スパイスアンバサダーとして活動しています。この度、念願の【ジビエ×スパイス×世界の料理】というテーマで料理を作り、5回連載形式でスパイスアレンジレシピをお届けします。
* * *
ジビエ、苦手ですか?
野獣です。
苦手な人多いですよね。
でも・・・、
ジビエ料理は、今後絶対世の中に必要になると思う。
ジビエは飼育肉の対義語で、狩猟で得られる肉を主に意味します。日本ではジビエの肉となる動物はイノシシ、アナグマ、シカ、タヌキなど、主に害獣です。里山暮らしの地域では、人口が減っていることもあり、獣は一層繁殖しやすく、畑や果樹園を荒らします。害獣対策は各自治体が講じ、自治体で助成金や確保協力金を出すなどの対策もされています。しかし問題なのは、その確保した肉が、一般消費者になかなか届いていないこと。
現在もジビエ振興の動きはありますが、ジビエ振興のために、私は料理面において、以下のことが必要であると考えます。
- 肉を血抜きされた良い状態で流通すること。ジビエは臭いといった先入観を排除すること。
- 一般スーパーなどでも供給する体制の確保。
- 一般家庭でも美味しく調理でき、消費できること。そのために美味しいレシピが多いこと。
- 美味しいレシピが広まるために、まずは狩猟肉文化の諸外国のレシピが広まること。
ジビエ肉は、本来人類が食べてきた肉。人類の本能の旨さを引き出す肉。ジビエ肉を食べることは、本当に美味しいものを美味しいと分かる本来の味覚を育てることでもあります。もっとみんなでジビエを知って、ジビエの苦手意識をなくして、ジビエ振興に理解と協力を増していきませんか。
連載第1回は、イノシシ肩肉で米国料理「プルドポーク」
うわあ♪♪
美味しい♪♪
イノシシ肉が手に入ったら、おすすめです。
ドライラブと呼ばれるスパイスミックスパウダーをまぶして燻製にして、裂いて、バーベキューソースと合わせて、アメリカ人が大好きな絶品肉の出来上がり!!
材料(出来上がり約600 g分):
- 砂糖
- 小1.5
- パプリカパウダー
- 小1.5
- こしょう
- 小1
- 塩
- 小1
- ジンジャーパウダー
- 小1/2
- オールスパイスパウダー
- 小1/2
- タイム
- 小1/2
- ガーリックパウダー
- 小1/2
- ドライオレガノ
- 小1/2
- クミンパウダー
- 小1/4
- 味の素
- 小1/4
- 豚塊肉(※1)
- 700 g
- BBQソース(※2)
- 100 mL
※1:肩肉を使うのが本式です。ヒレ肉やもも肉などでも。
※2:バーベキューソースは市販のものでよいです。
作業工程:7 時間
- 砂糖から味の素までの材料をブレンダーに入れ、撹拌してパウダー状にし、スパイスミックスを作る。
- 豚塊肉を5 cm程度の厚みに切り、スパイスミックスをまんべんなくまぶす。
- バーベキューセットや火鉢などに網と段ボールなどの覆いをセットし、焼きながら煙でいぶせるような準備をする。
- 炭に火を熾(おこ)し、熾火(おきび)になったら燻製チップを入れ、焼き網に肉を乗せ、段ボールなどの覆いで肉と煙を閉じ込める。
- 炭や燻製チップがが足りなくなれば足し、ときどき肉の向きを変え、5時間スモークする。
- 包丁で切り、中の生焼けが気になるようなら、皿に肉を乗せ、蒸し器やせいろなどで1時間程度蒸す。皿にたまる汁は捨てない。
- 素手で肉を丁寧に裂く。
- 裂いた肉にバーベキューソースを加え、好みで蒸し汁を加え、全体をしっとりと絡めて出来上がり。
- Enjoy!
「美味しーい!」
プルドポークの「プル」(Pull)は引っ張ることや引き裂くことを意味し、「プルドポーク」は「裂いた豚肉」を意味する料理です。バーベキュー文化の強い米国で、肉を美味しく煙でいぶして、食べやすく美味しく旨味を引き出すかのようにほぐします。この見事な美味は、ドライラブと呼ばれる絶品スパイスミックスと、それから煙によってつけられます。私の家では、長火鉢に燻製チップを入れて煙を起こし、段ボールをかけて煙と肉をとじこめることで、肉に火を通すことと煙でいぶすことの両方を行っています。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
多くの人にとって美味しいという保証つきの料理は、世界の様々な土地の、国民食です。そのような外国の価値ある料理を日本人が作れる形で紹介することで、「作る楽しみ」や「食べてみる意欲」が芽生える一助になり、その結果として自分や家族の好みに合う新しいレパートリーになってくれたらとても嬉しいです。次回もどうぞお楽しみに☆
【第1回】イノシシ肩肉で米国料理「プルドポーク」
【第2回】シカ肉でフィンランド料理「ヒヒルベンリハピーヒビット」
【第3回】アナグマ肉でウルグアイ料理「アサード&チミチュリ」
【第4回】イノシシの内臓でフィリピン料理「ボピス」
【第5回】イノシシの足でスペイン料理「ハモン」
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。