは鶏肉の意味です。
使用スパイス:こしょう、カイエンペパー
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5)【前回優勝国】ドイツ料理:ザワークラウトミットブルスト
概要 :発酵キャベツとソーセージの煮込み
料理と国:ドイツの代表的な食材は、ザワークラウト(発酵キャベツ)、ヴルスト(ソーセージ)、じゃがいも、ビールなど。前2者を混然一体と蒸し煮にしたこの料理はドイツの典型料理で、じゃがいもを添え(そしてビールをあけ)れば食卓はドイツ度満点です。ザワークラウトはじっくりと蒸し煮にする過程で酸味が旨味に変わり、豊かなフレーバーを生みます。ヴルストから出る旨味も濃厚です。日本でこれを作る場合、必ずしもドイツソーセージを探さなくても大丈夫。売り場にあるソーセージで、「美味しそー♡」って思う、ちょっとイイものを是非買い求めればよいのです。中欧に根付く伝統の味と食文化をお楽しみください。
使用スパイス:クローブ、ベイリーフ、キャラウェイ
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6)【優勝経験最多国】ブラジル料理:フェイジャオン、ファロファ
概要 :[フェイジャオン]にんにくや玉ねぎの旨味が加わった塩味の煮豆、[ファロファ]にんにく風味のキャッサバ粉
料理と国:ブラジルに行ってブラジル人と会話すると、この旨い煮豆を指して「これがないとダメなんだ」と語ってくれます。ごはんに煮豆をかけ、肉のステーキに煮豆を添え、レストランでも家庭でも、どこにでも煮豆がある。煮豆抜きにはブラジル料理を語れないほどの大きな存在で、相当多くのブラジル人の食習慣になっているものと思います。日本の煮豆は砂糖を多く入れてこっくりと煮るけれども、ブラジルの煮豆は塩味で、玉ねぎやにんにくの旨味を加えており、確かにごはんのおかずとしても肉料理のお供としても旨さ増強の必殺技! ここでは圧力鍋を使わず普通の鍋で調理するレシピを掲載します。
使用スパイス:ベイリーフ
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7)【優勝経験国】アルゼンチン料理:アサード、エンサラダアルヘンティーナ
概要 :[アサード]肉やソーセージなどのバーベキュー、[エンサラダアルヘンティーナ]肉料理に合う玉ねぎとトマトのレモン果汁あえ
料理と国:日本の裏側にあるアルゼンチンは日本の明治維新の頃に誕生し、欧州化政策のもと急速な高度成長を遂げました。移民法と借地農制度の整備化から、イタリアその他欧州から移民が流入し、農業及び牧畜業が拡大しました。港町ブエノスアイレスは「南米のパリ」たる街並みを築き、国民は先住民や黒人がほとんどいない「白人国家」(欧州系が97%)へ。大畜産国として発展の基礎を築いただけあって、とにかく肉料理を食べる国。1人あたりの肉の消費量は世界トップクラスです。・・・歴史が浅い国であるだけに、この数行の歴史紹介で、アルゼンチン料理と代表料理のアサードが理解できてしまうのです!
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8)【優勝経験国】ウルグアイ料理:アサード、チミチュリ
概要 :[アサード]肉やソーセージなどのバーベキュー、[チミチュリ]香草と刻み野菜入りのビネガーオイル
料理と国:アルゼンチンと同様にウルグアイも南米の「白人国家」で、人口のほとんどがヨーロッパ人の子孫です。ガウチョ(牧童)の国として歩んできた両国の食文化はまさに肉にあり、肉をよく食べ(なおかつ野菜をあまり食べない)食習慣から、どちらも「アサード」を国民食とします。アサードは「焼く」という意味のスペイン語に由来し、パリージャ(金網)の上で焼いた肉は、アサードともパリジャーダとも同義語で呼ばれます。ここでは日本の家庭で再現する方法とレシピを掲載します。肉を焼く豪快さと、焼けた肉の良い香りと、旨い肉をガッツリ食べ、仲間と会話やタンゴ(ダンス)を楽しむのが、アサードの醍醐味です。
使用スパイス:粗びき唐辛子、オレガノ
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9)【優勝経験国】スペイン料理:トルティージャ
概要 :じゃがいも入りの高さのあるスパニッシュオムレツ
料理と国:「なぜスペイン料理に南米作物のじゃがいもがあるのか」と紐解くと歴史に胸を打たれます。…1492年はスペインの記念すべき年。陸ではレコンキスタが完了し国土奪回、海ではコロンブスがカリブ海に到達、アメリカ発見。新大陸を得たスペインは南米のインカ帝国を滅ぼし、南米の無尽蔵の銀山はスペインを頂点の帝国へ導いた。しかしヨーロッパは宗教改革という火種からスペイン領オランダの独立戦争が泥沼化。1588年スペイン無敵艦隊は急成長した英国に敗れて制海権を失した。世界はあっけなくオランダ・英国の時代へ移行した。…スペインのたった100年の短い繁栄がこの料理に見えませんか。
使用スパイス:こしょう
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10)【優勝経験国】フランス料理:スプアロニヨン
概要 :あめ色玉ねぎから作るオニオンスープ
料理と国:フランス料理のすごい点は、調理人の努力と技巧です。素材の味を活かすというより、素材の味を人間が手間暇かけて至福の味に生まれ変わらせるのです。もし玉ねぎの素材の味をいただくのならば、スライスしてビネガーとオリーブオイルをかけてオニオンサラダにしても美味しいのだけれど、このオニオンスープは玉ねぎを2時間かけてあめ色にしてからスープに溶け込ませる…この精神こそまさに伝統的で本格的なフランス料理です。作業自体は簡単なので是非作ってみてください。バゲット(フランスパン)にとけるチーズを乗せてスープに浮かべ、芳醇な味わいとともに至福の時間をお過ごしください。
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11)【優勝経験国】イングランド(英国)料理:フィッシュアンドチップス
概要 :魚のフライとフライドポテトのセット
料理と国:ときに美味しくないイメージで語られる英国の料理も、「美味しいものはやはり広まるのだ」とこれを食べると実感します。フィッシュは魚、チップスはじゃがいものフライ。その盛り合わせは、今や世界中に広まった料理です。英国の国民食であるほか、アイルランドなどの英国周辺国や、英領又は英王室領の各国や、ニュージーランド、オーストラリアなどの英連邦国家にもフィッシュアンドチップスが根付いています。更に、大航海時代を生んだスペイン・ポルトガル時代ののちに世界中を席巻した大英帝国の偉大さも実感します。世界に広がった美食を食べてみませんか。酢をかけて食べるのがポイントです。
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12)[欧州]アイスランド料理:キョーツーパ
概要 :羊肉と野菜の澄んだスープ
料理と国:アイスランドは北極圏近くの島国で、地球のプレートが生まれる場所すなわち地球で一番「新しい」国です。観光地といえば、火山、川温泉、間欠泉ゲイシールに、地球の割れ目ギャウなど。白眉の大自然は絶景の連続で、アイスランドを旅すると最高の気分になります。アイスランド人の祖先は、「ヴァイキング」と呼ばれる海を渡って移動した人々です。彼らが船に乗せて運んできたと言われる羊は、今や国中が羊だらけなほどに増えました。アイスランド料理といえば伝統的に羊が食べられているのです。羊肉のスープは日本ではなかなか見かけないものですが、食べると素晴らしい風味に卒倒しそうです。
使用スパイス:こしょう
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13)[欧州]スウェーデン料理:ショットブラーメッドリンゴンジルト
概要 :コケモモのジャムをかけた北欧風ミートボール
料理と国:昔オーランドからスウェーデン行きの船に乗ったとき、船内で会ったスウェーデン人おじさん家族に、「ショットブラー(肉団子)をリンゴン(コケモモ)で食べてきなさい」と言われました。その料理は、飲食店でもキャンプ場でも家庭でもみんなが食べているまさに国民食でした。リンゴンはスウェーデンの森林地帯に自生し、ジャムに加工され、肉料理にかけられます。肉と果物の組合せは我々日本人にとって異国の味。…オーランドは、スウェーデン人の土地なのに大国ロシアが絡んだためにフィンランド領になってしまった。冒頭のおじさん家族は、もう戻れない故国の味をどんな思いで私に託したのでしょうか。
使用スパイス:こしょう、オールスパイス、ナツメグ
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14)[欧州]デンマーク料理:フレスケスタイ
概要 :脂身がサクサクのローストポーク
料理と国:デンマークはドイツから北に伸びる半島と周辺の島。面積は日本の10%、人口は日本の5%しかない小さな国です。実は日本の食卓にはデンマークの恩恵が多大にあるんですよ。日本の豚肉3大輸入国は米国、カナダ、デンマーク(財務省貿易統計平成28年度)。デンマークは広大な前二者と比べると非常に小さな国なのに凄いですね。「フレスケスタイ」は豚肉大国デンマークの国民食で、みんなのご馳走です。オーブン焼きという食卓風景も北欧の典型です。日本が今も豚肉の安定供給を受けていることに感謝しながら、デンマークの人気の家庭料理を味わってみませんか。温かで素敵な時間の始まりです。
使用スパイス:こしょう、クローブ、ベイリーフ
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15)[欧州]ベルギー料理:サラダリエジョワーズ/ラークスサラダ
概要 :インゲンやじゃがいも入りのホットサラダ
料理と国:これはベルギーの国民的家庭料理。リエージュ(フランス(仏)語名。オランダ(蘭)語でラーク)の街を冠し、仏語でサラダリエジョワーズ、蘭語でラークスサラダと呼ばれます。…ここはかつてネーデルラント(低地国家群)。伯領や司教領などの小国群があり、大国に圧倒され続けた戦乱の地。最終的にベルギーは、歴史的に親スペインないしカトリックが強い地域としてオランダから独立しますが、単一言語地域が独立した訳ではないので、今も国内にフラマン(蘭語)とワロン(仏語)の言語境界線があるのです。このサラダから今ベルギーが抱える言語や不平等による分断問題に理解が深まれば有意義です。
使用スパイス:こしょう
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16)[欧州]ポルトガル料理:バカリャウアゴメスデサ
概要 :干し鱈とオリーブとゆで卵仕立てのポテトサラダ
料理と国:ポルトガル料理においてバカリャウ(干し鱈)は基本中の基本食材と言えるもので、様々な料理に用いられます。干し鱈は塩分を多く含むため、貯蔵性の高さから大航海時代以降の船の食糧としても重要で、それゆえ、新大陸(中南米やカリブ)にも干し鱈料理が存在し、干し鱈は世界の食文化を学ぶ上で、ポルトガルがもたらした影響の大きさを語る重要食材です。バカリャウアゴメスデサは、「ゴメスデサ風のバカリャウ(干し鱈)」という意味で、鱈商人の息子のゴメスデサ氏が考案したレシピをもとに、今もポルトガルや元ポルトガル領の国に根付く料理です。干し鱈とじゃがいもの相性の良さは抜群です。
使用スパイス:こしょう
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17)[欧州]スイス料理:フォンデュ
概要 :チーズを溶かしてパンなどにつけて食べる
料理と国:たっぷりのチーズがパンに絡まるとき、贅沢と幸せを感じます。チーズフォンデュはスイスチーズ連合(SchweizerKäseunion)が1930年に国民食として宣言した料理ですが、スイスのみならずアルプスの山岳地帯の農民の食文化です。秋にたくさんのパンを焼いて保存するから冬は硬い古いパンを食べる。そこでフォンデュは古いパンを柔らかく美味しくするので、冬の伝統となりました。さて日本でフォンデュを再現しようとするとなかなか気軽でなく、チーズが分離する失敗談も後を絶ちません。このレシピは身近なスーパーで買える「とけるチーズミックス」を用いつつ、良いフォンデュが作れるようレシピ化しました。
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18)[欧州]クロアチア料理:ピエスカビッツァ
概要 :バルカン半島の薄焼きハンバーグ
料理と国:かつて東欧にユーゴスラビアという南スラブ人の国があり、特に指導者チトーの時代は人々は宗教が違えど仲良く暮らしていました。社会主義国の凋落の渦中、ユーゴスラビアは解体。今クロアチアはカトリックのクロアチア人の、セルビアは正教のセルビア人の国ですが、宗教が違っても民族は同じ。今回セルビア料理として紹介するチェバプチチと、クロアチア料理として紹介するピエスカビッツァは、形が違うだけで同じ料理なのだと、歴史と重ねて見てもらえたら嬉しいです。この地域の食文化の大きな影響の1つはオスマン帝国の支配で、遊牧の肉食とイスラム交易の香辛料が料理にも表れています。
使用スパイス:カイエンペパー、パプリカパウダー、こしょう、ナツメグパウダー
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19)[欧州]セルビア料理:チェバプチチ
概要 :バルカン半島の棒状ハンバーグ
料理と国:かつて東欧にユーゴスラビアという南スラブ人の国があり、特に指導者チトーの時代は人々は宗教が違えど仲良く暮らしていました。社会主義国の凋落の渦中、ユーゴスラビアは解体。今セルビアは正教のセルビア人の、クロアチアはカトリックのクロアチア人の国ですが、宗教が違っても民族は同じ。今回セルビア料理として紹介するチェバプチチと、クロアチア料理として紹介するピエスカビッツァは、形が違うだけで同じ料理なのだと、歴史と重ねて見てもらえたら嬉しいです。この地域の食文化の大きな影響の1つはオスマン帝国の支配で、遊牧の肉食とイスラム交易の香辛料が料理にも表れています。
使用スパイス:カイエンペパー、パプリカパウダー、こしょう、ナツメグパウダー
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20)[アフリカ]モロッコ料理:ハレーラ
概要 :豆やパスタが入った具沢山スープ
料理と国:ハレーラは、アフリカ北部のマグレブ地域(主にモロッコ、アルジェリア、リビア西部)に根付き、マグレブを代表するスープ料理です。モロッコは、北は地中海、西は大西洋に面し、国の中央にアトラス山脈、南はサハラ砂漠と、国土は多様ですが、食べるものはところ変わっても意外と変わらないという印象です。事実、このハレーラは、モロッコ全土で年間を通して(特に断食月に頻繁に)食べられる、モロッコ人のみんなが大好きな、モロッコ人が最も大事にする料理の一つです。空腹を打ち破る(文字通りまさにbreakfastの)ためにこのスープをゆっくりと味わうのです。付け合わせの定番は、パンとゆで卵です。
使用スパイス:ターメリックパウダー、ジンジャーパウダー、こしょう、シナモンスティック
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21)[アフリカ]ナイジェリア料理:ガリ、オクロ
概要 :[ガリ]乾燥キャッサバ粉をついて作るモチ、[オクロ]オクラとパーム油のねばねばスープ
料理と国:アフリカを文化で二分するようにざっくりと分けるとき、文化の障壁をサハラ砂漠に置くことができます。サハラ以北は地中海の食文化を南欧と共有し、サハラ以南はブラックアフリカたる食文化が主体となります。これは後者の「もち状の主食」をちぎって「とろみのある煮物に浸して食べる」という、主食1+おかず1の食事形式であり、もちろんナイジェリアでも主要の食スタイルです。ヤシの油(パームオイル)も、キャッサバイモ(マニオク)も、多くのナイジェリア人が好む食材です。アフリカ料理は美味しいんです。だから、オクラのねばねばが好きな人には、きっとこの料理も気に入ってもらえると思います。
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22)[アフリカ]エジプト料理:コシャリ
概要 :[コシャリ]米とマカロニと豆とトマトソースとフライドオニオンの一皿盛り、[ダッア]アラビア風味のにんにく酢水、[シャッタ]料理にかける唐辛子水、[タアレイヤ]サクサクフライドオニオン、[ロズビシャーレイヤ]細い麺の炊き込みごはん、[サルサ]トマトソース
料理と国:エジプトの国民食の筆頭に挙げられるコシャリは、米と豆と小麦(パスタ)の盛り合わせで、テイクアウトでもテーブルイートインでも人気です。日本で言うなら江戸時代から根付く立ち食いそば/そば屋のような文化の一端なのだと思います。エジプトは国土ほぼ全域が砂漠気候でありながら、「エジプトはナイルの賜物」の言葉の通り水の恵みがあり、かつて四大文明の1つを形成したほどです。小麦の耕作も稲作も、豆栽培も盛ん。しかもエジプトの米は日本米ですよ。アラビア風味の酢(ダッア)と辛くて旨いタレ(シャッタ)を利かせ、フライドオニオン(タアレイヤ)もたっぷりと。エジプトの風土を感じてください。
使用スパイス:クミンパウダー、クミンシード、コリアンダーパウダー、コリアンダーシード 、こしょう、唐辛子粗びき、カイエンペパー、ベイリーフ
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23)[アフリカ]チュニジア料理:コスクシビルフート
概要 :魚のトマト煮をかけた粒状パスタ
料理と国:チュニジアの食文化は、マグレブ(モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビアの一帯)の先住民ベルベル人の食文化に、地中海の先にある地域の食文化や、征服・侵略・植民地(古代ローマ、アラブの侵入、イスラム化、フランス植民地化など)の影響から形成されました。マグレブのうち、チュニジアは特に国が小さく、よって広大な砂漠がなく、国全体として地中海沿岸部たる食の要素が強くなります。マグレブの民のクスクスに、地中海性気候のオリーブオイルとトマトに、海の魚を使うクスクスはチュニジアらしさを表す一品で、香辛料が利いた魅力あるレシピです。マグレブの美食を是非お楽しみください。
使用スパイス:ターメリックパウダー、クミンパウダー、パプリカパウダー、コリアンダーシード、キャラウェイシード
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24)[米州]メキシコ料理:タコス(トルティージャとビステクとサルサメヒカーナで)
概要 :[タコス]トウモロコシ粉の薄焼きで牛肉薄切り焼きを挟んで食べる、[トルティージャ]トウモロコシ粉の薄焼き。タコスの皮。[ビステク]薄くした牛肉を焼いたもの、[サルサメヒカーナ]赤白緑のメキシコの国旗三色カラーのフレッシュ野菜ソース
料理と国:マヤ文明やアステカ文明などを育んだメキシコは、北中南米で最も世界遺産を多く擁する国。トウモロコシを栄養価の高い粉に加工する特殊技術の証拠は古代遺跡から出土し、何千年も続くトウモロコシ文化は、今もタコスなど多くの料理に見いだされます。「タコス」はメキシコの超代表料理で、主食は1種類(トルティージャすなわちトウモロコシ粉の薄焼き)で固定され、具に決まりがなく、サンドイッチやおむすびとの共通点があります。ここでは人気のビステク(肉を薄く焼く料理)を具にした「タコスデビステク」を紹介します。ユネスコの無形文化遺産にも選ばれた伝統メキシコ料理の味をお楽しみ下さい。
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25)[米州]コスタリカ料理:ガジョピント、サルサリサーノ
概要 :[ガジョピント]にんにくや玉ねぎの旨味が美味しい豆ごはん、[サルサリサーノ]手作りの野菜入りウスターソース
料理と国:「アフリカから米州へ」とは、中南米カリブの食文化を語る大事なキーワード。この地域は新大陸としてヨーロッパ人に発見されたことになっており、労働力としてアフリカから多数の黒人が移送されてきました。それは中南米カリブの各地で豆ごはんが食べられていることの背景となっています。豆ごはんはコスタリカではガジョピントと呼ばれ、にんにくやセロリの葉や玉ねぎの旨味が出ていて、これは日本にはないごはんの美味しさ。現地では、豆も米も日本のものと違うのですが、日本の米および日本の豆を使ってレシピ化しました。風味の良さが自慢です。現地のように、是非卵料理とあわせて召し上がれ。
使用スパイス:クミンシード、こしょう、ターメリックパウダー
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26)[米州]パナマ料理:ワチョ
概要 :色の鮮やかな海鮮雑炊
料理と国:世界にパナマを有名たらしめる、それはもちろん「パナマ運河」です。北中南米を通して最もくびれた場所に作られたパナマは、2つの大海が接近するところにある国ですから、海の恵みがこの海鮮雑炊にも大いに表れています。マリスコス(魚介類)を使った雑炊は「ワチョデマリスコス」と呼ばれ、現地では特に金曜日の料理として作られます。アチョーテオイルにより中南米の風味が出ていて、まろやかな美味しさが生まれます。この黄金色を楽しむために、アチョーテが手に入らない場合でも、サフランやターメリックパウダーやパプリカパウダーを使って鮮やかさを出して作ってみていただければと思います。
使用スパイス:オレガノ
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27)[米州]ペルー料理:セビッチェ
概要 :魚介類のレモン果汁マリネ
料理と国:ペルーの代表料理と言えばセビッチェですが、この料理は北はメキシコから南はチリまで、中南米の太平洋沿岸各国で(しかも同じ料理名で)親しまれています。太平洋を西にわたると仏領ポリネシアのポワソンクリュであり、トンガのオタイカであり、北マリアナのケラグエンであり、それからフィリピンのキニラウも。そう、広大な太平洋を総じて代表するすごい料理なのです。いかに人類が冷蔵庫のない時代から生の魚を好んだかと思うと、レモンは味付けのみならず、除菌とタンパク凝固を兼ねた「調理」なのだと気づくのです。紫玉ねぎとコリアンダーの葉とレモンと生唐辛子。ペルーらしさ溢れる味わいです。
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28)[オセアニア]オーストラリア料理:シェパーズパイ
概要 :ひき肉炒めとマッシュポテトの2層グラタン
料理と国:「Shepherd’s pie」は「羊飼いのパイ」。でもパイ生地を使わず、パイというよりは、美味しいひき肉炒めとマッシュポテトで作る2層のグラタンです。シェパーズパイは英国やアイルランドの料理。「オーストラリアと英国が同じ料理をもつ」ことに驚きますか? 今オーストラリアでは自己のルーツをアングロケルト系(英国やアイルランド系)と回答する人が国民の約90%を占めています(2016年オーストラリア統計局)。オーストラリアは1788年に英国の流刑地となり、囚人、植民、連邦国家形成後の移民、ゴールドラッシュの移民と続き、英国は依然としてオーストラリア文化の主要な源泉です。このパイも英国文化の一端です。
使用スパイス:カレー粉(ガラムマサラ使用)
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29)[アジア]サウジアラビア料理:カブサ
概要 :香辛料と肉の炊き込みご飯
料理と国:カブサは祝事や家庭料理に欠かせないサウジアラビアの国民食。米が採れないのになぜ米料理?…砂漠の国に石油が発見されたのは80年前で、それ以前は遊牧民がラクダに乗るようなところでした。でも古くよりイスラムの交易路は海路でアフリカ、ペルシャ、インド等と、陸路では地中海や中央アジア等と繋がり、またイスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカへの巡礼は世界中の全イスラム教徒の義務であり、1932年の統一国家のときも国は巡礼の収入に頼っていました。サウジアラビアは、ペルシャなど米生産地と古くからイスラムの人の流れで繋がっていたことが、このカブサから垣間見えます。
使用スパイス:ターメリックパウダー、シナモンスティック、粗びきこしょう、クミンパウダー、クローブ、黒こしょう粒、カルダモン
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30)[アジア]イラン料理:アーシュレシュテ
概要 :豆と野菜とハーブがたくさん入った小麦麺の煮込み
料理と国:今の国名はイラン。でも、この国は長く「ペルシャ」と呼ばれてきました。悠久の歴史をもつこの土地の料理には甘みと旨味と香りを付与するハーブやフルーツが多用されています。唐辛子や香辛料も控えめでスパイシーすぎず、ハーブやフルーツを取り入れたナチュラルな味わいには一目の価値があります。アーシュレシュテは、農耕民族の野菜やハーブと遊牧民族の発酵乳製品の組み合わせ、そこにシルクロードの麺類が混交した、まるでペルシャ/イランの文化の縮図のよう。イスラム教のラメザン(断食月)に食べる料理ですが、家庭では年間を通して作られる、イランを代表する国民食の1つです。
使用スパイス:ターメリックパウダー、こしょう
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31)[アジア]韓国料理:トッポキ
概要 :お餅の甘辛煮
料理と国:朝鮮半島がいわゆる北朝鮮と韓国の二分状態になったのは第二次世界大戦直後です。歴史の中では分断前の時間が圧倒的に長く、食文化は同じ基礎を多く共有しています。今大会では予選に両国が出場したので、共通料理よりも韓国らしい料理を紹介したいと思います。「トッポキ」は訳して「餅炒め」。伝統的には醤油味ですが、両国の境界線制定後に韓国側(ソウル)でコチュジャン(唐辛子味噌)を使う甘辛いトッポキが誕生し、今や老若男女を問わず食事にもおやつにも夜食にも食べられる大人気料理!日本のお餅と違いこのお餅はあまり伸びず、なめらかな舌触りが絶品。私の大好物です。
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32)[アジア]日本料理:おむすび
概要 :白米を握って表面に板海苔をつけるか板海苔で巻いたもの
料理と国:「日本ほど米が強大な貨幣価値を持った国」などどこにもない。大和朝廷は日本を「瑞穂の国(稲が豊かに実り栄える国)」と呼び稲作を国家運営の礎とした。地租改正まで1000年以上続いた年貢は米で税金を納める制度だった。土地評価を米の生産力で測ったのが太閤検地だ。品種改良で稲作の北限を次々伸ばしたのも日本人だ。…米、米、米。日本人が米に懸ける想いは想像を絶する。米を炊いた「ごはん」こそ日本の偉大さの縮図たる料理です。今回は、海苔という日本古来から続く伝統を含め、サッカーの世界大会の応援気分が上がる、可愛い「サッカーボールおむすび」の作り方を掲載します。
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ワールドカップ料理イベントは、全員が全調理に成功!!!大成功!!! しかも本格的な味に皆ちゃんと出来上がっています。お人柄が本当に素晴らしい方ばかりで出会いに感謝しています。
ついでに、日本を含めるグループHは料理対決をし、ごちバトルのように勝者の方をたたく私がテレビ放映されました\(^o^)/
イベント当日の様子はこちら♪
ワールドカップ出場32か国の料理が勢ぞろいする企画・イベントを担当!!無事終了♪
使用したスパイスまとめ
こしょう(パウダー)、カイエンペパー(パウダー)、ターメリック(パウダー)、ジンジャー(パウダー)、シナモン(スティック)、ローリエ(ローレル又はベイリーフ、ホール)、カレー粉(ガラムマサラ使用、パウダー)、クローブ(ホール)、パプリカ(パウダー)、ナツメグ(パウダー)、クミン(パウダー)、こしょう(ホール)、カルダモン(ホール)、こしょう(粗びき)、クミン(ホール)、コリアンダー(パウダー)、コリアンダー(ホール)、唐辛子(チリペパー、粗びき)、キャラウェイ(ホール)、オールスパイス(パウダー)、オレガノ(ドライ)。順不同。
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