まずはご挨拶。
スパイスアンバサダー(旧スパイス大使)に6年連続就任となりました。今年度も頑張りますのでよろしくお願いします。その皮切りとして私が取り組む以下のテーマを今日から全7回にわたって連載します。
<世界のミックススパイス料理で美味しい「塩なしサラダ」>
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薬剤師免許を持つ私は、市役所の依頼で市民向けの健康教室を開くことがあり、テーマはそのときまちまちですが、減塩について必要性と方法を解説することがよくあります。申し訳ないですが、減塩の敵の1つは日本の伝統である「一汁三菜」です。文化は文化として尊重しますが、医学科学は発展するので文化は科学についていかない。よくある一汁三菜は、主菜がお肉や魚で、副菜が別皿で野菜のおかず、そこに汁物がつきます。塩を1 g摂るのってとても簡単なんです。ちょっと味濃いめに美味しく作ると簡単に1 g増しできます。なのにおかず3品が独立して調理され、汁物がつく、そこにさらにお漬物が好きだなんて言ったら誰だって言う、「あなたに減塩が必要ならスタイルを変えないと」と。
一汁三菜の食事の塩分量は、少なく見積もってもざっと5 gです。
メインのおかずに2 g、野菜料理の1皿に1 g、汁物に2 gとしても、1食5 g。日本人の1日平均塩分摂取量が11~12 gなので夕食で5 gは摂取している計算は妥当であろう。だけど健康を保つ目安として、1日3食合計の塩分摂取量を6 g台にしたいなら、おかずのそれぞれに塩味をつけていては絶対にダメなのです。
私が提案するのは、日本の小鉢スタイルから脱却する必要性として、「メインのおかずはいつも通りに美味しく作って、野菜は塩分なしで食べることに慣れていこう」というスタイルです。
こうすることで、
メインのおかずに2 g、野菜に塩なし、ちなみに汁物を撤廃してホット麦茶など、漬物なし。こうすれば1食の塩分量が2 gとなり1日の塩分摂取量6 gが達成しやすいです。
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ただ、食卓が和食和食してしまうと、何にでも醤油、様々なおかずに塩味がつきやすくなり、つい漬物、味噌汁はマストってなってしまう。おかずの作り方自体も和食から脱却する必要がある。そういう人が多い今、私がご家庭の調理者の皆さんに提案したいのは、ミックススパイスを作ってみようよ、楽しいよ、ということ。
日本人に使いやすいミックススパイスはカレー粉と七味唐辛子が双璧ですが、それは「手に取った瞬間使える形でプレミックスされていて、料理に使っても間違いなく美味しい」という点に最大の長所があります。
広い世界には、たくさんのミックススパイスがあるんですよ~。日本で買えないものばかりだけど、日本で作れるものはたくさんあるんです。
こんなふうに世界のミックススパイスがキッチンに置いてあったら楽しい♪
すでに美味しい状態でミックスしてあるから、調理の手間は引き算され、料理を美味しく美味しく仕上げてくれるのだから、その美味しさで味をつけないままのお野菜も美味しく食べるお食事サラダを足し算できちゃいます♪ 野菜は塩分を含まない形で足し算しますから、減塩に必ず役立つという、素晴らしい調理のアイディアです。
* * *
第1回:バーベキューチキンのかぼちゃサラダ仕立て♪
以下のように食事バランスを良くしています♪
・ミックススパイス:米国料理「スパイスラブ」
・国名と料理名:米国料理「バーベキューチキン」
・主菜(タンパク質源):「鶏肉」
・あわせるサラダ:「かぼちゃサラダ」(塩分なしで♪)
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ではまずミックススパイスを作りますね。混ぜるだけだから簡単。<スパイスラブのレシピ>です♪
材料(約大さじ3杯分):
- 砂糖
- 小1.5
- パプリカパウダー
- 小1.5
- こしょう
- 小1
- 塩
- 小1
- ジンジャーパウダー
- 小1/2
- オールスパイスパウダー
- 小1/2
- タイム
- 小1/2
- ガーリックパウダー
- 小1/2
- ドライオレガノ
- 小1/2
- クミンパウダー
- 小1/4
- 味の素
- 小1/4
作業工程:5 分
- 材料をブレンダー容器に入れ、ブレンダーを回して均一なパウダーにする。
- Enjoy!
次にミックススパイスを活用して簡単かつ美味しく味付けをして、主菜を作りましょうね。<バーベキューチキンのレシピ>です。
材料(8本分):
- 鶏手羽先(※1)
- 8本(※1)
- スパイスラブ
- 大1
- BBQソース(※2)
- 大5
※1:ここではバーベキューチキンウィングとして手羽先を使用しています。8本でおよそ500 gです。
※2:バーベキューソースはリンク先を参照に事前に作るか、市販品を購入しておきます。
作業工程:1 時間(寝かせる時間を除く)
- <半日~1日前>鶏手羽先にスパイスラブをなるべく均一にふりかけ、手でこすってなじませ、フタができる容器に入れて冷蔵庫に半日~1晩置いて寝かせておく。
- <当日>鶏手羽先を冷蔵庫から出し、オーブンを170℃に予熱する。
- オーブン天板にクッキングシートを敷き、鶏手羽先を皮が上に向くようにして並べ、170℃のオーブンで20分焼く。
- 鶏手羽先をひっくり返し、裏面を20分焼く。
- バーベキューソースをハケで塗り(なければスプーンの背などで塗る)、10分焼く。
- 鶏手羽先をひっくり返し、バーベキューソースを塗り、10分焼く。
- 1つ取って中を確認し、もしも生焼けがあれば全部を追加で加熱する。
- Enjoy!
出来た♪ 美味しそう♡♡♡
バーベキューチキンのかぼちゃサラダ仕立て。スパイスの複合的な香りが完璧なお食事サラダです♪
美味しいミックススパイスを作ってあるからこんなに美味しい料理が、簡単でした。
そうですよね、ミックススパイスは暮らしを楽に美味しく優雅にするために存在します。ミックススパイスがあることで、主菜の味付けの手間が引き算できるので、お野菜を足し算する余裕が生まれて、健康的なお食事サラダを作るときめきが生まれます。
野菜自体が塩分ゼロというのが絶対いいでしょう!
おかずは1人4本食べるとして塩分量0.8 gくらいです。いいよね~。
使い切りやすい量で作ったので、
残りのスパイスラブも、いろんな料理にじゃんじゃんふりかけて使ってくださいね♪ オススメは焼いた肉です。
では次回もお楽しみに♪
【第1回】スパイスラブで
米国料理「バーベキューチキン」
【第2回】オールドベイシーズニングで
ジャマイカ料理「ベジミンス」
【第3回】コジェニーギロスで
チェコ料理「ペチェナーベプショバー」
【第4回】ラスエルハヌートで
モロッコ料理「ルフィサ」
【第5回】バハラートで
イスラエル料理「マジャドラ」
【第6回】プードルコロンボで
マルティニーク料理「コロンボドゥプレ」
【第7回】バルバレで
エチオピア料理「アサグラシュ」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。