スパイスアンバサダーとして今回紹介しているのは、ローズマリー、バジル、こしょう(ブラックペッパー)という、大量には使いにくいスパイスです。でもそこを打破して楽しんで、本タイトルの通り【スパイスリッチな世界の料理】の第3弾として、7回連載形式で、3種類のスパイスに対しそれぞれ2通りのスパイスアレンジレシピをお届けしています。
連載第16回は、乾燥バジル大活用、トマトソースの概念を打ち破る美味しさの『ブレッドンダンス』です。
『ブレッドンダンス』は4人分でドライバジル小さじ1を使います。
よってブレッドンダンスの
バジル消費スコア=26
生バジルではなく乾燥バジル。セントヘレナの気候では生バジルが採れるのはごくいっときかもしれません。だから、南アから輸入して運ばれてきた保存性の高い調味料を使うという点に、ものすごく私のセントヘレナの旅の記憶がよみがえるのです。
レシピは簡単です。
材料(4~8人分):
- トマト缶
- 1つ(400 g)
- 玉ねぎ
- 1/2個
- ベーコン(※1)
- 50 g
- サラダ油
- 大3
- カイエンペッパー
- 小0~小1/4(※2)
- 砂糖
- 小1
- 塩
- 小1
- 卵
- 1個
- ドライバジル(※3)
- 小1
- 食パン
- 8枚切りを8枚
※1:ベーコンは塊状のものを切って使います。なければ薄切りベーコンでもよいです。
※2:カイエンペッパーパウダー(唐辛子粉)は、辛いのが苦手なら入れなくてよいので、分量に幅を設けています。
※3:ドライバジルのかわりにドライイタリアンパセリでもよいです。
作業工程:30 分
- トマト缶の中身をブレンダーかミキサーに軽くかけ、粗くざらざらしたようなピューレにする(トマトジュースにはしない)。
- 玉ねぎをみじん切りにし、ベーコンを5 mm角切りにする。
- 高さのある鍋にサラダ油を入れて熱し、玉ねぎ、ベーコン、カイエンペッパーパウダーを入れ、玉ねぎが色づき始めるまで炒める。
- トマト缶ピューレ、砂糖、塩を加え、ヘラで鍋底から返しながら、もったりするまで炒める。
- 溶き卵を作り、トマトソースの鍋を加熱しながら細くたらし入れ、トマトソースの中に卵が微細に分散するように炒める。
- 味見をし、塩加減などを好みに調え、ドライバジルをふる。
- 食パンの耳を落とし、食べやすいサイズに切り、添えてサーヴする。
- Enjoy!
食べて美味しくて微笑みが出ました。溶き卵を入れるトマトソースって新体験だったのだけど、卵が微細に分散されたトマトソースは美味しさをぐっと増していました。この「パンと踊り」という名前の料理は、セントヘレナ島の、ウェディングなどのお祝いの料理なのだそうです。そう、お祝い事だから、ダンス。パンに乗せるスタイルでも、パンに挟んでサンドイッチにしても、お好きなスタイルで笑顔の食卓をどうぞ。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
次回は、こしょう消費スコア37 の、美味しいスパイスレシピを4人分バッチでお伝えします。
こしょうって、たくさん使うと刺激が強すぎますよね。だからたくさんは使いにくいですよね。なのに、37って、すごーい。こしょうはたっぷり使えるスパイスなんですよ。
本企画も、やりがいを持って取り組むと本当に有意義ですね。多くの人にとって美味しいという保証つきの料理をレシピつきで紹介することで、「作る楽しみ」が芽生える一助になり、その結果として「スパイスの使い方」が変化していくこと、そうしてこれを読んでくれた誰かの役に立てるならばとても嬉しいです。こういった企画にご関心がありましたら、次回もどうぞお楽しみに☆
(1)スパイスにオッズをつける(第1弾)
(2)中東の魚炊き込みご飯『サヤディヤ』
(3)南米のめちゃ旨牛ハツ串焼き『アンティクーチョ』
(4)カシミールのじゃがいも蒸し煮カレー『ダムアル』
(5)中東イランのスパイス使いにはまる『ホレシュマスト』
(6)玉ねぎ2度入れカレーの心酔の美味『チキンドピアザ』
(7)南アフリカ共和国、多民族の虹の味『ボボティー』
(8)スパイスにオッズをつける(第2弾)
(9)青菜いっぱいチーズカレー『パラックパニール』
(10)カリブ海のカレーの風味『シュリンプカリー』
(11)あさりと豚肉のWのダシ『カルヌドゥポルコアアレンテージャーナ』
(12)ハンガリーのパプリカ料理『チルケパプリカーシュ』
(13)パキスタンのスパイス使いで『チキンカライ』
(14)マレーとインドの融合の味『フィッシュヘッドカリー』
(15)スパイスにオッズをつける(第3弾)
(16)セントヘレナのお祝いトマトソース『ブレッドンダンス』
(17)サウジアラビアのイードの料理『ムアラク』
(18)ワインに合うお手軽フランス家庭料理『ブフミロントン』
(19)南ア開拓者の偉大な干し肉『ブルトン』
(20)英国圏の定番を本格的に作る『ローストポテト』
(21)地中海のマルタの郷土料理『スパゲティビルフェネック』
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。