<2020年度スパイスアンバサダーの活動報告>
9月の活動内容として、小さじ一杯でスパイス使い切り大作戦!、風味豊かにおいしさ広がる一皿を楽しもうという趣旨に基づいた情報発信をする運びとなりました。今回紹介していくのは、ローズマリー、バジル、ブラックペパーという、大量には使いにくいと思われるスパイスです。でもそこを打破して楽しんで、折角やるならたっぷり使おうと、本タイトルの通り【意外に多用できるスパイスレシピ】として、7回連載形式で、3種類のスパイスに対しそれぞれ2通りのスパイスアレンジレシピをお届けします。
連載第3回は、ブラックペパー大活用、サウジアラビアのイードの料理『ムアラク』です。
なお、今回のスパイス使用ルールには、ドライローズマリー、ドライバジル、ブラックペパーパウダー(こしょう)のいずれかを、4人分を上回らないバッチで小さじ1以上使うレシピが設定されています。私はスパイスアンバサダーの投稿レシピにおける使用頻度から3スパイスのオッズを決め、
スパイス消費スコア
を算出し、使われにくいと評価されるスパイスを使うほどスコアが高くなるような評価手法で6レシピを選出しました。
【意外に多用できるスパイスレシピ*連載第1回】スパイスにオッズをつける
* * *
『ムアラク』は4人分でブラックペパー小さじ1を使います。
よってムアラクの
ブラックペパー消費スコア=37
世界の最たる宗教国家といえば、イスラム教のサウジアラビア、それからカトリックキリスト教のバチカンではないでしょうか。ユダヤ教のイスラエルは実際数多くのパレスチナ人ムスリムがおり、仏教の祖の地ネパールは多民族他宗教。バチカンの国土は極小ですが、だからこそ、イスラム教の聖地を擁し国家全体をイスラム教で統一しているサウジアラビアは、とてつもなく巨大な宗教国家だと思うのです。
イスラム教のお祝いをイードと言います。大きなイードは2つあり、その1つがハッジ(大巡礼)明けのイードです。イスラム教徒は基本的に一生のうち聖地メッカへ巡礼することが義務付けられており、イスラム教徒も聖地メッカへ巡礼することを何が何でも叶える一生の目標としています。ムスリムの国に行ってムスリムと話をすると、こっちがぞくっとするくらいにそのハッジの重大さが伝わってきます。そのハッジ期間の最後が、いわゆる犠牲祭と言われる大祝祭であり、羊や牛を犠牲にして、肉や内臓をいただきます。そういう、地球を代表する宗教の、その宗教を代表する祭事の、その祭事を代表する料理が『ムアラク』です。『ムアラク』はレバーやその他内臓(腎臓や脾臓)を、中東らしいスパイス使いで素晴らしく美味しくして作る料理です。・・・実際食べて、料理の ”すごさ” に、息をのむほどの・・・。
レシピは簡単です。
材料(4人分):
- 紫玉ねぎ
- 1個
- レバーの塊(※1)
- 400 g
- オリーブオイル
- 大3
- パクチー
- 仕上げに散らす量
- チューブのにんにく
- 大1
- 塩
- 小1.5
- 粗挽き唐辛子(※2)
- 小1
- コリアンダーパウダー
- 小2
- こしょう
- 小1
- レモン果汁
- 大2.5
※1:手に入りやすい牛レバーを使用するとよいです。手に入れば羊レバー、それから羊の腎臓や脾臓などもあるとよいです。
※2:粗挽き唐辛子は、唐辛子を砕いた状態で売っているものを使います。キムチ唐辛子として売られているものでよいです。なければ一味唐辛子小さじ1/2くらいで代用します。
作業工程:20 分
- 紫玉ねぎを縦4つ割りにし、横に長くまな板に乗せて端から5 mm幅に切る(繊維を断ち切る方向に切る)。
- レバーの表面を水洗いし、2 cm角に切る。
- フタができるフライパン(なければフタつきの鍋)にオリーブオイルを入れて熱し、紫玉ねぎを入れて炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたらレバーを入れ、表面を焼く。
- レバーから出てきた水分で蒸すように、フタをして、火加減が強すぎるようなら弱めて3分間くらい煮る。
- その間にパクチーの葉をみじん切りにしておく。
- フタを外して中~強火にし、チューブのにんにくと塩を入れて全体を混ぜるように炒める。
- 粗挽き唐辛子、コリアンダーパウダー、こしょうを加えて全体を混ぜるように炒める。
- レバーに9割火が通ったら、レモン果汁を加えて全体を混ぜて火を止める。
- 味見をして、塩加減、酸味加減、スパイス加減を好みに調え、器に盛り、パクチーを散らして出来上がり。
- Enjoy!
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『旨い!』・・・私も家族も感嘆の声を上げました。これまでにもいろんな国のレバー料理を作って食べてきたのですが、流石に今回のムアラクを上回る美味しいレバー料理となると、なかなか思いつきません。それは量をしっかりと加えたスパイスの力と・・・。もうひとつ、玉ねぎが非常に良い仕事をしていて、甘さを出し、レモン果汁と合わさって甘酸っぱさを出し、 -それはまるでセネガル料理のヤーサのように- お肉の美味しさを完璧なものにしています。サウジアラビアなどの現地ではしないのでしょうけれど、日本の食卓なら、炊きたてホカホカの白いごはんに乗せると極めて美味です。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
次回は、バジル消費スコア52 の、美味しいスパイスレシピを4人分バッチでお伝えします。
乾燥バジルって、どんなにたくさん使っても生バジルの香りがしない上に、たくさん使うと枯れ草の匂いが出すぎて、バジル料理を作るにはあまり向かないスパイスだと思っています。でも、それを打ち消すくらいの素敵な料理がフランスにありました。バジル消費スコア52って、すごーい。
本企画も、やりがいを持って取り組むと本当に有意義ですね。多くの人にとって美味しいという保証つきの料理をレシピつきで紹介することで、「作る楽しみ」が芽生える一助になり、その結果として「スパイスの使い方」が変化していくこと、そうしてこれを読んでくれた誰かの役に立てるならばとても嬉しいです。こういった企画にご関心がありましたら、次回もどうぞお楽しみに☆
【第1回】スパイスにオッズをつける
【第2回】セントヘレナのお祝いトマトソース『ブレッドンダンス』
【第3回】サウジアラビアのイードの料理『ムアラク』
【第4回】『ブ??????』
【第5回】『ブ???』
【第6回】『ロ??????』
【第7回】『ス???????????』
※本記事は(1)「ハウス食品×レシピブログ」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)スパイスをモニター提供されたことに基づき執筆するものです。