津和野のイノシシで世界の料理(7)トリニダード・トバゴ料理「ジラポーク」

2023/04/22

゚・*美味しさは、香りで作る。*・゚【スパイスアンバサダー2023】

スパイスアンバサダーレシピ
使用スパイス:クミンシード、クミン、こしょう、ハバネロ、タイム、粗びき唐辛子
クミンシードクミンこしょうハバネロタイムチリペパー

先日、島根県津和野町にお住いの方がご自宅付近で獲れたイノシシのお肉を分けてくださいました。いただいたお肉は、肩まわりと前脚の3650 gです(重量は脚の骨を含む)。そのお肉を大事に使い切り、下さった方への御礼の気持ちと、お肉に感謝の気持ちを込めて、いただいたお肉で作った世界の料理のレシピを掲載しています。

* * *

 第7回、トリニダードトバゴ料理「ジラポーク」 

ジラポーク

お肉使用量:400 g(全量3650 g中累計2550 g)。

南米大陸からごく至近の位置に大きなトリニダード島があり、その先に小さなトバゴ島があります。2つあわせて「トリニダード・トバゴ」という国です。この国にはインド系住民が人口の4割(!)と多い。インド人はかつてのカリブ海での奴隷労働制が廃止されたあとに契約労働システムが樹立してから英国に雇われた人々。インド人が大勢働く国ではスパイスをたっぷり使う数々の料理が根付きました。クミンがたっぷりと使われた、香り豊かなお肉の炒め煮です。

heart『お肉のクミンたっぷり炒め煮♪ ジラポーク♪』
材料(3~4人分):

パクチー
刻んで大3
小ネギ
刻んで1/2 C
豚かたまり肉(※1)
400 g
レモン果汁
大1
小1/2~2/3(※2)
こしょう
小1/3
乾燥タイム
小1
玉ねぎ
1/2個
にんにく
4かけ
豚肉が浸る量
粗びき唐辛子
小0~小1(※3)
クミンパウダー
小1/4
ハバネロペパー(※4)
ごく少量(※4)

※1:豚肉は厚さ2 cm以上とれる部位を使います。
※2:塩気がぼやけないほうが主食に合うので、その場合は小さじ2/3杯を使います。最初は小さじ1/2杯を使って様子を見て、最後の味見で好みで増やすようにしてもよいです。
※3:粗びき唐辛子を加えるかどうかは好みによります。ハバネロペパーを多く入れるなら加えなくてもよいです。
※4:ハバネロペパーは日本のスーパーでも市販されています。カリブ海唐辛子の風味がつけられるので推奨しますが、辛味が非常に強いので少量にとどめます。

作業工程:50 分(豚肉をマリネする時間を除く)

  1. パクチーをみじん切りにし、小ネギを小口切りにして置いておく。
  2. 豚肉を2~3 cm角切りにし、ボウル(金属製でないもの)に入れ、レモン果汁、塩、こしょう、乾燥タイム、パクチー、小ネギを加えて全体を和え、フタをして1時間以上置いておく(冷蔵庫で1晩置いてもよい)。
  3. 玉ねぎとにんにくをみじん切りにする。
  4. 豚肉を煮込む鍋にサラダ油を加えて中火で熱し、玉ねぎとにんにくを加えて炒める。
  5. 玉ねぎが茶色く色づいてきたら豚肉をマリネの材料ごと入れ、肉の表面を焼き付けるように炒める。
  6. 豚肉が浸る量の水を入れ、火加減を強火にし、フタをし、フタと鍋の間にスプーンを挟んで少しだけ隙間をあけ、水分を飛ばしながらぐつぐつと煮る。
  7. 途中でフタをあけ、煮汁が減ってきていることを確認し、ときどき中身を混ぜる。
  8. 途中で粗びき唐辛子を入れ、引き続き煮る。
  9. 煮汁がかなり減ったらクミンパウダーを加えて味見をし、塩加減やスパイス加減などを好みに調える。
  10. フタを取り、煮汁をほとんど飛ばし、ハバネロペパーを加え、鍋に残る油分で豚肉に照りを出すように混ぜる。
  11. Enjoy!
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ジラポーク

うわ、香りがいい! 美味しいー♡♡

これは「クミンだけでキメに入るカレー」とも言えるし、でもターメリックもコリアンダーパウダーも入らないのでカレー風味には至らず、カレーのにおいがしない、ただただひたすらハイパークミン風味の、「風味勝ち」の料理です。でもね、非常に美味しいんですよ。ただクミンをどさっと入れているだけじゃないんですよ。トリニダード・トバゴとはカリブ海の国で、この料理もこれぞカリビアンテクニックと言わんばかりにお肉の下ごしらえが素晴らしいのです。白いごはんを炊いてお召し上がりくださいね。

* * *

「地域活性化のために地域の資源を活用しよう」というコンセプトが是であるなら、ジビエは最高の地域活性化ツールの1つと確信しています。このような新しい料理への活用が地域のジビエ振興のツールになれれば嬉しいですし、地元の皆さんと美味しい料理でわいわい盛り上がるのも立派な地域貢献。世界の料理はこういうポテンシャルに溢れているから、私もわくわくして活動に取り組んでいられます。

いただいたイノシシ肉もあとおよそ1 kg。最後の最後は「世界で一番料理が美味しい国の料理」と決めているので、次回は、秘境北コーカサスのカバルダバルカル料理を作ります・・・って、またもやそれどこって感じですよね。ロシア内の、いち共和国です。



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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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