作り置きマサラ

  • インド料理

  • 概要

    :カレーの作り置きペースト

作り置きマサラ

作り置きマサラ

日本のカレーは煮込み料理ですが、インドのレストランで何十何百とメニューにあるカレーは、注文を受けたら中華の厨房並みの火力で、ものの数分で作る炒め煮です。香辛料は煮込むと香りが飛び、炒めることで香りが立つのです。そのために旨味を凝集させたベースを作り置きにしています。決まった名前はありませんが、カレーベース、マサラベース、グレイビー、カレーペーストなどと呼ばれ、私は「作り置きマサラ」の名前を使っています。作り方を見せてくれのは、ヒンドゥー教の聖地のシェフ。誰もが食べられるようにカーストはバラモン、ベースは完全ベジタリアンです。ベースはスタンダードゆえ、スパイシーカレーも、ハニースウィートも、酸っぱいビンダルーも、ココナッツミルク煮も変幻自在、炒め物もOK。更にこのペーストは冷凍しないから、日本にいても今日カレーが食べたいといった欲求に即座に応え、「急いで食事の支度をしなくちゃ」と思えばものの数分でカレーが出来る。このカレーペーストは見事に一流インド料理レストランの味を与えてくれます。5分で本当のインドのカレーができるのだから、日本で真似したら絶対にいいと思いませんか!?

材料

出来上がり約1L分):

サラダ油
大4
バター
大2
砂糖
大1
玉ねぎ
4個
トマト缶(※1)
1つ
カシューナッツ
大3
ポピーシード
大1
適量
サラダ油
大1
バター
大1
チューブにんにく
大2.5
チューブ生姜
大2.5
ターメリックパウダー
小2(※2)
カイエンペパー
小1/2
コリアンダーパウダー
大4
ココナッツミルクパウダー
大2
小2
その他(※3)
少々
  • ※1:トマト缶は400gくらいのものを使用します。カットやダイスよりもホールがよいです。
  • ※2:出来上がりが黄色いペーストを作りたい場合はターメリックをより増やすとよいです。
  • ※3:その他の材料として、現地でもお店により、はちみつ、カルダモンホール、ベイリーフ、シナモンスティック、八角、青唐辛子、鷹の爪のうちの好みのものを加えています。私もその他の材料として何を加えるかはそのとき次第です。

調理時間

:3 時間(途中寝かす時間を除く)

作り方

  1. カレーベースを煮込む鍋にサラダ油とバターを入れて強火にかけ、バターが溶けたら砂糖を入れ、鍋をゆすりながら、砂糖が融けてカラメル色になりはじめるまで加熱を続ける。
  2. 火を止めて、しばらく置き、粗熱を取る。
  3. 玉ねぎの皮をむいて2つ割りか4つ割りにし、鍋に入れる。
  4. トマト缶を缶汁ごと入れ、カシューナッツとポピーシードを入れ、玉ねぎがかろうじてかぶるくらいの水を加える。
  5. 強火にかけ、鍋底のカラメルを木べらなどで落としながら、途中玉ねぎを返しながら、ぐつぐつ沸くような火力を維持しながら煮る。
  6. 水分が半分くらいに減ったら、ミキサーかハンドブレンダーにかけて鍋の中身を均一に撹拌する。
  7. 小さな鍋かフライパンにサラダ油とバターを入れて中火にかけ、チューブのにんにくと生姜を加えてしっかり炒める。
  8. ターメリックパウダー、カイエンペパーパウダー、コリアンダーパウダー、ココナッツミルクパウダー、塩を加え、練り合わせるように火を通し、鍋の中の煮汁を少し加えてのばすことを繰り返し、鍋の中に入れてもダマにならない程度に流動性が高くなったら鍋の中に入れる。
  9. フタをずらすか、紙でフタをして、ある程度水分が逃げるようにしながら弱火~中火で1時間加熱する。ときどき中を撹拌して鍋底に焦げ付かないようにする。
  10. 鍋を火からおろし、フタをして、キッチンのすみっこなど、ひんやりした場所に翌日まで置いておき、鍋の中身を寝かせる。
  11. 翌日も、同様に1時間加熱し、水分を飛ばす。
  12. もったりしたカレーペーストになればできあがり。味見をして塩加減やスパイス加減などを控えめかつ好みに調える。
  13. 好みで、熱いうちにはちみつ、カルダモンホール、ベイリーフ、シナモンスティック、八角、青唐辛子、鷹の爪などのうち好きなものを風味付けに加えておくとよい。
  14. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 砂糖がカラメルになる温度は140℃近い高温です。鍋の取り扱いに細心の注意を払い、やけどをしないでください。
  • 砂糖がカラメルになってから火を止めるのでは遅いです。140℃近い高温の予熱でカラメル化が進むことを念頭に置き、カラメル化(着色)が始まったら火を止めるようにします。
  • カシューナッツはクルミやアーモンドで代用できます。ポピーシードは白ごまで代用できます。
  • トマト缶や水を加えるとき鍋の温度が100℃以上だと水分が勢いよく水蒸気になるため危ないので、水で濡らした菜箸を入れてみるなどして、水分を投入しても危なくない温度になっていることを確認します。
  • 旬の熟れ熟れ美味しいトマトがあれば生トマトを使ってもよいですが、旬の時期以外だとトマト缶を使用するほうが味の濃いトマトを得られると思います。
  • にんにくと生姜は生を使ってもよいです。現地ではよくジンジャーガーリックペーストを使うので、このレシピも市販のチューブのにんにくと生姜を使いました。私自身はそのときの在庫により、どちらも取り入れています。
  • ミキサーやハンドブレンダーにかけるときは、汁が熱いと暴発するおそれがあるので、注意しながら、あるいはある程度冷ましてから行います。
  • さまざまなカレーのベースになるように、クミンを加えず、辛味も塩分も控えめです(インドの厨房もそうでした)。自分の好みの味に作る場合は、最初からスパイシーにしてもよいです。
  • 加熱が足りないとチューブのにんにくと生姜のクセが残りやすいので、しっかり炒め、しっかり火を通します。生のにんにくや生姜を使っても、加熱が足りなりと生っぽさが残ってしまうので同様です。
  • 鍋の中身がもったりしているので、加熱すると鍋底から突沸が起こります。なので、紙のフタをするなどして、中身が周囲に飛び散らないようにします。
  • 鍋を長く加熱したあとにいきなり木べらなどを入れると、勢いよく突沸が始まるので、いったん火を消してしばらく置くなど、注意します。
  • 出来上がりの量を1Lとしましたが、煮詰め具合によって変わります。逆に、出来上がりの量を最初に決めたい場合は、煮込む鍋に目的量の水を入れて、菜箸などを垂直にさして水の深さを事前チェックするとよいです。
  • 味見をするときは、味わいがきつくなりすぎないようにします。塩分や追加の香辛料は実際にカレーを調理する時に加えるので、ベースはそれほど塩分や香辛料がなくてもよいのです。
  • 密封できる綺麗な容器に入れて冷蔵庫に入れれば、2か月(状況によっては3か月も)もちます。早いうちに使い切ればよいのかもしれませんが、今後のカレー作りが簡単になるように冷蔵庫にストックしておくのがよいです。どのくらい日持ちするかは、容器の綺麗さや使い方によって変わります。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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