スパイスアンバサダーの夏の活動テーマは、さっぱり・さわやかな世界のスパイスごはん。この連載では、料理の酸味に着目し、「スパイスを使う世界の酸っぱい料理」のレシピや国のことを10回連載で紹介しています。
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世界の料理って本当に素敵です。
酸っぱい料理はもちろん残暑の疲労回復にも最適!!! そこに、日本料理にはない新しいアイディアが加わると、食の幅が広がり、暮らしの楽しみが広がります。「美味しいものは、誰が食べても美味しいのだから」、それを伝えることは私の楽しみです。
【第4回】発酵編2)ロシア料理「サリャンカ」
サリャンカは、ナチュラルな料理が多いロシア料理の中では異色のキックが利いた料理です。きゅうりのピクルスやザワークラウトのような発酵キャベツや塩漬けオリーブなどを使い、塩分と酸味がしっかりした味わいを出していて、ロシアのどこに行っても食べられる、大定番・大人気の美味しいスープです。
材料(2人分):
- きゅうりのピクルス
- 10 cm
- ソーセージ
- 3本
- 玉ねぎ
- 1/2個
- トマト
- 中1個
- ザワークラウト
- 1/2 C
- サラダ油
- 大1
- 水
- 700 mL
- コンソメ顆粒(※1)
- 小1
- ベイリーフ
- 1枚
- ケチャップ
- 大3
- ピクルスの漬け汁
- 好みの量
- 塩
- 適量
- 黒オリーブ(※2)
- 6~8個
- レモン
- スライス2枚
- こしょう
- 2ふり
- サワークリーム
- 大2
※1:コンソメ顆粒は肉系のダシのものにします。韓国牛ダシの素や鶏がらスープの素でもよいです。
※2:丸ごとでもスライスでもよい。種があってもよいが、種がないほうが食べやすい。
作業工程:1 時間
- 玉ねぎを粗みじん切りにする。
- 鍋にサラダ油を入れて玉ねぎを中火で炒める。
- 玉ねぎを軽く混ぜながら、炒めている間に、きゅうりのピクルスとソーセージを薄い輪切りにし、トマトを粗く刻む。
- 玉ねぎを炒めている鍋にこれらの具とザワークラウトを入れて、更に炒める。
- だいたい火が通ってしんなりしたら、水、コンソメ顆粒、ベイリーフ、ケチャップを入れ、火を強めて一度沸騰させる。
- ピクルスの漬け汁を、例えば大3くらいから入れてみて味見をし、ある程度酸味が利くくらいまで入れる。
- フタをして弱火で30分以上煮る。
- 味見をして、酸味と塩加減を調える。
- 黒オリーブとレモンスライスとこしょうを加え、軽く混ぜ、器によそう。
- サワークリームを大1ずつ乗せて出来上がり。
- Enjoy!
サリャンカは中世の料理本にも記録がある古い料理です。英語の「ソルト(塩)」と語源が同じで、それはすなわち、きゅうりのピクルスやザワークラウトのような発酵キャベツや塩漬けオリーブなどを使って、塩分と酸味がしっかりした味わいを出していることに由来します。近代になってトマトが定着し、サリャンカは、(中世料理本にはない)トマト入りのスープになりました。
「夏は、スパイスを使った酸っぱい料理が合う!」
これからも、その楽しさと美味しさが詰まったレシピを厳選し、夏に合う、スパイスを使う世界10か国の酸っぱい料理を掲載していきます。どうぞ次回もご期待ください。
【第1回】酸乳編1)
~アフガニスタン料理、ボラニカチャル
【第2回】酸乳編2)
~アルバニア料理、ターブコーシ
【第3回】発酵編1)
~中国料理、酸菜鱼(スアンツァイユー)
【第4回】発酵編2)
~ロシア料理、サリャンカ
【第5回】お酢編1)
~フランス料理、プレオービネグル
【第6回】お酢編2)
~ドイツ料理、ザワーブラーテン
【第7回】お酢編3)
~エジプト料理、ファッタ
【第8回】柑橘編1)
~メキシコ料理、ポクチュク
【第9回】柑橘編2)
~グアム料理、レモンフライドチキン
【第10回】柑橘編3)
~インド料理、ジャルジーラ
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。