マダガスカル料理

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  • 「ラサリコンコンブル」にレシピリンク挿入!(本文記載済み)

【基礎情報】

国名:マダガスカル共和国Republic of Madagascar、首都:アンタナナリブ、ISO3166-1国コード:MG/MDG、独立国(1960年フランスより)、公用語:マダガスカル語、フランス語、通貨アリアリ

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【地図】

マダガスカルは、アフリカ大陸南部の東の沖に浮かぶ大きな島で、対岸はモザンビークです。近隣には、セーシェル、モーリシャス、コモロ、レユニオン、マイヨットなどの小さな島国があります。

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◆地理はアフリカ、文化はアジア。お米中心の食生活

しましまのしっぽが可愛いワオキツネザルや、横跳びおサルのシファカ、星の王子様のイメージで語られるバオバブの木など、珍しい動植物にあふれたマダガスカルは、地球のロストワールドです。人間はというと、最初の定住者はインドネシア・マレーシア方面から来たという説が有力で、比較的新しい時代になってアフリカ人やアラブ人やインド人が移住したものと見られています。世界各地に由来する各各の部族も、言語は皆マラガシー(マダガスカル語)でつながっていて、東南アジア、アフリカ、インド、アラブの興味深い文化が結び付けられました。フランスの植民地になり、フランス語やフランス料理も普及しましたが、今も土着的なマダガスカル料理は東南アジアの影響が強く残る米が基本の食生活です。マダガスカルでは稲作が盛んで、いつもお米が食べられています。

マダガスカルのムフガシ
食堂脇でムフガシを焼く女性。まるでたこ焼き器。(撮影地アンボシャリ)

マダガスカルでは、食堂はホテリと言い、食事はサカフと言います。主食はヴァリ(ごはん、ファリにも聞こえるくらい軽い発音)で、おかずはロカと総称されます。お米をたくさん食べる点は東南アジアに似ているものがあるものの、マダガスカルは貧しい国であることが背景にあるからか、東南アジアに比べると料理の美味しさではどうも劣ってしまいます。質素で素朴な味を思い描きながら、以下マダガスカル料理について読み進めて下さい。
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主食 Staple

典型的な食卓には、たくさんのファリ(ごはん)、ちょっとのロカ(おかず)、ラサリ(サラダ)、サカイ(唐辛子ペースト)、ラヌフラ(おこげ茶)の全部または一部が並びます。簡素な食堂だとラサリはないこともしばしば。お米は白米と赤米がありますが、たいがい見かけるのは白米です。

残ったごはんはススア(お粥)や雑炊にして翌日の朝食に食べられます。ファリアナナ又はファリアミナナナ(青菜を入れた雑炊)は後述のキトゥザ(燻製肉)とよく一緒に食べられます。

麺類も食べられています。コンポゼはゆでおきのスパゲティーと数種類のサラダを盛り合わせた料理です。ミサオは炒めスパゲティー全般(カレー粉風味が多い)で、おそらくベトナム語のMi xao(麺を炒める)、あるいはそれに類似した東南アジアの言語に名前が由来すると思われます。
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肉のおかず Meat

ロカ(おかず)は、肉類が多いです。おかずの調理法には、リチャ(水と油で煮ながら水分を飛ばしたもの)、ソシ(リチャよりは水分が残っていて、お肉がトマトなどの煮汁に浸った具合のもの)、ルー(汁物)などがあります。味付けは、白いおかずだと塩味が基本ですが、塩以外の風味や旨味づけに使われるのは、玉ねぎ、にんにく、トマトのように、基本的にシンプルです。スパイシーな料理は基本的にありません。辛味が欲しい人はサカイ(唐辛子ペースト)で各自補います。

ヘナは肉の総称です。うちアクーは鶏肉、ウンビヘナヌンビ)は牛肉、キスアヘナキスア)は豚肉。キトゥザは薫製牛肉、ソシシはソーセージです。こういう材料名を知っていると、食堂のメニューがかなり読めるようになります。マダガスカルの牛はゼブ牛といい、元はアフリカから持ち込まれたもので、今やマダガスカルを代表する食材となっています。

リチャの代表的な料理は、ヘナリチャ(肉のリチャ)、肉のスープを作ってから水気を飛ばしたもので、肉が柔らかくて美味しいです。ソシの代表的な料理は、アクーソシ(チキンのトマト煮)で、マダガスカルのあちこちで食べられています。

またプティケーニャはひき肉のそぼろ風炒め煮です。後にも出てきますが、キモはアラブを感じるひき肉のカレー風味の炒め煮です。
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魚のおかず Fish

マダガスカルで魚はチュンジュと言います。煮たり焼いたり汁物にしたり、シンプルな味付けで調理されます。
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野菜や豆のおかず Vegetables & Beans

生の野菜を食べたいときは、ラサリ(サラダ)が嬉しい。レモン汁とこしょう程度の味付けのシンプルサラダで、定番はラサリコンコンブル(きゅうりのサラダ)やラサリブアタビア(トマトのサラダ)などです。

ラビトゥトゥは、キャッサバの葉を叩いて細かくしたもので、コンゴ民主でソンベと呼ばれる料理と同じです。ラビトゥトゥは豚肉と絡め煮にして、ラビトゥトゥシヘナキスア(豚肉のキャッサバ葉絡め)としていただくのが定番です。

ツァラマスはインゲンマメの煮込みですが、豚肉と一緒に煮込まれたヘナキスアシツァラマスはとても美味しいもので、ホテリ(食堂)の定番メニューの1つです。
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スープ類 Soup

ルー(汁物)の代表的な料理はルマザーバです。野菜が入った苦茶のような汁だったり、肉のゆで汁に野菜を入れたり、肉も野菜も入っていたり。ともあれシンプルな味付けの澄んだスープは、ごはんにかけて、ごはんをゆるめていただきます。アクールー(鶏肉を煮込んだ澄んだスープ)もよく見かけるメニューです。
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軽食 Quick Eats

路上で軽食を売る人や、道端の小さな軽食屋をよく見かけるのも、貧しい国にはよくある光景だと思います。こういう路上ごはん屋系では、モサキーキ(串焼き)、ムフガシ(米粉や小麦粉を発酵させて焼いたもの)、ヤウールメゾン(手作りヨーグルト)などなど、様々なローカルフードに出会えます。ヤウールメゾンをよく見てみると、バニラの黒い粒粒が入っていることが多々あります。マダガスカルは、世界的バニラの産地(しかも高級品種の代表産地)なので、現地ではバニラを是非体験できたらよいですね。
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インド、アラブ、フランス、中国 Other Countries

マダガスカルとアジアは、インド洋交易でつながった歴史があり、それゆえインド系やアラブ系の食事もマダガスカル料理に影響を与えました。キモ(ひき肉煮込み)はアラブ(ひいてはインド)を思い出すようなカレー風味と味がします。

また独立まではフランス領でしたから、ある程度の規模以上の街には素敵なフランス料理店があります。驚くのはその価格です。マダガスカルの安い物価により安価に食べられます。本格的なフルコースを頼んでも、他の国で食べるフランス料理よりも安くあがるのが嬉しいです。また、ローカル食堂でも、マダガスカル料理のおかずはごはん(米)と食べるのが一般的であるものの、しばしばフランスパンが提供されるのも、フランス領を経験した影響です。

中国料理も比較的浸透していて、中華料理を出すお店も各所にあります。屋台の定番であるスプシノワーズは、直訳すると「中国の汁」。ゆでおきの麺やネギをどんぶりに入れ、熱いチキンスープを注いでもらって食べるものです。
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お茶やコーヒー Tea & Coffee

ごはんを提供するお店なら、ごはんを炊いた鍋に水を入れて沸かしたラヌフラ(おこげ茶)も作っていますので、無料で提供してくれます。軽食屋ではカフェ(コーヒー)が定番の飲料です。小さなおこちゃまも焙煎したてのコーヒーを飲む姿を、マダガスカルでは何度か見かけました。
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お酒 Alcoholic Drinks

マダガスカルのビエール(ビール)といえばテーアッシュベー(THB)を是非。普通のピルスナーのほか、レモン味、ミント味、リンゴ味、いちご味のビールもあります。また、フランス領だけあって、ヴァン(ワイン)もおすすめです。マダガスカル産ワインもあります。ヴァングリ(グレイワイン、灰色ワイン)は珍しいので是非お飲みください。
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最後に Acknowledgments

以上、マダガスカル料理について、概観いたしました。

香料やスパイスが入らず、発酵調味料が存在しないマダガスカルの料理は、悪く言えば旨味に乏しく、良く言えば素材の味が生きています。また屋台の小皿の料理も、カフェ(コーヒー)1杯も、ムフガシ1個も、100アリアリ(2015年で約4円)で食べられ、物価の安さは魅力です。ごはんにお肉のおかずをつけて2000アリアリ払ったって80円です。

マダガスカルに行かれる人のお目当ては、かわいいおサルやバオバブの木だと思いますが、どこかで田園風景を見たら、東南アジアの風景を、重ねるように思い出してみてください。東南アジアこそ、マダガスカル人とマダガスカル料理の原点なのですから。

マダガスカル料理に出会えたことと学べたことに感謝すると共に、本稿が、マダガスカルを旅して、マダガスカルの料理を知りたい人の一助になれれば、嬉しく思います。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食】
  • ススア(Sosoa)・・・お粥
  • ファリ、ヴァリ(Vary)・・・ごはん
    • ファリアナナ(Vary Anana)・・・青菜を入れた雑炊
    • ファリアミナナナ(Vary amin’anana)・・・青菜を入れた雑炊
【麺類】
  • コンポゼ(Compose)・・・ゆでおきのスパゲティーと数種類のサラダを盛り合わせ
  • スプシノワーズ(Soupe Chinoise)・・・ゆでおきの麺やネギに熱いスープを注いだもの
  • ミサオ・・・炒めスパゲティー全般
【肉や魚の名称】
  • アクー(Akoho)・・・鶏肉
  • ウンビ(Omby)・・・牛肉
  • キスア(Kisoa)・・・豚肉
  • キトゥザ(Kitoza)・・・薫製牛肉
  • ソシシ(Saosisy)・・・ソーセージ
  • チュンジュ(Trondro)・・・魚
  • ヘナ(Hena)・・・肉の総称
    • ヘナキスア(Hena kisoa)・・・豚肉
    • ヘナヌンビ(Henan’omby)・・・牛肉
【肉や魚のおかず】
  • キモ(Khimo)・・・ひき肉のスパイス煮込み
  • ソシ(Saosy)・・・お肉がトマトなどの煮汁に浸った具合のもの
    • アクーソシ(Akoho saosy)・・・チキンのトマト煮
  • プティケーニャ(Potikena)・・・ひき肉のそぼろ風炒め煮
  • リチャ(Ritra)・・・水と油で煮ながら水分を飛ばしたもの
    • ヘナリチャ(Hena ritra)・・・肉のリチャ
  • モサキーキ・・・串焼き
【野菜・豆・サラダ】
  • ツァラマス(Tsaramaso)・・・インゲンマメの煮もの
  • ラサリ(Lasary)・・・サラダ
    • ラサリコンコンブル(Lasary concombre)・・・きゅうりのサラダ
    • ラサリブアタビア(Lasary voatabia)・・・トマトのサラダ
  • ラビトゥトゥ(Ravitoto)・・・キャッサバの葉を叩いて細かくしたもの
    • ラビトゥトゥシヘナキスア(Rabitoto sy hena kisoa)・・・豚肉のラビトゥトゥ絡め煮
【汁物】
  • ルー(Ro)・・・汁物
    • アクールー(Akoho ro)・・・鶏肉を煮込んだ澄んだスープ
【調味料】
  • サカイ・・・唐辛子ペースト
【飲み物・おやつ】
  • カフェ・・・コーヒー
  • ヤウールメゾン(Yaourt maison)・・・手作りヨーグルト
  • ムフガシ(Mofogasy)・・・米粉や小麦粉を発酵させて焼いたもの
  • ラヌフラ(Rano vola)・・・おこげ茶
【お酒】
  • ヴァン(Vin)・・・ワイン
    • ヴァングリ(Vin Gris)・・・グレイワイン
  • ビエール・・・ビール
    • テーアッシュベー(THB)・・・ビールの有名銘柄

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料理を知る会話 Useful Phrases

マダガスカルはフランス語が公用語ですが、地方の小さな村に行くほどマラガシー(マダガスカル語)のみを話す人が多くなるように思いました。

  • こんにちは・・・マナワーナ、サラーム
  • Good!・・・ツァーラ
  • Very good!・・・テナツァーラ
  • ありがとう・・・ミサウチャ
  • これは何ですか?・・・インナユン
  • この名前は何ですか?・・・イージャノアナラーナ
  • これはいくらですか?・・・オーティニナ、オートリン
  • 1・・・イサ
  • 2・・・ル

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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさにあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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