私の持っている世界の料理メモ(紙)はたぶん1万枚はあって・・・多すぎますよね(笑)、あはは(笑) 1つ1つ検証や調理を進めてメモ(紙)を減らしていっています。でもいつも増えるので(笑)、定常状態ですが。
さて、今日見ていたメモ(紙)は、パナマの先住民族料理の「Bodochi」の料理情報です。
スペイン語は「Chi」をチと発音するので、「Bodochi」はそれに倣えば「ボドチ」。でもこの作り方を動画で検証していたら「ボドシ」という発音も出てくるんですね。なのでもう少し発音について検証してみようと思いました。
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◆Facebook「¿Sabes que es el bodochi?」(≫こちら)
タイトル訳は「Bodochiを知ってる?」。
上の写真で皿の上に乗っている白いものがボドチ/ボドシです。
◆Youtube「como se prepara el bodochi」(≫こちら)
タイトル訳は「Bodochiの作り方」。
1:10 ボドシ
2:05 ボドチ、上と別の人。
ときどきモドチやモドシという発音も聞こえますが例えば3:35でモドシを聞いても口が閉じていないので日本語カタカナのモの音にはなっていない。
また人による違いだけでなく、1:10でボドシと言っている人が3:38ではボドチと言っている。
◆Youtube「3 BOLLO DE ARROZ」(≫こちら)
タイトルの「BOLLO DE ARROZ」は訳して「お米団子の主食」にでもしましょうか。Bollo(ボヨ)はパン類をよく指すスペイン語です。
0:44 ボドチ
2:52 ボドシ
同じ人が「ボドチ」と言ったり「ボドシ」と言ったりする。これはスペイン語と同じ現象で、彼女たちの言葉ではチとシが区別されない(どっちの音で発しても同じ用語に認識される)のかもしれない。
スペイン語でトルティージャと言ってもトルティーヤと言っても同じ用語に認識される。でも日本語で砂利(じゃり)と槍(やり)は違う用語として識別される。
つまり、日本語で識別される音が外国では識別されない音もある。
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ということで、結論。
パナマの先住民族料理「Bodochi」の発音はボドチ及びボドシ。
ただ、スペイン語の標準語が浸透するほど「Bodochi」はボドチとより均一的に発音されるようになっていくだろう。日本だってそうだもの。2世代・3世代前とくらべるとメディアの普及があったから今の言葉は均質化されてきています。
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ところでボドチ/ボドシとは、水に浸けた米をビハオ(Bijao)の葉で巻いてゆでる料理です。
◆スペイン語Wikipedia「Hoja de bijao」(≫こちら)
- ビハオはパナマと南米での名称で、パナマ以外の中米ではマハンと呼ばれる。(La hoja de bijao (en Panamá y Sudamérica) u hoja de maxán (resto de Centroamérica) )
- 裏面にはワックスがある。(la cera que presenta en su envés)
そうか、ワックスがあるから、「裏白」に見えるのかもしれない。そしてワックスがあるから調理素材として使いやすいのかもしれない。
◆Youtube「3 BOLLO DE ARROZ」(≫こちら)
上の画像をよく見ると、左の女性は緑の面が外側になるように米を巻いています。右の女性は白い面が外側になるように米を巻いています。よってビハオの葉でボドチ/ボドシを作るときは表裏をそれほど気にしなくて良いことも分かりました。
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今作りたい世界の料理。
パナマの先住民族料理「ボドチ」または「ボドシ」。
これはビハオの葉(バナナに似た葉)に包んだ米のタマルです。
水に浸けた米を葉に乗せて包んで1時間ゆでます。
典型的には揚げた魚と一緒に食べるので、なんとなく日本の握り飯&焼き魚弁当に似ているものを感じる私なのでした。
パナマからコロンビアにまたがって分布するエンベラ族(Emberá)の料理ですよ。ダリエンギャップという、旅行者を寄せ付けない危険地帯。行ってみたいと思ったのに、私が行けなかった(そして旅行者は行ってはいけない)(行ったら生きて出られないと言われる)(なぜならそこは重要麻薬ルートだから)場所の人々の、美しいジャングル文化です。
同じ葉っぱは我が家にはないけれど、葉っぱの代用には気をつけなくちゃいけませんね。食品調理用として、からだに毒にならないものを選んで、私もこのボドチ/ボドシを作ってみようと思います。