【世界20か国朝食!スパイスで地球を感じる・連載第20回ドリンク編】アンティグアバーブーダ料理シーモス

2021/06/07

『スパイスアンバサダー2021』
4~6月の活動は「スパイスを使う世界の朝食」という、私の得意分野のテーマです。お陰で私自身もスパイスという体の滋養を日々取り入れることができ、健康と幸せを実感しています。最終章となった「ドリンク編」の、そしてこれが最終投稿です。

世界の朝ごはん

世界の料理を暮らしに取り入れる良さは幾つもあって、1)食卓がマンネリにならない、2)レパートリーが増える、3)いつもわくわくする、4)家族との会話が楽しい(ウクライナ料理を食べながらクリミア紛争を語り合ったりできる)、5)レシピ研究のためには勉強が必要だからボケ防止になりそう、6)和食が減るから減塩料理などの機会が豊富。などなど。特にマンネリになるのは朝食なので、朝食をテーマにスパイスレシピを開拓できるのはやりがいがあります。

<世界のスパイス朝ごはんの選別コンセプト>
20回連載で、世界のスパイス朝ごはんとそのレシピを紹介します。選ぶコンセプトは以下の通りです。

  1. 家庭の朝食と旅人が得る朝食は違う。正直、旅人基点でないと日本人は世界の料理に出会いにくい。だから基本コンセプトは「旅して出会う世界の朝食」とした。例えば「キューバ旅行気分♪」のように旅人視点を重視した。
  2. 主催者選定スパイス17種類のうち最低1つを使用する。
  3. 世界246か国を俯瞰してその国にどんなスパイス料理(選定17種類内)があるかを検証し、私がその国でその料理を実食した本物の料理を重視する
  4. 本物重視。スパイスを使った我流アレンジ料理にはしない。スパイスを使うその国の食とする。
  5. その料理がその国で朝食になりうるか、そしてそれはその国の国民食かどうかを検証済みとする。国民食の要件は、traditional、common、あるいはpopular。
  6. スープ編、おかず編、主食編、ドリンク編と、配膳別に各5回ずつ紹介。なお液状のディップ類は主食を食べるためのものならおかずに、汁を飲むならスープに編入。また肉類であっても主食と合体していてそれ一品で食事が完結するなら主食に編入した(例:肉まん)。
  7. 各配膳内(5回内)ではメインスパイスは重複しない
  8. 全体を通して(20回内)国は重複しない

このように壮大な計画と構想で練られた20レシピです。

世界の料理って本当に素敵です。

美味しさに香りを乗せて、楽しい時間を一緒に過ごしませんか。
日常に入り込んだワクワクの時間。
嬉しいのは、味も見た目も楽しむ時間。
簡単、美味しい、幸せ。

特別な時間を贈ります。

* * *

連載最終回はドリンク編(5)・アンティグアバーブーダ料理の「シーモス」です。
カリブ海では海藻(アイリッシュモスと言う)をゲル状にしてからシーモスという飲み物にします。シーモスはミルクセーキのようなドリンクになったり、とろみを強くしてかき氷にかけたりして、大人も子供も大好きなドリンクやスウィーツになって親しまれています。

シーモス

レシピは簡単です。

heart『カリブ海の人気の健康ドリンク♪ シーモス♪』
シーモスジェルの材料(400 mL容器1つ分):

棒寒天(※1)
16~18 g(※1)
500 mL
レモン果汁
小1
粉ゼラチン
小1

※1:寒天は糸寒天や粉寒天を使わずに棒寒天を使用します。棒寒天は2本分です。
※2:水道水の塩素臭が気になる方はミネラルウォーターを使います。

シーモスジェルの作業工程:1 時間(水に浸けておく時間を除く)

  1. <前日>小鍋に棒寒天をちぎって入れ、水とレモン果汁を入れ、ひと混ぜし、1晩置いておく。
  2. <当日>小鍋を中火にかけ、優しく混ぜながら加熱し、沸点近くになったらごく弱火にして沸点近い温度をキープし、20分間加熱する。
  3. フタをして放置。鍋の温度が50℃くらい(「飲めないこともないけどこのまま飲んだらちょっと熱いだろうな」と思うくらいの温度)に冷めたら粉ゼラチンを加えて均一に混ぜる。
  4. 更に20分程度置き、ミキサーを回しても安全な温度(お風呂の温度くらい、人肌よりはやや温かい温度)に冷めたら全体をミキサーにかける。
  5. Enjoy!

* * *

シーモスの材料(1人分):

シーモスジェル(※1)
大3
牛乳(※2)
100 mL
水か氷(※2)
100 g(100 mL)
バニラエッセンス
1滴
コンデンスミルク
45 g
黒糖(※3)
1かけ(約3 g)
ナツメグかシナモン
少々

※1:シーモスジェルは別途手作りします。レシピは上の段。
※2:牛乳と、水または氷は、合計で200 mLあれば、配合比率は任意でよいです。
※3:黒糖を加えるのはやや褐色の色合いを出すためです。なければコンデンスミルクを50 gにして黒糖を省いてもよいです。

シーモスの作業工程:5 分

  1. すべての材料をミキサーに入れて撹拌する。ナツメグパウダーやシナモンパウダーも少々ミキサーに入れる。
  2. 黒糖が完全に溶解したら味見をして、甘さ加減などを好みに調える。
  3. グラスに移し、仕上げのナツメグパウダーやシナモンパウダーを好みの量ふりかけて出来上がり。
  4. Enjoy!
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いったんシーモスジェルを作って、

シーモスジェル

シーモスドリンクにします。

シーモス

素敵ですね。健康に良い海藻・寒天を、食べやすく使いやすいこのような無味無臭のジェルにしておくことは健康にも良いアイディアです。ほとんど無味無臭なのが良くて、ドリンクやスープ類にちょこっと入れたり、炊飯器にちょこっと入れたりして、健康への良い効果も期待して楽しんでいます。カリブ海を旅していなかったらこれを作る発想すら絶対になかった…。

私が好きな言葉は、
「料理の向こうに地球が見える」

こんな料理を、アンティグアバーブーダの風景に重ね、自宅でもアンティグアバーブーダ旅行気分を感じられたらこんなに嬉しいことはない・・・。

アンティグアバーブーダ

なぜならば -すみなしものは心なりけり- だから・・・。

* * *

4~6月の活動は「スパイスを使う世界の朝食」という、私の得意分野のテーマで、20回の連載という大きな課題を設定し、料理を研究し、発信して参りました。読んでいただき本当にありがとうございました。

いつも私は、世界の本物の料理の伝道師でありたいと思っています。日本人向けアレンジは考えない。創作料理もしない、アレンジ料理もしない。

私の料理研究とは、以下の4点に集約されます。
世界の本物のレシピを、日本の普通のスーパーで買える食材で作れるように研究・試験する。日本の一般家庭の調理環境で作れるように研究・試験する。そしてその国の料理を調べるために「トルコ料理ならトルコ語で、イラク料理ならアラビア語で」料理を調査・研究する。

そうして、これまで幾百の国境を越えて出会った、旅先の料理の実体験を、日本で再現することが、私の人生の目標になっています。

世界の料理は素敵です。
だから、これからも夢に向かって走り、取り組み続け、家族との楽しい食事の時間にも会話にも世界中の良さを集めて、妥協のない努力を続けて参りたいと思います。

本企画を主催されたレシピブログとハウス食品(株)に、心より感謝申し上げます。

世界の朝ごはん

<世界20か国のスパイス朝食・目次一覧>
メルジメッキチョルバス【第1回スープ編(1)】
~西アジア・トルコ料理、メルジメッキチョルバス


ハルチョ【第2回スープ編(2)】
~コーカサス・ジョージア料理、ハルチョ


サルーナ【第3回スープ編(3)】
~西アジア・アラブ首長国連邦料理、サルーナ


ビーフスープ【第4回スープ編(4)】
~東アフリカ・ケニア料理、ビーフスープ


スプドゥポワソン【第5回スープ編(5)】
~西欧・フランス料理、スプドゥポワソン


ホムス【第6回おかず編(1)】
~西アジア・シリア料理、ホムス


ナーゲシ【第7回おかず編(2)】
~西アジア・イラン料理、ナーゲシ


ソスプワノワ【第8回おかず編(3)】
~カリブ海・ハイチ料理、ソスプワノワ


ベール【第9回おかず編(4)】
~東北アフリカ・ソマリア料理、ベール


バイサイチュルーク【第10回おかず編(5)】
~東南アジア・カンボジア料理、バイサイチュルーク


ファリアミナナナ【第11回主食編(1)】
~インド洋アフリカ・マダガスカル料理、ファリアミナナナ


チャパティアウサブジ【第12回主食編(2)】
~南アジア・インド料理、チャパティアウサブジ


アソパオ【第13回主食編(3)】
~カリブ海・プエルトリコ料理、アソパオ


肉包子(ローパオズ)【第14回主食編(4)】
~東アジア・中国料理、肉包子(ローパオズ)


フォーヘオ【第15回主食編(5)】
~東南アジア・ベトナム料理、フォーヘオ


シャイアラーキ【第16回ドリンク編(1)】
~西アジア・イラク料理、シャイアラーキ


カイマクチャイ【第17回ドリンク編(2)】
~西アジア・アフガニスタン料理、カイマクチャイ


フゴデキヌア【第18回ドリンク編(3)】
~南米・ペルー料理、フゴデキヌア


カフェトゥーバ【第19回ドリンク編(4)】
~西アフリカ・セネガル料理、カフェトゥーバ


シーモス【第20回ドリンク編(5)】
~カリブ海・アンディグアバーブーダ料理、シーモス


世界の朝ごはん

スパイスで世界の朝ごはん料理レシピ

※本記事は(1)「ハウス食品×レシピブログ」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)スパイスをモニター提供されたことに基づき執筆するものです。



* * *

本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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