゚・*美味しさは、香りで作る。*・゚【スパイスアンバサダー2023】
使用スパイス:クミン、カイエンペパー、こしょう、パプリカ、ハリッサ
スパイスアンバサダー2023の年度末の活動として、「主食1スープ1」の素敵な食、「スパイスを使う世界のおかずスープ」というテーマに取り組んでいます。主食をあわせるだけで一食が素敵に完結する「美味しい世界のおかずスープ」の楽しさを提案することにしました。前段として最初の3回を含め、全12回の連載予定です。
*「おかずスープ」の定義は、≫こちら。
また前回の記事(≫こちら)では、渡航難関国であるリビアへの訪問達成を報告しました。
スパイスを使う世界のおかずスープ(3)達成報告!渡航最難関国リビアへ!!
その続きとして、今回は、リビアのとびきり美味しい「おかずスープ」から連載をスタートしようと思います。
* * *
【第4回】リビア料理「ハライミ」
今回はチューブスパイス第1弾として「ハリッサ」を使用したレシピです。
ハリッサはもう日本でも知名度がありますね。でも現地の発音はハリーサが最も近いので、現地の感覚で文章を書くときは私はハリーサと表記することもあります。で、ハリーサ/ハリッサってチュニジアのイメージがありますか? それはリビアが知られざる国だからなのですけど、私はリビアに行ってみてよく分かった。リビアも相当のハリーサ大国です。
おこちゃまが入るファミリーレストランでも料理にハリーサを使うので、何かと料理が辛い。いろんな料理があれこれ辛い。正直なところ、料理が基礎的にこんなにも辛い国は世界245か国で食の旅をした私にとっては初めての体験です。韓国料理もあれこれ辛いですけど、辛くない料理は白っぽかったり茶色っぽいので、料理の種類が多い韓国のほうが辛くない料理を探すのが簡単です。しかしトマトが料理の主たる食材であるリビアでは、ハリーサを使おうが使わまいが料理にトマトを多用するので、見た目じゃ辛いかどうか判別できないんですよね。
ハライミのレシピは簡単です。要は、オーブンで魚に火を通し(これをリビアではタジンと言います)、鍋でトマトとハリッサを入れて濃厚旨旨ピリ辛スープを作り、合わせるだけです。ゆでじゃがや素揚げのししとうを入れてもよいのだけど、あれこれ加えてしまうとただでさえ手が出しにくい世界の料理が余計に遠のいてしまうので、ここはハライミの最たる基本として、魚メインの直球スープをレシピ化しました。
材料(3~4人分):
<魚のタジン(オーブン焼き)>
- 大きめの一匹魚(※1)
- 1尾(※1)
- 玉ねぎ
- 1/4個
- チューブにんにく
- 小1
- 塩A
- 小1/3
- クミンパウダーA
- 小1/4
- カイエンペパーA
- 小1/5
- レモン果汁
- 大1/2
- サラダ油A
- 大3
- トマト缶
- 400 g入りを1つ
- サラダ油B
- 大3
- にんにく
- 5かけ
- ハリッサ(※2)
- 大1
- 塩B
- 小1/8
- 砂糖
- 小1/8
- こしょう
- 小1/8
- クミンパウダーB
- 小1/8
- カイエンペパーB
- 小1/8
- 水
- 500~600 mL
- パプリカパウダー
- 小1/8
- <魚のタジン(オーブン焼き)を作る>魚はうろこ、エラ、内臓、頭、ヒレを落とし、中骨ごと4 cm幅のぶつ切りにする。
- 玉ねぎは2 cm長さに切ってから薄切りにし、魚の身が入るサイズのオーブン耐熱容器の底に重ならないように広げ入れる。
- 小さな容器にチューブにんにく、塩A(小さじ1/3)、クミンパウダーA(小さじ1/4)、カイエンペパーパウダーA(小さじ1/5)、レモン果汁を入れて混ぜ、魚の表面と内面(内臓が入っていた場所)に塗りつけ、玉ねぎの上に離して置く。
- オーブンを250℃に余熱開始。
- 魚の上にサラダ油A(大さじ3)をまわしかけ、アルミホイルで二重に包んでオーブンで20分焼く。
- 20分後に中を確認し、魚の肉に火が通っていたら取り出す。もう少し加熱したほうが良さそうならひっくり返して10分追加で焼く。
- <ソースを作る>トマト缶をハンドブレンダーにかけてなめらかに均一にする。
- 魚を煮込む鍋にトマト缶ピューレとサラダ油B(大さじ3)を入れ、ときどき混ぜながら中火で熱し、鍋底をヘラで掻(か)いたときに数秒間鍋底が見えたままになるくらいにもったりとしたトマトペーストを作り、火を止める。
- にんにくを粗みじん切りにして鍋に入れ、ハリッサ、塩B(小さじ1/8)、砂糖、こしょう、クミンパウダーB(小さじ1/8)、カイエンペパーパウダーB(小さじ1/8)、水の一部(ハンドブレンダーが回る最低限の量)を入れ、ハンドブレンダーにかけて均一にする。
- 残りの水を入れて混ぜてから中火にかけ、味見をして水加減を好みに調え、熱くなったら弱火にし、表面に油が浮くよう静かに煮る。
- 油の上にパプリカパウダーをかけ、ソースをより赤く色づける。
- <仕上げ>オーブン耐熱容器の中身をすべてソースに入れ、表面に油が浮いたままになるよう優しく混ぜ、味見をして塩加減などを好みに調える。
- Enjoy!
※1:魚は白身の一匹魚で体長30 cmくらいのものを買い求め、エラ・内臓・頭を除いて400 g以上あるとよいです。
<ソース>
※2:ハリッサは現地の唐辛子調味料です。日本でも市販されていますしなければ手作りできますので辛さに注意しながら使うことができます(≫こちら)。
作業工程:1 時間
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美味しいーー♡♡♡
リビア料理ってこういう赤いスープに浸った料理が多いんですよ。チュニジアに負けず劣らず(?)ハリーサ(唐辛子調味料)とトマトを多用するので、何かと料理が赤くて辛いのがリビア料理です。またリビアでは人口の多くが沿岸部に集中しており、つまり大部分のリビア人は魚をよく食べるという図式。その現地の魚料理を代表する一品がこのハライミなのです。
魚の旨味が引き出されたスープが大の絶品です!! 活きのいい一匹魚が手に入ったら、ときにはお刺身ではなくこういう料理も作ってみていただけたらと思います。リビアでは主たる主食がパンなのですが、それはなんたっておかずを注文するとパンが無料でついてくる国だから。日本だと「パンと魚」はあまり組み合わせないけれど、これはスパイスの香り良さもあり、パンによく合う素晴らしい魚スープです。
* * *
「スパイスを使うと、ふとほかの部屋から入ってきたときに、わあ、いいにおいって、料理を見ないうちから美味しそうって思ってもらえる。」
そういう瞬間って、嬉しいじゃないですか。
その瞬間が楽しくて、スパイスがあると幸せが増える。
料理って本当にすごいよね。言葉では伝えられないものなのに、食卓であの国へ旅できるのだから。こうして料理で地球はまるくなる。
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次回はサテトムを使ったおかずスープです。また世界の本物のレシピをお届けしますね。次回は東南アジアへ、レッツゴー♪ お楽しみに。
【第1回】
きっかけはロシアの「主食1スープ1」
【第2回】
「おかずスープ」の定義
【第3回】
達成報告!渡航最難関国リビアへ!!
【第4回】
チューブスパイス「ハリッサ」使用
リビア料理「ハライミ」
【第5回】
チューブスパイス「サテトム」使用
ベトナム料理「ラウタイ」
【第6回】
ミックスパウダー「カレーパウダー」使用
英国料理「マリガトーニ」
【第7回】
ミックスパウダー「チリパウダー」使用
米国料理「ホワイトチキンチリ」
【第8回】
ミックスパウダー「五香粉」使用
台湾料理「素肉餛飩湯(スールーフントゥンタン)」
【第9回】
ホールスパイス「八角」使用
パキスタン料理「ヤクニ」
【第10回】
スパイス純品粉末「オールスパイス」使用
ジャマイカ料理「フィッシュティー」
【第11回】
スパイス純品粉末「花椒」使用
中国料理「水煮肉片」(シュイジューローピエン)
【第12回】
スパイス純品粉末「ナツメグ」使用
セントクリストファーネイビス料理「ゴートウォーター」
「スパイスで味わい深まる♪食べ応えたっぷり、おかずスープレシピ」モニター参加中。※本記事は(1)「ハウス食品×フーディストパーク」のPR企画に参加していること、(2)スパイスをモニター受領したことに基づき執筆するものです。