スパイスアンバサダーの活動として、【スパイスリッチな世界の料理】を連載する運びになりました。全21回の大連載形式で、3種類のスパイス×3段階=9種類のスパイスに対しそれぞれ2通りのスパイスアレンジレシピをお届けしてきました。
連載第14回は、ターメリックパウダー大・大・大活用、魚の頭で美味しいカレーを勝負する『フィッシュヘッドカリー』です。
『フィッシュヘッドカリー』は4人分でターメリックパウダー大さじ6を使います。
よってフィッシュヘッドカリーの
ターメリック消費スコア=100
ターメリックパウダーは使い方がやや難しくて、生姜と同じように土中に生育する植物部位の粉末ということもあって、においが土臭いし蒸れたにおいともいえる。それが日本では、例えばカレーを作るときのルウも、お味噌汁の味噌も、味付けの醤油も、日本の料理の手法では調味料を後から入れることが多いので、例えばターメリックパウダーを使ってカレーを作るときでも、「うん、もうちょっと入れてもいいかなー」なんて思ってあとから入れてしまう。そうするとあまり宜しくありません。ターメリックパウダーの使用頻度が少ないとしたら、調理を、下ごしらえや、調理の初期に使うことも併せて広めていく必要があります。
しかしシンガポール料理やマレーシア料理として知られるフィッシュヘッドカリーは、大さじ6杯ものターメリックを使って、実は魚の頭にすりこみ、完璧な風味付けをします。魚は新鮮なものを使うでしょうからもはやにおい消しなんて言う必要すらない。私はこの料理は、完璧な風味付けとして、ターメリックを高く評価しています。
レシピは簡単です。
材料(4人分):
- 魚の頭
- 4つ
- ターメリックパウダー
- 大6
- サラダ油
- 大8
- にんにく
- 4かけ
- 生姜
- にんにくと同量
- トマト
- 2個
- 玉ねぎ
- 2個
- 水
- 1 L
- 塩
- 小2
- 鶏ガラスープの素
- 小2
- カレー粉
- 大8
- カイエンペッパーパウダー
- 小2/3
- マスタードシード
- 小2
- ココナッツミルク
- 400 mL
- 柑橘の若葉
- 8枚
- タマリンドペースト
- 大1強
- 黒こしょう粒
- 20粒
- カルダモン
- 4粒
- パクチー
- 刻んで大4
※1:魚の頭は、体長30 cmほどの大きさがある白身の魚を使うとよいです。1つ300 gくらいあるとよいです。
作業工程:1 時間 10 分
- 魚の頭はエラを引っ張り抜いて、血合いを洗い流して、水気をふき取っておく。
- ボウルに入れ、ターメリックパウダーをまんべんなくまぶしておく。
- にんにく、生姜、トマト、玉ねぎを粗く刻み、耐熱容器に入れ、500 Wで10分くらい、電子レンジにかけて火を通す。
- ハンドブレンダーかミキサーにかけて野菜ピューレにする。
- カレーを作る鍋にサラダ油を入れて熱し、魚の頭を入れて、表面を焼き付ける。
- 野菜ピューレを加え、水を入れ、魚の頭に水がかぶるようにする。
- 塩、鶏ガラスープの素、カレー粉、カイエンペッパーパウダー、マスタードシード、ココナッツミルク、柑橘の若葉、タマリンドペーストを加え、フタをして弱~中火で20分、ときどき上下を返しながら煮る。
- フタを外し、ときどき上下を返しながら、煮汁がとろみのあるスープ状になるまで水分を飛ばしながら、さらに20分ほど煮る。
- 味見をして、塩加減や辛さ加減や旨味加減を好みに調える。旨味が足りないと思うときは、カレー粉、砂糖、鶏がらスープの素、ココナッツミルクなどを加えて好みに調える。
- 黒こしょう粒とカルダモンをすり鉢で破砕して、煮汁に加える。
- パクチーの葉を刻んで、盛り付けのトッピングにする。
- Enjoy!
料理をしていつも思うことがあります。それは、魚の頭は実に強い旨味をもつ、魚で一番美味しい部位だということです。魚の愛好家は、頬肉が最高の美味であると声を大にし、目は御馳走です。この写真ではアコウ(キジハタ)の頭を使って作っています。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
スパイスアンバサダーの活動として、【スパイスリッチな世界の料理】をこれまで14回連載形式でお届けしてきました。多くの人にとって美味しいという保証つきの料理をレシピつきで紹介することで、「作る楽しみ」が芽生える一助になれば無上の喜びです。読んでいただき本当にありがとうございました。私自身も大変に勉強になりました。
そして、
世界には、まだまだ、私すら知らないスパイス使用のコツが溢れてる。
ふふふ、だから世界の料理はやめられませんね。これからも、夢に向かって走り、取り組み続け、家族との楽しい食事の時間にも会話にも世界中の良さを集めて、妥協のない努力を続けて参りたいと思います。
(1)スパイスにオッズをつける(第1弾)
(2)中東の魚炊き込みご飯『サヤディヤ』
(3)南米のめちゃ旨牛ハツ串焼き『アンティクーチョ』
(4)カシミールのじゃがいも蒸し煮カレー『ダムアル』
(5)中東イランのスパイス使いにはまる『ホレシュマスト』
(6)玉ねぎ2度入れカレーの心酔の美味『チキンドピアザ』
(7)南アフリカ共和国、多民族の虹の味『ボボティー』
(8)スパイスにオッズをつける(第2弾)
(9)青菜いっぱいチーズカレー『パラックパニール』
(10)カリブ海のカレーの風味『シュリンプカリー』
(11)あさりと豚肉のWのダシ『カルヌドゥポルコアアレンテージャーナ』
(12)ハンガリーのパプリカ料理『チルケパプリカーシュ』
(13)パキスタンのスパイス使いで『チキンカライ』
(14)マレーとインドの融合の味『フィッシュヘッドカリー』
(15)スパイスにオッズをつける(第3弾)
(16)セントヘレナのお祝いトマトソース『ブレッドンダンス』
(17)サウジアラビアのイードの料理『ムアラク』
(18)ワインに合うお手軽フランス家庭料理『ブフミロントン』
(19)南ア開拓者の偉大な干し肉『ブルトン』
(20)英国圏の定番を本格的に作る『ローストポテト』
(21)地中海のマルタの郷土料理『スパゲティビルフェネック』
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。