食器洗い嫌いの素敵な食器洗い。『花王キュキュットあとラクミスト』

<目次>
1.緒言
2.レポート条件
3.私の食器洗いの背景
4.CLEAR泡スプレーの経験
5.実験手法とスクリーニング
6.ごはん汚れ
7.卵の黄身汚れ
8.その結果として何が得られたか
9.食器洗いの負担軽減できるか?
10.今後の期待と総括

 1.緒言 

食器洗い嫌いの、素敵な食器洗い。

そんな一見矛盾することが実現したら、毎日楽しいでしょうね。今私は、-ここまで到達するのに数年かかりましたが- 大嫌いな食器洗いがとても楽しいです。それは時間を置いて浸けておくとよい、お気に入りの商品に出会えたからという理由があります。

あとラクミスト今回、モニター商品で、「キュキュット あとラクミスト」(≫こちら、以下「あとラクミスト」)(花王株式会社、≫こちら)を受領しました。ただし、使用レポートをUPするという条件とともに、です。

数年来の人気商品である「キュキュットCLEAR泡スプレー」(以下CLEAR泡スプレー)は使用経験がありますが、今回は2020年4月新発売(≫こちら)の「あとラクミスト」に焦点を当てて汚れ落としを検証しましたので、ここにレポート形式で記します。

 2.レポート条件 

レポートの条件は以下の通りです。

  1. 食器洗いの負担を軽減できるかどうか
  2. どんな料理後に役に立てたか

今回の検証では、2.の「料理の種類」を特定していくために、まずスクリーニング(※)をし、従来の食器洗いの方法に比べて汚れ落ちが良いものを探しました

※スクリーニング:数多い対象の中から目的に合致する対象を選別すること。

 3.私の食器洗いの背景 

食器洗いにおいて私が嫌いなことが3つあります。
1つめは、食器洗浄機が好きじゃない
夫が「買ってあげようか」と言ってくれてもいつも断っています。理由は幾つかあって、1)食洗機のゴミ除去やメンテを怠る性格である。2)食洗機が食器洗いにかける時間が長くてエコじゃない。3)食洗機用洗剤に入ってるビルダー(※)がエコじゃない。4)食洗機を使うほどいつも食器が多いわけじゃない。5)食洗機を使わずに楽に食器が洗える方法があればそちらを好む。6)壊れたり新型が出てそっちが欲しくなったときには存在が邪魔でストレスになる、等。

※ビルダー:洗浄補助のための化学物質

2つめは、洗い桶が好きじゃない
洗い桶に食器を入れて水を張ると汚れが拡がるから嫌。汚れを拡げることに意味がないと思う。

3つめは、食べ終わった食器を絶対重ねない
これは家族でルールにしています。再掲になりますが汚れを拡げることに意味がないからです。

 4.CLEAR泡スプレーの経験 

これまでもCLEAR泡スプレーの油汚れ落ちは自宅で検証し、実感し、日々お世話になっています。
【すげー!神!】お弁当箱洗浄の大敵「カレー」に泡状洗剤を。
汚れがよく落ちる、食器洗いの頂点に立つ泡状洗剤の「面と点のダブル制覇」

CLEAR泡スプレーCLEAR泡スプレー

チーズフォンデュのこびりつくチーズ落としに泡状洗剤を。
汚れがよく落ちる、というシンプルライフ

本製品は2016年新発売&2018年改良販売(≫こちら)。もう5年来お世話になっています。洗い桶を使わず食器を重ねず、油汚れを中心に洗剤を吹きかけて、食器洗いを楽にしてきました。

 5.実験手法とスクリーニング 

あとラクミスト

あとラクミストの最大の特徴は「酵素配合」

・・・でも今回、その酵素が何だか分からなくて苦労しましたよ。ホント、その酵素がなんだか知りたかった、そこが残念、でもルールだから仕方ない(※)。

※「家庭用品品質表示法」による法定表示(≫こちら)では「酵素を配合しているものについては酵素の用語を用いて表示すること」とされ、日本石鹸洗剤工業会「家庭用消費者製品における成分情報開示に関する自主基準」(2011年、≫こちら)では「酵素にかかわる全ての構成成分は酵素とまとめてもよい。」と記載されている。よってどの酵素を配合しても酵素と表示されることになってしまう。

酵素とは化学反応を触媒する一連のタンパク質で、食品成分を分解する酵素は概ね加水分解酵素。酵素には基質特異性があり、アミラーゼはデンプン分解、リパーゼは脂肪分解など、モノによって分解する対象が異なる。

「あとラクミスト」は界面活性剤(油汚れを乳化して落とすもの)が10%入っているので、油汚れを落とせることは問題ない&間違いない。ではその「酵素」とは何を分解してくれるのでしょうか?

実験手法は以下の通りとしました。

  1. 一か月ほど「あとラクミスト」をいろいろな食器の汚れに使ってみる。
  2. 「あの汚れを落とそう」といったターゲットは決めない。心理的要因を排除した非介入ランダムスクリーニングとする。
  3. そして「いつも以上に汚れが落ちる」と思われた食品汚れを選び、比較対照試験により分解性を比較し、効果を検証する。

<スクリーニングと結果>
洗い桶を使わず食器を重ねず。私はいつも、このように食器類を広げています。

あとラクミスト

たためる水切りも毎回最初に洗い、よく使うトレイ(お盆)もいつも洗って、綺麗を保っています。

最も違うと思ったのは米(ごはん)でした。嫌ですよねー、粘るごはんもカピカピのオブラート状残渣もは洗い物の大敵!! ふやけた米粒が食器洗いクロスにつくと最低。もちろん米粒は残さず食べるのでシンクに入るのは内釜やしゃもじのオブラートや粘り部分です。でもね、そこに「あとラクミスト」を噴霧して数時間後、ほら、下の写真・・・

あとラクミスト

なんだろう、壁面やしゃもじが綺麗になる一方で、なにこの沈殿残渣!? というかもはや分解産物!?

もう一つ違いを感じたのは半熟卵のカピカピ汚れでした。あのカピカピの黄身は嫌ですよねー、洗い物の大敵!! でもね、今回あえてウエスで拭わずに「あとラクミスト」を噴霧してみたら、ほら、下の写真のように・・・

あとラクミスト

卵の黄身が白くなっていく・・・!?

なお、カレーの汚れ、チーズ類の汚れ、ホワイトソースの汚れ、ナポリタンの赤い油、デミグラスソース系などなど、一般的に食器洗いの大敵とされる油脂系の汚れは従来の洗剤液やCLEAR泡スプレーでもよく落ちます。今回のスクリーニングではごはん残りと卵の黄身において良い洗浄効果を見出したように思われました。

 6.ごはん汚れ 

それではごはん汚れに対して比較対照試験を組みます

比較対照試験とは。
ところでこの記事を執筆する時点で、モニター対象者の方々のキュキュットレポート投稿記事(≫こちら)約130件を簡単にざっと見てみましたが、多分その全例がシングルアーム試験なんですね。要は、比較対照を同時に置かずに、単品だけで「使った!落ちた!きれいになった!」等の実感を記すにとどまっています。でもそれは「あとラクミスト」でなくてもよいのかもしれないし、水に浸けておけばいいのかもしれない。

だからこそ物の比較の基本は比較対照試験。「あとラクミストできれいになった」と言いたいなら「酵素非配合の洗剤ではきれいにならない」とか「水のつけ置きではきれいにならない」という対照(コントロール)とともに同時に試験を行って(気温や作用時間などの条件を一定にして)、「あとラクミスト」の効果を実証していきます。

1)透明ガラス容器の内壁にごはん粒30粒をスプーンで潰しながら貼り付け、左にあとラクミストを30 mL入れます。コントロールは同量の水(中央)とCLEAR泡スプレー(右)です。

あとラクミスト

鏡を使うと側面観察と上方からの観察が同時にできます。温度も観測。試験開始時の気温は約20℃(いいねー、科学的標準温度だ)。今回の実験では気温は15~21℃を推移していました。なお「あとラクミスト」にアミラーゼ(※)が配合されている可能性を考慮して唾液が混入しないように細心の注意を払っています。

※アミラーゼ:単にアミラーゼと言う場合はα-アミラーゼを指すことが多い。多糖類のα 1,4-結合を加水分解する酵素群の総称。ヒト体内では唾液及び膵液に含まれ、デンプン類を消化する。

2)約3時間後「あとラクミスト」液の白濁化が著しかった。

あとラクミスト

鏡を使って上から見たらごはん粒が随分溶けている。対照群の液は澄明で、ごはん粒を溶解していないと思われた。

3)約10時間後。これは一晩漬け置きしたのと同等です。

あとラクミスト

水分の蒸散を防ぎながら観察を進めたところ、依然としてごはんを溶かし続ける「あとラクミスト」に対し、依然としてふやかすだけの対照群。

4)約16時間後。これは朝ごはんの食器類を就寝前まで置いておくのと同等です。

あとラクミスト

いやー、勝負ありましたねあとラクミストの圧勝です「あとラクミスト」はごはん粒を溶解しました。水とCLEAR泡スプレーはごはんをふやかすだけで終わったように見受けられました。

【ごはん汚れ落としの結果と考察】
「あとラクミスト」はごはん粒に対して強い溶解作用をもつことが明らかになった。このことより「あとラクミスト」に配合されている酵素はα-アミラーゼであることが強く示唆された。また経時変化より酵素と基質の接触時間が長いほど分解効果が高まることも確認した。

 7.卵の黄身汚れ 

次に卵の黄身汚れに対して比較対照試験を組みます

1)卵の汚れモデルを作ります。卵以外の因子を排除したいので油を敷かずに半熟卵を作り、

あとラクミスト

2)白い皿に均一に塗擦し、左から「あとラクミスト」、水、CLEAR泡スプレーをそれぞれ20 mL入れる。気温は18~20℃。

あとラクミスト

3)約8時間後

あとラクミスト

「あとラクミスト」に浸けたものは卵が減って黄色が抜けた。卵白は残っている。水及びCLEAR泡スプレーに浸けたものは卵はよく剥がれていたが固形分も多く残っていた。

【卵の黄身汚れ落としの結果と考察】
卵汚れは水に浸けるだけでも剥がれた。さらに「あとラクミスト」は卵の黄身の黄色をよく落とした。「あとラクミスト」に配合されている成分詳細が不明なためその機序は不明であるが、CLEAR泡スプレー以上の効果がみられたことから酵素が何らか貢献している可能性が否定できない。また、次いでCLEAR泡スプレーに卵の黄身汚れ落とし効果が見られたことから界面活性剤が卵の黄身汚れ落としに寄与していると推測された。ただし3群とも白身が残るので、卵料理の汚れ落としには、上のごはん粒ほどの確実な効果が得られないこともあるだろう。

* * *

【両実験の結果から結論】
今回私の自宅で約4週間にわたってスクリーニングした様々な食器汚れのうち、「あとラクミスト」特にごはん粒の汚れ落としに貢献した。それはごはん粒の溶解であり、食器洗いクロスやスポンジへの負荷がほとんどなくなる、最良で理想的な汚れ落としの形態であった。

 8.その結果として何が得られたか 

そう、大事なのはここからですよね。『その結果として何が得られたか』

私自身が得た嬉しい気持ちを列挙すると、

  1. スプレーつけ置き洗いを使い分けられるようになった。炭水化物の各種汚れ落としには「あとラクミスト」を是非とも使いたい。
  2. 通常の油汚れは従来の泡状洗剤でも「あとラクミスト」でも良いと思えた。なので汚れに応じて使い分ける楽しさが生まれた
  3. いずれにしても、スプレー後にシンクに食器を置いておくことが是となる。だから、その都度洗うことからの解放。それはその都度洗わなくちゃという義務感からの解放
  4. その都度洗わなくてよくなると、時間差で生じる汚れた食器を堂々とまとめて洗える。相対的に束縛時間から解放され、家事ストレスが減り、洗う回数低減から手荒れも減った。
  5. 束縛が減ることで自分の時間が増し、つまりは私自身のQOL(※)が向上した
  6. 食器洗いの回数の減少は洗剤の総消費量の減少と相関性があり、地球環境負荷低減になるよう努力で変えられている実感が嬉しい。

※QOL:Quality of life、生活の質。

そうして、食器洗いが嫌いな私は、食器洗いが一層楽しくなったのです。

食器洗いが一層楽しくなった・・・これは、今回の商品と検証で得た、最大の効果ではないでしょうか。

 9.食器洗いの負担軽減できるか? 

それでは、今回のレポート条件の結論を記します。

  1. 食器洗いの負担を軽減できるかどうか
  2. →できる。大いにできる!!
    基本的成分が界面活性剤なので、油脂系の汚れ全般によく効き目がありました。ヘビーな汚れでなければあとラクミストの噴霧だけでよく、本洗いに別途洗剤をつけなくても洗えることも多々ありました。

  3. どんな料理後に役に立てたか

最も顕著なのは炭水化物
具体的には、炊飯器の内釜とフタの裏、しゃもじ、ごはん茶碗。有難かったのはうどんや素麺をゆでてザルにあげたときの、そのザル(小麦粉粒子が付着するんです)。炒飯を作ったあとのフライパン表面のデンプン成分のこびりつき。お好み焼きを作ったあとのボウルに付着する粉モノ、等にも良かったです。

ただし、ミストが乾くとだめ。乾きそうなら追加でスプレーします。

 10.今後の期待と総括 

最後に、私が「あとラクミスト」に入っている酵素をアミラーゼだと思ったことについて記します。
日本での酵素配合洗剤は1968年に端を発し、今日では食器用洗剤ではアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの配合が認められています(≫こちら)が、飲食器用洗浄剤自主基準(≫こちら)による規制は以下の通りで、

あとラクミスト

これが現行規則なら、一般消費者向け手洗い用食器用洗剤に配合される酵素は原則としてα-アミラーゼのみとなるのですね。これが今回「あとラクミスト」がごはん類などに異様な分解力を見せたのはα-アミラーゼによるものだと思う根拠にもなりました。

また、実は、「期待していたが、あまり従来と変わらなかった」と思えた汚れもありました。納豆のネバネバ(ポリグルタミン酸)とアクのこびりつき(加熱変質タンパク質)などです。
▼一応追試検証もしたんですけど・・・。

あとラクミスト

「あとラクミスト」は、納豆のネバネバ(分解酵素抵抗性ポリペプチドらしいです、≫こちら)や変性タンパク質などにはまだまだ効果が及びにくいかもしれない。「卵黄汚れも落としたからタンパク質汚れに強そう」とは早計で、卵黄に含まれる成分は脂質28 g、タンパク質16 g、炭水化物4 g、etc(100 gあたり、≫こちら)、よって卵黄汚れは油汚れとして捉えるべきかもしれない。事実、卵白は溶けずにずっと残り続けたのだから。このように「あとラクミスト」はまだまだタンパク質汚れへの開発余地があるのではないだろうか。

今後の期待は、納豆ネバネバやアクなどタンパク質加熱変性のこびりつき、あとは飛散性を抑えながらも高い分散力が欲しいです(※)。

※「あとラクミスト」は香料がきついと各種レビューで書かれていますが、飛散性が高いことなどの理由から人体への安全性のために企業がつけた配慮だと思っています。においがついているほうがちゃんと防御(吸わないようにする、ちゃんとすすぐ、等)できますから。

* * *

最初から万人にとって非の打ちどころのない食器用洗剤を作れるのなら良いけれど、実際には沢山の経験技術を積み上げて、制度(法令による使用基準など)の構築とともに実現していくしかない。でも今回の、放っておくだけで炭水化物や脂質を良好に分解除去できるという新製品は、ひとつの理想の洗剤を生み出しました。

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今日のタイトルは、『食器洗い嫌いの、素敵な食器洗い』、です。私は今、毎日が楽しいです

ほら、あなたも早速食器洗いでその良さを楽しんでみませんか。

あとラクミスト

花王(4452/東1)といえば連続増配銘柄として知られるところですが、この企画を通じて、その素晴らしい企業姿勢や企業努力やESG(※)達成度を改めて実感した次第です。私たち一般消費者の「キレイ・ライフスタイル」(Kirei Lifestyle、※)の向上を本当にありがとうございます。そして、本企画を主催されたレシピブログと花王株式会社に、心より感謝申し上げます。

※ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、そしてそれらに積極的に取り組みをする企業の姿勢。「Kirei Lifestyle Plan」(キレイ・ライフスタイルプラン):花王グループのESG戦略に含まれる。QOL(人生の質)向上はその柱の1つ。

※本記事は(1)モニターコラボ広告企画に参加していること、(2)当該商品をモニタープレゼントされたことに基づき執筆するものです。

フーディストアワード2020
「フーディストアワード2020レシピ&フォトコンテスト」参加中。



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