スパイスアンバサダーとして活動しています。スープ料理の魅力を活かしたく、主食をあわせるだけで一食が素敵に完結する「美味しい世界のおかずスープ」の楽しさを提案することにしました。「主食1スープ1」の素敵な食。世界の「スパイスおかずスープ」というテーマでレシピ化し、全12回の連載で発信しています。
【第5回】ベトナム料理「ラウタイ」

前回がチューブスパイスのハリッサを使ったリビア料理だったので、今回はチューブスパイスつながりで「サテトム」を使用しています。
さて、(ギャグじゃない)
ベトナム現地で売られているサテトムを見てみると、

「Sa tế tôm Thuận Phát hũ 85g được dùng với bò viên, phở, bún bò Huế, lẩu Thái, hoặc ướp đồ nướng.」、つまり、「このサテトムは、ビーフボール、フォー、フエの牛肉麺のスープ、ラウタイ、またはグリル料理のマリネなどに使用できます。」と書いてあるのです。
いいねー♪ラウタイ♪ トムヤンクン味のつゆで作るベトナム鍋です♪ トムヤンクンはエビの風味がして酸っぱ辛いスープですから、「ラウタイ」も間違いなく美味しそうですよね!!
『サテトム使用のおかずスープ♪ ラウタイ♪』材料(4人分):
<スープの準備>
- レモングラス
 - 5本(※1)
 - トマト
 - 1個
 - 紫玉ねぎ(※2)
 - 1個
 - 生姜
 - 2cm立方
 - 生の唐辛子(※3)
 - 1本
 - 柑橘の若葉(※4)
 - 3枚
 - サラダ油
 - 大4
 - 水
 - 1.2 L
 - レモン
 - 1個(※5)
 - サテトム(※6)
 - 大2
 - 砂糖
 - 大1
 - 中華だしの素(※7)
 - 小1
 - 味の素
 - 小1/3
 - ナンプラー
 - 大2
 - エビ、カニ、イカ
 - 食べる量
 - えのきやしいたけ
 - 食べる量
 - 豚肉やレバー
 - 食べる量
 - 野菜類
 - 食べる量
 - 春雨や豆腐
 - 食べる量
 
※1:レモングラスは茎の基部の比較的柔らかい部位を使います。東南アジア料理らしい風味を強く出すので推奨しますがない場合は省き、サテトムの使用量を増やします。
※2:紫玉ねぎがなければ普通の玉ねぎで代用します。
※3:生の赤い唐辛子があれば使います。ない場合は鷹の爪などで代用します。
※4:レモンやはっさくの葉など。なければ省きます。
※5:レモン1個から大さじ3杯の果汁を絞れると思います(サイズによる)。なければ市販のレモン果汁をその分使用します。
※6:サテトムはベトナムのエビ風味唐辛子調味料です。数社から市販されています。
※7:創味シャンタンDXやウェイパー(味覇)など。
<具の準備>
※:今回はエビ8尾、カニ小1はい、豚薄切り肉200 g、えのき1袋、パクチー50 g、ほうれんそう1わ、玉ねぎとその芽を使用しました。
作業工程:30 分
- <スープの準備>レモングラスの基部は縦に細切りにし、トマトはくし形に薄切りにし(1個から10個のくし形を取るくらいに切る)、紫玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、生姜は千切りにし、生の唐辛子は小口切りにし、柑橘の若葉は2つに切っておく(3枚あるので6片になる)。
 - 鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、レモングラス、トマトの7割、紫玉ねぎの7割を入れて炒める。
 - 香りが出てきたら水を入れて強火にし、レモンを絞って果汁を大さじ3杯ほど入れる。
 - 鍋の中が沸いたら火加減を落とし、サテトム、砂糖、中華だしの素、味の素、ナンプラー、赤唐辛子の小口切りを入れる(辛いのが苦手なら量を減らして)。
 - <具の準備>スープを煮ている間に具を用意し、鍋に入れて食べるサイズに切ってお皿に乗せておく。
 - <仕上げ>スープの味見をし、塩加減、酸味加減、辛さ加減、エビ風味加減などを好みに調え、紫玉ねぎとトマトの残りと柑橘の若葉をスープに浮かべ、具とともに卓上に出す。
 - Enjoy!
 

美味しいーー♡♡♡
東南アジアの料理は美味しいです!! 中でもタイのトムヤンクンは有名な人気料理で、その「酸っぱ辛いエビ風味の汁」は非常に多くの人をとりこにします。タイから東に離れたところにあるベトナムには、「タイのトムヤンクンの要素で作る鍋料理」があり、鍋料理の意味の「ラウ」をつけて「ラウタイ」と呼びます。日本でも「サテトム」というエビ風味のペースト調味料が市販されるようになったので、東南アジアフレーバーの料理がぐんと作りやすくなりました。ここでは多様な「ラウタイ」レシピの一例として、日本で市販のサテトムを使う美味しい鍋のレシピを掲載しました。
見てスープの色♪

海鮮のおかずが合う♪

鍋で作って、各自おかずスープでいただきます♪

* * *
「スパイスを使うと、ふとほかの部屋から入ってきたときに、わあ、いいにおいって、料理を見ないうちから美味しそうって思ってもらえる。」
そういう瞬間って、嬉しいじゃないですか。
その瞬間が楽しくて、スパイスがあると幸せが増える。
料理って本当にすごいよね。言葉では伝えられないものなのに、食卓であの国へ旅できるのだから。こうして料理で地球はまるくなる。
* * *

次回はカレー粉を使ったおかずスープです。また世界の本物のレシピをお届けしますね。次回は西欧です。お楽しみに。
【第1回】きっかけはロシアの「主食1スープ1」
【第2回】「おかずスープ」の定義
【第3回】達成報告!渡航最難関国リビアへ!!
【第4回】ハリッサ使用リビア料理「ハライミ」
【第5回】サテトム使用ベトナム料理「ラウタイ」
【第6回】カレー粉使用英国料理「マリガトーニ」
【第7回】チリパウダー使用米国料理「ホワイトチキンチリ」
【第8回】五香粉(ウーシャンフェン)使用台湾料理「素肉餛飩湯」(スールーフントゥンタン)
【第9回】八角使用パキスタン料理「ヤクニ」
【第10回】オールスパイス使用ジャマイカ料理「フィッシュティー」
【第11回】花椒使用中国料理「水煮肉片」(シュイジューローピエン)
【第12回】ナツメグ使用セントクリストファーネイビス料理「ゴートウォーター」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。
