インドネシアのボロブドゥールにあるリゾートホテルで学んだ目玉焼きは、私の調理に影響を与えた素晴らしいものでした。
ボロブドゥール寺院(Candi Borobudur)とは、インドネシアを代表する観光地の1つ、世界遺産の遺跡です。
以前、バックパッカー世界旅のとき、インドネシアではボロブドゥール寺院の目の前にあるマノハラリゾートホテル(Manohara Hotel)に泊まりました。それまでは1泊500円くらいの安宿に泊まっていたのですが、メリハリ大事!ということで10倍以上の値段がする遺跡前リゾートホテルに泊まることにしました。
こういうところに泊まることの特典には、夜のライトアップの遺跡を散策でき、旅の体験が増す良さがありますね。もちろん日の出も美しいですし、街の賑やかさや物騒さとは離れて大変にリラックスすることができます。
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ホテルのレストランに入ったとき、たまたま人が少ない時間帯だったので、料理を注文したあと、人が少ないことから厨房で調理を見学させてもらうことができました。
目玉焼きの作り方に驚きました!
ミーゴレン(インドネシア風焼きそば)でもナシゴレン(インドネシア風焼きめし)でも、目玉焼きはトッピングの大定番なのですが、意外に簡単な料理だからこそ目玉焼きを極上に作るのは難しい。
よくあるのが、失敗とまでは言わないけれど、白身が焦げて、ヒゲが絡まったような感じになっていること(うまく表現できないが)。焦げ色がついた部分は噛み切りにくいし、ごわごわしますし、食感が良くないから味わいが良くないとも感じてしまう。
リゾートホテルの調理場では、
低温の油に卵を落として時間をかけて放っていました。
決して焼いていない。
決して揚げていない。
揚げたり焼いたりと呼ぶほど温度を上げないから、白身がソフトでつるんとした食感を保ち、黄身はなめらかで美味しいのです。
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目玉焼きのような至極簡単な料理は、ちょっとの工夫で違いが大きく出ますよね。
だから私は、日本に住む今も、インドネシアのホテルの厨房を思い出して、目玉焼きは低温の油に卵をそっと落として作ります。
火にかけて徐々に昇温しますが、白身が焦げない温度に抑えます。
そして、
キャー(≧∇≦)!大成功!
ミーゴレンに乗せて、
極上の目玉焼きの裏面はこうです!
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料理やレシピの収集をしながら旅をすると、いろんな人の調理を積極的に見に行くようになりますから、いろんな人の調理の技術を目にする機会が増えてきます。それが楽しくて、世界の料理研究を実際に外国に出てリサーチしていられます。自分の暮らしに一生役立つことだから、世界の料理に関わっている自分は幸せだと思います。
インドネシア語で目玉焼きはトゥルルゴレン(Telur goreng)。
インドネシアで、極上の目玉焼きに開眼することができました。
そして、美味しい目玉焼きを頂いた日の夜、ボロブドゥール遺跡の夜のライトアップが、綺麗でした。