<2020年度スパイスアンバサダーの活動報告>
6~8月の活動内容として、スパイスリッチな世界の料理という趣旨に基づき、7回連載形式で、3種類のスパイスに対しそれぞれ2通りのスパイスアレンジレシピを掲載しています。
連載第6回は、ダークなスパイスがキックを呼ぶカレー『チキンドピアザ』です。
なお、今回のスパイス使用条件には、クミンパウダー、ターメリック、ガラムマサラのいずれかを、4人分を越えない料理に小さじ1を下回らない分量で使うことが含まれます。私はこの定量性ある設定に対し3スパイスのオッズを決め、
スパイス消費スコア
を算出し、【スパイスがたくさん使える!発見レシピ】として6レシピを選出しました。
【スパイスがたくさん使える!発見レシピ*連載第1回】スパイスにオッズをつける
* * *
『チキンドピアザ』は4人分でシナモン小さじ2を使います。
よってチキンドピアザの
シナモン消費スコア=84
ドピアザ=ダブルオニオンの名前の通り、玉ねぎがとにかく劇的に旨味の素になって口の中に攻め込んでくる。その甘さはどんなにダークでキックのあるスパイスをも受け止めてくれる。だから、4人分でシナモン小さじ2、シナモン消費スコアは84と極めて高くても(参考値:スパイスから作るバターチキンのスパイス消費スコアがたった10です)、このカレーは揺らぎません。
【スパイスがたくさん使える!発見レシピ*連載第1回】スパイスにオッズをつける
レシピは簡単です。
材料(4人分):
- 鶏肉(部位は問わない)
- 250 g
- 水
- 400 mL
- シナモンパウダー
- 小2
- カイエンペッパー
- 小1強
- クローブパウダー
- 小2
- クミンパウダー
- 小4
- こしょう
- 小1
- カルダモンパウダー
- 小2/3
- 紫玉ねぎ
- 4個
- サラダ油A
- 大2
- チューブにんにく
- 小1
- チューブ生姜
- 小1
- トマト
- 2個
- ターメリック
- 小1/3
- コリアンダーパウダー
- 小4
- 塩
- 小1強
- ヨーグルト
- 1/2 C
- ピーマン
- 4個
- サラダ油B
- 小2
- ガラムマサラ
- 小2
作業工程:1 時間 10 分
- 鶏肉を一口小サイズに切り、水に浸けておく。
- カレーを作るフライパンに、シナモンパウダー、カイエンペッパーパウダー、クローブパウダー、クミンパウダー、こしょう、カルダモンパウダーを入れて中~強火で熱し、混ぜながら、薄く煙が立って色が濃くなるまでローストし、取り出しておく。
- 玉ねぎ3個分は薄くスライスしてからみじん切りにする。残りは幅約1 cmのくし切りにしてから2~3 cm長さに切る。
- フライパンにサラダ油A(大さじ2)とみじん切りの玉ねぎ、チューブにんにく、チューブ生姜を入れて中火で熱し、混ぜながら炒め、玉ねぎがあめ色(茶色いクレヨンの色)になりねっとりとひとまとまりになるまで炒める。
- あめ色玉ねぎに、トマト、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダー、塩を加え、トマトを潰しながら、トマトの鮮やかな赤さがくすむようにじっくり炒める。
- ヨーグルトを加えて煮たて、ヨーグルトの酸味を飛ばすように全体を混ぜる。
- 鶏肉を浸けた水ごと加え、煮たてて水分を減らしながら混ぜ、もったりしたカレーソースになったら火を止めて置いておく。
- ピーマンを約1 cm幅×約3 cm長さに切り、サラダ油B(小さじ2)とくし切り玉ねぎと共にフライパンに入れ、強火で炒める。
- ピーマンと玉ねぎがしんなりしたらカレーソースのフライパンに入れ、中火にかけて全体がなじむように煮る。
- ガラムマサラを加えて混ぜ、味見をして、塩加減、辛さ加減、スパイス加減などを好みに調えて出来上がり。
- Enjoy!
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これはインドで食べて美味しさに飛びあがりたくなったカレーです。驚きました。聞けばドピアザとは「Onion twice」(玉ねぎにまた玉ねぎが入る)の意味だそうで、カレーグレービーにあめ色玉ねぎがたっぷり入り、具にも大ぶりに切った玉ねぎが入ります。ちなみに私がケララ州で食べたときの思い出から、キックの強いスパイスを多く使い、スパイスはローストして色を比較的ダークに作るレシピとしました。なお、鶏肉をカットして水に浸けておくのも現地で知った方法です鶏肉がジューシーに仕上がるので、良かったらお試しください。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
次回は、とうとう、ガラムマサラ消費スコア100 の、美味しいスパイスレシピを4人分バッチでお伝えします。
今回私が提供するスパイススコアの最高峰です。スパイスカレーのバターチキンマサラのスパイス使用スコアが10なのに、最後、(ボから始まるカタカナ5文字の料理)ときたらスパイス消費スコアが100ですよ、ホントすごいです♪ しかも作ってみて、美味しかった~。食べて目がとろんとし、舌がとろんとし、海を渡ってマΘ§がケΔΦでイΛψ⊇ム※⊇Шがオ∩θ#$%&な料理の歴史に感謝の念を抱きました。とろん。
本企画も、一貫して取り組み、やりがいを持って記事にまとめると本当に有意義です。多くの人にとって美味しいという保証つきの料理をレシピつきで紹介することで、「作る楽しみ」が芽生える一助になり、その結果として「スパイスの使い方」が変化していくこと、そうしてこれを読んでくれた誰かの役に立てるならばとても嬉しいです。次回も是非お楽しみに☆
【第1回】
スパイスにオッズをつける
【第2回】
中東の魚炊き込みご飯『サヤディヤ』
【第3回】
南米のめちゃ旨牛ハツ串焼き『アンティクーチョ』
【第4回】
カシミールのじゃがいも蒸し煮カレー『ダムアル』
【第5回】
中東イランのスパイス使いにはまる『ホレシュマスト』
【第6回】
玉ねぎ2度入れカレーの心酔の美味『チキンドピアザ』
【第7回】
南アフリカ共和国、多民族の虹の味『ボボティー』
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。