津和野のイノシシで世界の料理(5)韓国料理「ミヨック」

2023/04/16

最近、島根県津和野町にお住いの方がご自宅付近で獲れたイノシシのお肉を分けてくださいました。いただいたお肉は、肩まわりと前脚の3650 gです(重量は脚の骨を含む)。そのお肉を大事に使い切り、下さった方への御礼の気持ちと、お肉に感謝の気持ちを込めて、いただいたお肉で作った世界の料理のレシピを掲載しています。

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 第5回、韓国料理「ミヨック」 

ミヨック

お肉使用量:100 g(全量3650 g中累計1750 g)。

本州本土に住む人にとって一番近い外国は韓国です。私は以前韓国を旅して驚きました。野山に生える植物や、雑草でさえ、日本と非常に共通しているんです。もちろん海産物は日本と共有。「食べ慣れたものが美味しく感じる」のであれば、日本人にとって最も美味しい外国料理は韓国料理と言えるかもしれません。今回掲載する「ミヨック」はわかめ食いの日本人がみんな美味しさに驚く料理です。なんと米の研ぎ汁にお肉とにんにくを加えてわかめをくたくたになるまで煮てしまうという料理です。

heart『わかめもりもりスープ♪ ミヨック♪』
材料(4~8人分):

米の研ぎ汁(※1)
700 mL
乾燥わかめ(※2)
25 g(※3)
肉(※4)
100 g
700 mL
にんにく
1かけ
ごま油
大1
醤油(※5)
大1/2
小1/3
ナンプラー(※6)
小1/2

※1:米の研ぎ汁は、3回目の研ぎ汁くらいの、やや薄いものを使うとよいです。
※2:乾燥わかめは、道の駅や物産展などで売っている産地直送のような高品質のものがよいです。
※3:乾燥わかめは形状により見た目の体積が変わるので分量を示すのが難しいのですが、25 gはカット後にお茶碗に入れて1杯くらいです。
※4:韓国では通常スーパーで牛肉を買い求めて作りますが、イノシシ肉があればイノシシ肉でも作られます。肉の部位は問いませんが、柔らかい部位を使うと柔らかい仕上がりになります。
※5:醤油は日本の醤油を使っています。クッカンジャン(現地のスープ用醤油)があればそれを使い、塩加減などは味見で調えます。
※6:ナンプラーはカナリエキス(現地のカタクチイワシの魚醤)の代用です。なければ省いてよいです。

作業工程:40 分

  1. (米を研いで研ぎ汁を用意しておく。)
  2. 乾燥わかめを2~3 cmくらいの長さに切ってボウルに入れ、水(分量外)を注いで軽く洗い、洗った水を捨てる。
  3. わかめのボウルに水(700 mL)を入れて浸けておく。
  4. 肉が厚ければ薄切りにし、薄切りの場合はそのまままな板に乗せ、2~3 cm角くらいに切る。
  5. (お肉を柔らかくしたい場合は肉叩きで叩く。)
  6. わかめをザルにあげ、戻し汁は捨てずに置いておく。
  7. にんにくを細かいみじん切りにするか、クラッシャーでみじん切り状態にする。
  8. 2 L近く入る鍋にごま油を入れて中火で熱し、わかめを入れてよく炒める。
  9. わかめのハリと硬さがなくなってまとまりやすくなってきたら、牛肉と醤油を入れ、引き続きよく炒める。
  10. わかめの戻し汁500 mLくらいと、米の研ぎ汁500 mLくらいを入れ、にんにく、塩、ナンプラーを入れて強火にして沸騰させる。
  11. 沸騰後は、弱くぐつぐつとする程度まで火加減を落とし、ときどきアクを取りながら30分ほどよく煮込む。
  12. 味見をし、水分を追加できそうなら、わかめの戻し汁と米の研ぎ汁を加える。
  13. 味見をし、塩加減などを好みに調える。
  14. Enjoy!
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ミヨック

わかめの人生最高味!! 美味しいー♡♡

このミヨックは、「美味しいわかめを、わかめ食いの日本人でさえびっくりするくらい美味しくした料理」です。もしあなたがにんにく好きならこのスープは至極美味しいので、一度作ってみませんか。

なお、津和野町には海がなくても益田圏域として日本海の美味しい海産物があります。

わかめ

こんな美味しいわかめを、くたくたのくたくたになるまで煮るのだから、そのスープの絶品さは、食べて唸るほどです。イノシシ肉とわかめのマッチングは「里山と海の良さが合体」して素敵です。よくある乾燥わかめしかなくても、それでもミヨックは美味しく作れるので、わかめをたっぷり用意して作ってみてください。

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「地域活性化のために地域の資源を活用しよう」というコンセプトが是であるなら、ジビエは最高の地域活性化ツールの1つと確信しています。このような新しい料理への活用が地域のジビエ振興のツールになれれば嬉しいですし、子どもたちの教育にも「日本・韓国の料理を並べて食べて、国際相互理解を深めよう」みたいな取組みにもなるし、地元の皆さんと美味しい料理でわいわい盛り上がるのも立派な地域貢献。世界の料理はこういうポテンシャルに溢れているから、私もわくわくして活動に取り組んでいられます。

次回は世界一の超大国、米国の料理を掲載します。米国は合衆国つまり国の集合体が国になった特殊な国。その形成過程を尊重しながら南部ニューメキシコ州のウルトラ超美食を紹介する予定です。



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