スパイスを使う世界の本場の鍋料理♪(4)シンガポール料理「肉骨茶」(バクテー)

2023/11/24

゚・*美味しさは、香りで作る。*・゚【スパイスアンバサダー2023】

スパイスアンバサダーレシピ
使用スパイス:シナモンスティック、八角、クローブW、カルダモンW、こしょう
シナモンスティック八角クローブホールカルダモンこしょう

 スパイスアンバサダー2023 
「スパイスアンバサダー2023」活動中です。11~12月の活動テーマとして、「スパイスを使っていつものお鍋が世界へアレンジ!」というコンセプトの魅力を発信したく、スパイスを使う世界の本場の鍋料理に取り組む運びとなりました。

スパイスを使う世界の本場の鍋料理♪

「いつもの日本の鍋料理からアレンジを。」そして「美味しい料理は世界中にあるのだからじゃんじゃん取り入れて楽しんでいけたらいい。」と、私自身もそういう楽しいことを考えて、スパイスを使う世界の本場の鍋料理を作ってみたいと思いました。食材はすべて日本で調達しながら外国風にアレンジができる料理です。食卓の楽しさの幅が広がります!

なお、スパイス選定のコンセプトや鍋料理の定義の考察については連載【第1回】で掲載しています。
スパイスを使う世界の本場の鍋料理♪(1)コンセプトと料理の定義

* * *

 【第4回】八角(スターアニス)使用、シンガポール料理「肉骨茶」(バクテー) 

肉骨茶(バクテー)

ホールスパイスとして八角(スターアニス)を選出したレシピです。

heart『シンガポール料理でほかほか♪ 肉骨茶(バクテー)♪』
材料(6人分):
<肉骨茶>

1.5 L
豚スペアリブ
400 g
中華スープの素(※1)
小1
シナモンスティック
3~4 cm
八角(スターアニス)
1個
クローブホール
3粒
カルダモンホール
3粒
陳皮(※2)
1枚
にんにく
1玉(※3)
干ししいたけ
1枚
高麗人参(※4)
1本
こしょう
小1.5
大1/2
老抽(※5)
大1/2
パクチー
好きな量(※6)

<タレと薬味>

生唐辛子(※7)
1本
醤油
大3
にんにく
1かけ

※1:こぶしくらいの大きさの豚骨が入手できれば不要です。鶏がらスープの素で代用してもよいです。
※2:陳皮はみかんの皮を干した生薬です。事前にみかんの皮を干しておくと良いです。ない場合はレモンやはっさくなどの柑橘の皮を少々使って代用できます。
※3:にんにくは1玉まるごと使うので、1かけ1かけをばらさないように。
※4:高麗人参があれば薬膳スープとしての肉骨茶(バクテー)の価値がぐんとあがります。韓国料理食材店で売っていることが多いです。なければ省いてよいです。
※5:老抽(ラオチョウ)はダークソイソースとも呼ばれる中華料理の材料で、色が濃いのに塩分がさほど濃くないタイプの醤油です。中華食材店で売っていることが多いです。ない場合は日本の醤油で代用し、塩の量を減らし気味にするとよいです。
※6:パクチーは販売単位がまちまちなので、何束という指定ができないのですが、1人あたり小鉢に1杯くらいあるとよいです。
※7:生唐辛子がなければ乾燥タカノツメで代用します。

作業工程:5 時間(冷却に要する時間を除く)

  1. 鍋に水、豚スペアリブ、中華スープの素を入れて強火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にして20分ほど煮る。
  2. 火から下ろして冷ます。冬ならそのまま、夏なら冷蔵庫に入れるか氷水に鍋ごと漬けるかして冷やし、豚肉から出た脂を白く固まらせ、固まった油を菜箸などですくい取る。
  3. シナモンスティック、八角、クローブホール、カルダモンホール、陳皮、にんにく、干ししいたけ、高麗人参、こしょうのうち小さじ1/2、塩、老抽を入れて強火にかけ、沸騰しそうになったら弱火にして2時間ほど煮る。アクは随時取る。
  4. 火から下ろして冷まし、2つ上の行程と同様にして豚肉から出た脂を除去する。
  5. 味見をして、塩加減、旨味加減、好みの香辛料の香り具合などを調えておく。
  6. 白菜を一口サイズに、油揚げを短冊に切り、えのきのいしづきを取って1束を幾つかに割っておく。
  7. 再度鍋を加熱し、残りのこしょう(小さじ1)を入れて中火にかけ、沸騰しそうになったら火を弱めて10分ほど煮る。
  8. 唐辛子を小口切りにして醤油に漬けてタレを作る。にんにくをみじん切りにして薬味にする。
  9. パクチーをざく切りにする。
  10. 鍋を卓上に出し、取り分け、パクチーを入れ、タレを小皿に入れ、にんにくを卓上に置いて出来上がり。
  11. Enjoy!
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肉骨茶(バクテー)

美味しーー!♡♡♡

これは「ストレートチャイニーズ」(海峡中国人)の料理。港で働く人のための朝食として、食堂では肉つきの骨をドンと入れた大鍋料理を作られ、これがマレーシアやシンガポールの国民食である「肉骨茶」(バクテー)です。漢方薬のような香辛料を幾つか使うので異国の味がしますが、日本でも手に入りやすい香辛料で見事にその味と風味が再現できます。醤油が薄くてこしょうが利くとシンガポール風、老抽(ダークソイソース)で黒く作るのがマレーシア風。このレシピではシンガポール風の「肉骨茶」(バクテー)を紹介しました。大鍋で作ってめいめいに取り分ける、海峡中国人が培ってきたこんな食卓を取り入れてみませんか。

<ストレートチャイニーズ(海峡中国人)について>
東南アジアにおいてタイ南部からつながるマレー半島はマレーシアの国土の主要部分であり、マレー半島は直近に位置するインドネシアのスマトラ島と幅の狭い海を隔てています。これが欧州とアジアの重要貿易航路であるマラッカ海峡です。そこには1000年も昔から交易に長ける中国人が福建省のあたりから多数移り住みました。マレー半島の海峡の土地に住む中国系民族は中国本土の中国人と区別する名称として「海峡」(ストレート;Strait)の「中国人」(チャイニーズ)と呼ばれてきました。マレー半島のマラッカ、ペナン、シンガポール(マレーシア建国後に同名の国家として分離独立)には「海峡中国人」が多く住み、重要な文化の礎を築きました。

ま、マレー料理って素朴で優しくて食べやすくて、変な例えかもしれませんが実際に長期間食べ歩いた私によれば「お子様向けの味」という表現がなされる中、華人系は「がっつり旨い」シャープな料理を作ります。だからマレーシアやシンガポールを旅して、華人系の料理のほうが相対的に「旨い!」と唸るものが多いのでした。

* * *

コンセプトは「いつもの日本の鍋料理からアレンジを」。

だって、「レパートリーがあるって大事ですよね」

だから今回のスパイス料理テーマも前向きにたくさん取り組んで、真に美味しい世界の料理を発信したいと思います。

次回もまた見に来てください♪

スパイスを使う世界の本場の鍋料理♪

鍋・鍋〆アレンジレシピ

「スパイスでおいしく大変身!おすすめ鍋アレンジレシピ」モニター参加中。※本記事は(1)「ハウス食品×フーディストパーク」のPR企画に参加していること、(2)スパイスをモニター受領したことに基づき執筆するものです。



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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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