【スパイスカレーでSDGs】動物性素材不使用のサステナブルなアイタルカレー

2022/05/06


【スパイスアンバサダー2022】の活動として、4~5月は「目的別の美味しいスパイスカレーレシピ」を掲載しています。

私がこのシリーズを、「目的を持ったカレーレシピ」で揃えたくて、今日はこんなテーマでお届けします。

「SDGs貢献、サステナブルなスパイスカレー」

です。

日本を離れて世界各地を旅すると、菜食主義者の方によく出会います。インドやジャマイカという地域性のほか、欧米人女性に多いですね。

日本人は配膳の基本を一汁三菜と教育されるため、日本人の食卓では主菜として必ずといっていいほど動物か魚に由来するタンパク質が出されますが、私、ベジタリアンやビーガンの方々と過ごす時間を経て、「必ずしも動物の命を食べなくてもいい」と確信しました。だから今私の食生活は、ベジ(菜食)とノンベジ(動物由来の料理を含む)では前者が多いくらいです。

実は今、そんな「菜食主義」が「SDGs」に貢献することをご存じでしょうか。

衝撃を受けたのは、「輸入がストップした場合の食事例」(農林水産省試算)です(≫こちら)。

輸入ストップ

左:朝食例、雑穀飯、こふきいも、漬物。
中:昼食例、ふかしいも、りんご
右:夕食例:雑穀飯、魚切り身、ふかしいも
そのほか、納豆やうどんがときどき。卵は7日に1個、食肉は27食中1食だけです・・・。

* * *

「SDGs」(エスディージーズ)は、2015年に国連サミットで採択された、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)で、17の目標を定め、世界中の人々が協力して取り組むことを掲げています。

その視点で言えば、畜産が減れば飼料となる穀類が貧困層により届きうるし、飢餓者減少に貢献できるし、肉食過多の不健康が散見される今健康増進にも役立つ・・・など、菜食はSDGsの17の目標に貢献できるポテンシャルがあるのです。

菜食は、SDGsに貢献できるんです。

* * *

思い出すのはジャマイカの旅。
ジャマイカ料理の要素の1つに「ラスタファリズム」があり、これは聖書から派生したアフリカ回帰思想で、ラスタファリアンたちは土壌から得る自然で純粋な食材を摂取し、自分を高めます。具体的には肉、魚、卵などを食べず、一方でココナッツミルクや香辛料など、地面に根をもつ植物を起源とする食品で作られる料理を食べます。このジャマイカのカレーは、動物の命を奪わない点で、今後我が国にも必要となっていく「サステナブルな社会のための食の取組み」や「菜食でできるSDGs」の好例となり、今後ますます重要性を増していくでしょう。

今日はそんなアイタルフードの1つとしてジャマイカで実績がある、「豆腐を使うジャマイカンカレー」のレシピを掲載します。

アイタルカレー

heart『動物性素材不使用♪ サステナブルなアイタルカレー♪』
材料(2人分):

木綿豆腐
1丁(※1)
にんにく
3かけ
生姜
にんにくの半量
玉ねぎ
1/2個
長ねぎ(白い部分)
10 cm
長ねぎ(緑の部分)
10 cm
トマト
1/4個
サラダ油
大3
フェヌグリーク(※2)
小1/8
ターメリック(※2)
小1
クミンパウダー(※2)
小1/2
こしょう(※2)
小1/8
コリアンダー(※2)
小1
ナツメグパウダー(※2)
小1/3
唐辛子(※2)
1個
オールスパイス(※3)
10粒
タイム
小1/2
小1
小2/3
1 C
ココナッツミルク
大4

※1:豆腐1丁(1パック)の重さは製品により差がありますが、ここでは400 g入りを1つ使いました。
※2:唐辛子は、鷹の爪やハバネロなどを1個ホールで使います。
※3:ホールのオールスパイスがない場合はパウダーを使います。ジャマイカ料理の風味の主役なので省かないほうがよいです。

作業工程:30 分(豆腐の水切り時間を除く)

  1. <事前準備>木綿豆腐を1時間くらいかけて水切りする。
  2. <調理開始>にんにくと生姜をみじん切りにし、豆腐を2~3cm 角に切り、玉ねぎを薄切りにしてから長さ3 cm以内に短く切り、長ねぎの白い部分と緑の部分を8 mm角くらいに切り、トマトを粗く刻んでおく。
  3. 小皿に、フェヌグリークパウダー、ターメリックパウダー、クミンパウダー、こしょう、コリアンダーパウダー、ナツメグパウダーを入れてスパイスミックスを作っておく。
  4. テフロン製のフライパンか鍋にサラダ油を入れて強火で熱し、うっすらと煙が出たら中火に下げ、にんにく、生姜、スパイスミックスを加えて炒め、香りが出たら豆腐をそっと入れて、ときどきゆすりながら片面を焼く。
  5. 豆腐をそっとひっくり返し、周囲に玉ねぎと長ねぎを入れ、ときどきゆすりながら豆腐の裏面を焼く。
  6. 唐辛子、オールスパイスの粒、タイム、トマト、酢、塩、水を入れて火加減を強めにし、ぐつぐつとした煮汁の中で豆腐を優しく押し、豆腐の中の水分を押し出すようにする。また、トマトを潰しながらトマトの形がなくなるように煮る。
  7. 10分ほど煮たらココナッツミルクを入れ、味見をし、塩加減やカレー粉の濃さなどを好みに調えて出来上がり。
  8. Enjoy!
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アイタルカレー

アイタルカレー

わあ!!ジャマイカ味だー!!

美味しいー!!

一口めに、目を開くほどの美味しさが、感動を呼ぶ!

ちょこっと入れた酢がいいね。長ねぎ(現地でスカリオンと呼ぶ)が爽やかな風味をキメてるね。豆腐メインなのでコスパもよく、SDGsにも完璧! 栄養的にも謙遜ないし、満足度もとても高いカレーです♪ ボブマーリーも食べたであろう。ビーガンカレー。そうだ、こういうのって、もしお腹周りのぜい肉が気になっていたら、ボディメイクにも絶対いい!

爽やかで美味しいのは、スパイスカレーでありながら、ジャマイカらしく、カリブ海らしく、風味をオールスパイスで引き締めていることですね。そこに鬼に金棒の組み合わせパートナーであるタイムが良すぎる~◎

ちなみにこのカレーは、唐辛子を切らないので辛くありません。ただただひたすら、爽やかで美味しいカレーです。調理レシピ中の「小皿に、フェヌグリークパウダー、ターメリックパウダー、クミンパウダー、こしょう、コリアンダーパウダー、ナツメグパウダーを入れてスパイスミックスを作っておく。」のところは、カレー粉大さじ1杯に変えてもよいので、そうすれば一層簡単に作ることもできます。

* * *

「アイタルカリー」(日本語風にはアイタルカレー)はジャマイカで知られる「アイタル料理」の一例です。ジャマイカ料理の知恵がこうして少しでも我が国で広まれば、今後我が国にも必要となっていく「サステナブルな社会のための食の取組み」や「菜食でできるSDGs」の好例となるでしょう。美味しくて寂しさを感じない菜食メニューは、食糧自給率が50%を下回っている我が国で、いつまでものんきにお肉を食べていられるわけじゃないので、今後ますます重要性を増していくでしょう。こういう菜食主義者の美味しい料理を囲みながら、「未来へ向けて、サステナブルなSDGs」をみんなで意識づけできたら、それは間違いなく素晴らしいことであると、私は確信します。


※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。



* * *

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