ムーランが素敵♪ 冬の間は我が家にはっさくがたくさん生るので、100%ナチュラルなはっさくジュースを作ります。
皮をちゃんとむいてから「ムーラン」にかけると、果皮の白い部分の苦みが入らず、そして圧搾力があることから、果汁をほとんどロスせずに搾り取ることができます。
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「ムーラン」はベルギー生まれでその後フランスで企業商品化されてブレイクした、野菜ピューレを作るキッチン道具です。
この道具は、イタリアの宿の共用キッチンにあったものです。なにせ日本の調理道具にはない奇妙な構造でしょ? 「これは何だろう? 一体何だろう?」と、取っ手をぐるぐる回しながら不思議な目で観察していた私を見て、宿のおばさんがハンドルをぐるぐる回しながら「ベルドゥーラ」(野菜)と言い、「トゥアカーザ(笑)」(家に持って帰んなさい)とにこやかにムーランを私に押し付けて、それはすなわちプレゼントしてくださいました。おばさんは英語が話せず、私はイタリア語があまり分からないけれどね。笑顔同士、それだけでも気持ちはつながるものです。
そうそう、後から見つけたのだけど、このキッチンにはムーランがほかにも2つあったのです。ムーランがどれだけ便利な道具であるかの表れです。
ムーランの中心部を拡大。
底に穴があいています。潰したい物を入れてからハンドルを時計回りに回すと、だんだん金具に押しつぶされ、最後はこすられるように徹底的に潰されて、液体や半固形になったものが下に落ちていくという構造です。
野菜のピューレやジャムなどを作るのに大変便利。ポタージュスープを作るのにも便利に使われる道具です。インドやその周辺の南アジアの国のチャトゥニ(フレッシュなピューレ)を作るのにも使える形状です。「つぶしてなめらかにする」料理やソース、ピューレ、ジャムの類は万国共通でしょうから、これ1つあるだけで、随分と世界の料理の幅も広がります。取っ手も穴が開いているプレートも簡単に外れるので、洗いやすく、余計な繊維を取り除きやすいのも利点です。
<名称について>
日本語では出回っていない調理器具ですが、日本語でも「ムーラン」という名前で販売されることが多いと思います。
フランス語で「Moulin」(ムーラン)、意味はミル(製粉の機械)やグラインド(粉砕)。イタリア語で「Passaverdura」(パッサベルドゥーラ)、意味は野菜の裏ごし。
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完熟トマトを裏ごしする作業も、ハンドルぐるぐるするだけで簡単です。
パスタソースを作るのにも便利そうね。ポタージュを作るのにも絶対ピッタリ!!
いろいろと使い道のアイディアが広がります。お気に入りの「ムーラン」をくれたイタリアの旅に、感謝。
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冬の間は我が家にはっさくがたくさん生るので、これからも、100%ナチュラルなはっさくジュースを作ります!
そうだ、今うちの菜園には大根が20本ほど育っている。大根をくたくたにスープ煮にして、ムーランでなめらかにした「大根ポタージュ」を作ってみようっと♪