今日は、バラナシの調理人に教わった、作り置きマサラの記事です。
インドのバラナシで泊まった宿はレストラン併設でした。バラモンの階級をもつ男性が調理を担当していました。彼の作るカレーは美味しく -いえもちろんインドの現地で食べるカレーはどこで食べても美味しいのですが- しかも宿泊中に何度か顔を合わせると、厨房で見学もさせてくれました。
さて、
日本のカレーは煮物ですが、インドのカレーは炒め物です。
ここには重要な違いがあります。スパイスの香りは煮込むと飛び、炒めると香りが立つのです。
インドでは、まるで中国のレストランのように、注文を入れる→厨房で鉄フライパンでジャッジャッと炒める→客に出す。中国料理並みに強い火力でジャッジャッと調理を進める様子は、本当、日本のカレーの調理とは違うなぁと思わされます。
あ、でも、プリー(揚げパン)屋などでは、プリーに添えるカレーソースを作り置きにもしますよ。そういう場合もあります。
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インドのレストランでは、注文が入ってからいろいろな具や香辛料を炒め合わせますが、すでに玉ねぎやトマトがじっくりと煮込まれた「作り置きマサラ」(カレーベース)を作り置きにしていることを、現地の旅で観察してきました。料理によっては時間短縮調理にカレーベースを組み合わせ、短時間でも美味しいカレー料理を作り上げるのです。
砂糖を油に入れて加熱してカラメルにし、ジンジャーペーストとガーリックペーストをたっぷり加え、辛くないタイプの唐辛子粉、ターメリックパウダー、ケシの実パウダー、メロンの種パウダー、ココナッツミルクパウダーを加えてぐつぐつ煮ます。別途玉ねぎをゆでてあるので、ゆで汁を捨てて玉ねぎだけをピューレにして加えます。1時間半ほど混ぜ続け、冷蔵庫ではないところで寝かせ(あまり低温だとよくないらしい)、翌日、翌々日も混ぜながら煮て、徐々に煮詰めていく。
全工程を見学できていないのですが、あとは香辛料で風味を整えるといった感じで教えてくれました。
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バラナシで泊まった宿で教えてもらったこの仕込みが素晴らしく良くて、私は帰国してから自宅のキッチンでも似たものを作りました。そして作り置きマサラのレシピを完成させました。
こんな感じで、カレーのソツないベースを作っておきます。
冬ならフタをしてキッチンに置いておけます。
冷蔵庫に入れるときはこんな感じ。容器をアルコール消毒しておけば、冷蔵庫で3か月とか余裕でもつので素晴らしいですよ。
バターを入れればバターチキンマサラが簡単だし、酢を入れればビンダルーが簡単だし、ケララ風のココナッツミルクカレーも簡単だし、あとビリヤニ(カレー炊き込みご飯)も簡単です。
作り置きマサラは、今、私の大事な調理アイテムになっています。インドで学んだカレー作りが暮らしに活かせているのもとても嬉しいです。
作り置きマサラのレシピは、≫こちら