<スパイスアンバサダー2021>
スパイスアンバサダーの12月の活動テーマは、「食卓で旅気分!楽しさ広がる、世界のパーティーメニュー欧州編」です♪ 欧州すべての国を実際に旅した私は、このテーマを楽しんで取り組みたいと思います。
そしてテーマにぴったりだと思ったのは、料理から世界の風習と文化を学べる
世界の行事料理
です。新年や独立記念日や祝事など、その国の尊重すべき文化を代表する料理は素敵です。今回より5回連載で「スパイスを使う世界の行事料理~欧州編」を掲載します。
* * *
<スパイスを使う世界の行事料理の選別コンセプト>
スパイスを使った世界の行事料理とそのレシピを紹介します。5か国を選ぶコンセプトは以下の通りです。
- 欧州52か国を俯瞰してその国にどんな料理があるかを検証し、私がその国でその料理を実食した本物の料理を重視する。
- パーティー料理をより正式化し、人の集まりを正式に伴う行事料理とした。
- 課題が「スパイスを使った料理」なので、飲み物やデザートを作らない。食事の料理を作る
- 欧州を均等に5分割したいので、東欧、中欧、北欧バルト、西欧、南欧とし、それぞれから1料理ずつ選定する。よって全体を通して(5回内)国は重複しない。
- 本物重視。スパイスを使った我流アレンジ料理にはしない。スパイスを使うその国の食とする。
- 主催者選定スパイス20種類のうち最低1つを使用する。そのメインスパイスは5回連載で重複せず、5回連載で主催者選定スパイスを5種類以上使うことになる。
・・・と、このような壮大な検証を経て(ここに最も時間がかかったけれど楽しかった)、5レシピを選定しました。
世界の料理って本当に素敵です。
なぜなら料理は文化の縮図です。
しかも日本人が日本で外国の正当な伝統料理を味わうことで、日本料理にはない新しいアイディアが加わり、食の幅が広がり、暮らしの楽しみが広がります。それを伝えることを私の楽しみとして、5回連載で、スパイスを使う世界の行事料理を紹介します。
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【第1回】東欧編、ボスニア・ヘルツェゴビナ料理「テレティナサクロンピロン」
「欧州(ヨーロッパ)の行事料理」を作るにあたり、キリスト教主体の欧州のイメージから離れて、イスラム教が強い国の料理を1つ含めたいと思いました。そうなるとアルバニアかボスニア・ヘルツェゴビナ、あるいはロシアのタタールスタン共和国など、東欧に着目することになります。ボスニア・ヘルツェゴビナ料理「テレティナサクロンピロン」は断食月(※)のイフタル(※)やイード(※)の料理です。日没後、1日の断食をを清く終えたムスリム(※)達が幸せに食べる料理は、どんな味がするのでしょう。
※断食月:ラマダン。イスラム教には一年におよそ1か月間日の出から日没まで飲食を断つ慣習がある。イフタル:日没後。これが1日の始まり。イード:断食月明け。イスラム教諸国では休暇となる。ムスリム:イスラム教徒。
材料(4人分):
- 牛かたまり肉
- 500 g
- 塩
- 小1
- ベイリーフ
- 3枚
- 黒こしょう粒
- 10粒
- じゃがいも
- 4個(※1)
- 玉ねぎ
- 大1個
- バター
- 大1
- 顆粒コンソメ(※2)
- 小2/3
- 粉砕した唐辛子(※3)
- 小1/4~1/3
- パプリカパウダー
- 小1/2
※1:じゃがいもは500 g台くらいを想定しています。
※2:顆粒コンソメは現地のベゲタという野菜ブイヨン系調味料の代用です。「野菜コンソメ」のように記載されている商品を使うと良い代用になります。
※3:レッドペパーなどの商品名で市販されているものがよいです。日本の一味唐辛子を使う場合は辛さが強すぎるおそれがあるので使用量を減らすなどします。
作業工程:1 時間 30 分
- 牛肉を3~4 cm角くらいに切り、浅い鍋かフライパンに敷き詰め、お肉が少しだけ水面から出るくらいの水(分量外)を入れ、塩の半量(小さじ1/2)、ベイリーフ、黒こしょう粒を入れて強火にかけ、沸騰したら中火にし、水が最初の半分に減るまで肉を煮る。水が半量に減ったら火を止める。
- その間にじゃがいもの皮をむいて食べやすい大きさに切り(くし形や一口サイズなど)、耐熱容器に入れてフタをして電子レンジで加熱し(500 Wで10分くらい)、そのままでも食べられる程度に火を通しておく。
- その間に玉ねぎを千切りにしておく。
- オーブンを200℃に予熱開始。
- オーブン耐熱皿に肉を敷き、塩の残り半量(小さじ1/2)をふりかけ、バターをところどころに落とす。
- 鍋に残った肉のゆで汁に、じゃがいも、玉ねぎ、顆粒コンソメを加えて強火にかけ、玉ねぎがしんなりしたら味見をし、煮汁が煮詰まったときに肉やじゃがいもが美味しく食べられるような塩加減にする。
- 鍋の中身を肉の上にかけ、レッドペパーとパプリカパウダーをふる。
- アルミホイルを2重にかけてフタをして、200℃のオーブンで60分あるいは水分がなくなる寸前まで焼く。
- (オプション)(肉の焼き色を良くしたい場合は取り出してじゃがいもを下に肉を上に盛り直してフタをせずに最高温度で好みの焼き色がつくまで焼く。)
- Enjoy!
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ヨーロッパと言えば主要宗教はキリスト教ですが、ムスリム(イスラム教徒が)の比率が高い国も稀に存在します。ボスニア・ヘルツェゴビナでは断食月にはよく「テレティナサクロンピロン」が作られると聞き、私も異宗教への理解を深めようと思い、作ってみました。本当は「ペカ」等と呼ばれるフタつき鉄鍋で、鍋の下のみならずフタの上にも熱い炭を置いて中の具を焼くのですが、日本の家庭にはそういう道具はないので、オーブンを使った「ペカもどき調理」です。でもお肉もじゃがいもも柔らかくて優しい味わいで、美味しいと思いました。
「その国の行事料理を、作ってみませんか」
料理を義務にせず、料理をいやいやな家事にせず、料理を長く楽しんで続けていくのなら、学びやチャレンジ要素を含めるのが良いと思います。新しい国の料理を作り、新しい味つけを楽しみ、新しい会話を生む、世界の料理はとても良いアイディアです。しかもその国の人々が大事にしている行事食なら、その喜びも格別です。
これからもスパイスを使う世界の行事料理、欧州編を掲載していきます。どうぞ次回もご期待ください。よろしくお願いします。
【第1回】東欧編
~ボスニア・ヘルツェゴビナ料理、テレティナサクロンピロン
【第2回】中欧編
~***料理、***
【第3回】北欧バルト編
~***料理、***
【第4回】西欧編
~***料理、***
【第5回】南欧編
~***料理、***
※本記事は(1)「ハウス食品×レシピブログ」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)スパイスをモニター提供されたことに基づき執筆するものです。
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