汚れがよく落ちる、というシンプルライフ

2017/09/20

レシピブログアワード2017受賞記事

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「洗浄」という行為は、食器洗い、掃除、洗濯、シャンプー、歯磨きなどなど、日常生活の大きなウェイトを占めています。お湯だけでシャンプーはしないし、歯磨き粉も毎日使うし、油の汚れを落とすためにもせっけんや洗剤を毎日使う。・・・現代の今、誰だって、「界面活性剤」の使用は絶え間ない欲求であると思います。

しかし消費者が洗剤/界面活性剤を考察するWEB上のページは、リスクを強調するばかりのものが多いですね。

・・・何においても「知らない」よりは「知っている」ほうがよい。法令も、医療や自然科学も、社会情勢の知識も。界面活性剤の正しい知識もそう。「知らないより知っているほうがよい」とは、私がいつも目指す持論です。

何事もイメージだけで語るのはよくないので、今あらためて自分が使っている食器用洗剤と、その存在意義と、自分が描く理想の暮らしについて再学習し、考えてみることにしました。

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台所用液体洗剤には日常生活を豊かにする価値がありますよね。洗剤のないキッチンの苦労を想像すると、その価値を改めて認識することができます。

台所用液体洗剤があると、

  1. 時間短縮
  2. 手間短縮
  3. 楽である
  4. そして

  5. 暮らしが気持ちよい

これらがあいまって、私たちはキッチンに洗剤があることで、すっきりと、気持ちよく暮らすことができています。今日ここに「汚れがよく落ちる、というシンプルライフ」という見出しをつけたのも、その要諦はまさにこれらの点にあります。

しかし私は、家事の中では「食器を洗う」という行為が好きではありません。

理由は

  1. 「食器を洗う」という行為に生産性がない。つまり貴重な時間をたっぷりと費やす価値が低い。
  2. 食べた直後は美味しいものの余韻を感じたい。食後のお茶やデザートや家族との会話を楽しみたい。そんなときにそれを犠牲にしてまで食器や汚れに向き合いたくない。
  3. 食べ終えて直ちに歯磨きをすることに抵抗があるように、食直後に汚れた食器や洗剤に向き合うことに抵抗がある。
  4. 夕食にお酒を飲んだときなど、正直そのまま布団に入ってしまいたい日もある。
  5. これらの意見は家族も同様である。
  6. なのに、食べた直後ほど汚れが落ちるという葛藤がある。もしここで食器洗いを選択すると、美味しさの余韻や会話が犠牲になりストレスである。もし美味しさの余韻や会話を選ぶと、汚れが落ちにくくなりストレスである。・・・って、どっちとってもストレスじゃーん(涙)

※なお、私は食器洗浄機が好きではなく、我が家の生活では考慮していません(理由:食洗機のゴミ除去やメンテを怠る性格である。食洗機が食器洗いにかける時間が長くてエコじゃない。食洗機用洗剤に入ってるビルダー(洗浄補助のための化学物質)がエコじゃない。食洗機を使うほどいつも食器が多いわけじゃない。食洗機を使わずに楽に食器が洗える方法があればそちらを好む。壊れたり新型が出てそっちが欲しくなったときには存在が邪魔でストレスになる)

そして今般、私の理想の暮らしに1つ近づかせてくれる、素敵な商品が新発売されたのです。これは何と言っても、「汚れに向き合う時間 -それは私にとって無駄な時間- が減る」という大きなストレス解消が得られ、すっきりと、気持ちよく暮らす時間が一層得られるものなのです。

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我が家の食器洗い用洗剤は、現在3つです。
1)食器手洗い時のメイン洗剤
「キュキュット 食器用洗剤 ポンプタイプ」(≫こちら

キッチン洗剤

上の洗剤はキッチンのメイン洗剤で、日常的な食器洗いに使います。
購入の動機は容器です。食器を洗うシンクの前方上にタオルバーがあるので、「洗剤の出口が上を向いていないこと)」(タオルと洗剤が接触することがないこと)と、容器が角型で窓枠に無駄スペースなくおさまることが決定打でした。

2)お茶とコーヒー用の洗剤
「ジョイ コンパクト モイストケア」(≫こちら

キッチン洗剤

上の洗剤はアトリエで飲むお茶やコーヒーのカップを主に洗います。我が家にはアトリエやラウンジ等と呼ばれているお気に入りの部屋があり、その廊下に、主人がDIYで食器洗いのシンクを作ってくれたのです。よって油汚れを落とす機会が少ないことから、購入検討要素は洗浄力ではなく、香りの良さと、アトリエのインテリアになじむボトルデザインでした。

3)新発売で気に入った「特別用途」の洗剤
「キュキュット クリア泡スプレー」(≫こちら

キッチン洗剤

これが理想の暮らしに近づかせてくれた新商品です。この記事は主にこの洗剤について記載していきます。

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幼少の私が父親の本棚からよく読んでいた本が「界面活性剤ハンドブック」。私が大学生のときの界面活性剤の学修の場は指定教科書「薬剤学・製剤学」。

※父:有機合成と食品化学の物性研究者。私:薬学部。

この差ざっと15年程度なのに、「界面活性剤って、ずいぶん増えたんだな」って思ったものです。それだけ20世紀の後半は界面活性剤の開発において激動の時代でした。

キッチンで食器洗浄に使う洗剤は、素手で使用することを前提として開発されてきました。界面活性剤を複数配合し、有害作用(環境汚染や手荒れ)の低減と目的とする洗浄効果の向上を実現しています。成分の水へのなじみを促進(ハイドロトロープ現象)するためのトルエンスルホン酸類や、その他粘度や安定化(金属キレート剤等)を付与して研究開発されています。食品衛生法では高い環境分解性を確保するよう規制され、安全性が確保されています。

<食器洗い洗剤における主な界面活性剤>
(構造式は一般構造の例です)
セッケン
洗剤
おそらくセッケン(脂肪酸の金属塩)から始まった人類の洗剤の歴史。

セッケンには致命的な弱点がある。「弱酸の強アルカリ塩=弱アルカリ」という、簡単に言うと金属のアルカリ性が強くて、pHが高い。使用上の問題は、低温で作用減弱、金属イオンと結合して作用減弱、セッケンカスの発生など。

LAS
洗剤
歴史を変えたのはLASだった。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩

「強酸の強アルカリ塩=中性」。よく言う「中性洗剤」を実現した。分解性も高い。よって爆発的に使用されることになる。

アルコール系(ASとAES)
セッケンもLASも「陰イオン」(マイナスイオン)が含まれている。これらの他に、家表法に基づき界面活性剤の表示に陰イオンの文字を使えるものには「高級アルコール」がある。

※家表法=「家庭用品品質表示法」

高級とは(分子内のRに相当する部分の)炭素数が多いという意味だが、アルコール系の界面活性剤は界面化学においては主役でなく、私も今回初めて化学構造式をしげしげと見た。なお家表法に基づき「高級アルコール系(陰イオン)」と表示した場合2種類の界面活性剤(ASとAES)が該当する
AS:アルキル硫酸エステル塩。代表物質がドデシル硫酸ナトリウム。溶解性や洗浄性に優れる。
洗剤

AES:アルキルエーテル硫酸エステル塩(またはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)。低温溶解性や耐硬水性を向上し、起泡性が高い。代表例はポリ(オキシエチレン)=ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム
洗剤

上述のように、キッチン洗剤は界面活性剤を複数配合して効果向上を実現する中、AES混合系では一般に高い相乗効果が期待できる。また、化学物質の危険性を有害性評価と曝露評価に基づいて実施したところAESは良分解性物質と判定された(化審法条件下、製品評価技術基盤機構、2011)。

ベタイン
洗剤
両性界面活性剤、つまりどのpH領域でもイオン化が保たれるため水へのなじみが保たれる。手荒れの原因であるタンパク変性作用や皮膚刺激作用が弱い。AES(アルキルエーテル硫酸エステル塩)との併用で洗浄力を増す。

アルキルアミンオキシド
洗剤
両性界面活性剤。泡立ちや洗浄力を高める。手荒れの原因であるタンパク変性作用が弱い。

さあこのようにして、今私の家で使っている食器用洗剤のおおまかな特徴を見ることができました。界面活性剤に改めて向き合え、理解を深めることができてよかった。

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次は、私が自宅で使っている洗剤を商品別に検証し、どの界面活性剤が使われているのかを確認しようと思います。とはいえ企業開発データは見れないので、消費者側から見えるところ(商品パッケージ)を見ることになります。

※なお直接の容器の表示にはルールがあって、1)製品中の重量が多い順に表示することと、2)含量1%未満の成分は表示義務がない(表示するにしても順不同で構わない)ことになっています。

では私が使う3製品の、製品の直接の容器に表示されている成分を書き出してみます。

※1)と3)の「キュキュット」シリーズはホームページで更に多くの成分を開示しています。製品の直接の容器に書いてなくてホームページに書いてある成分は含量1%未満と判断でき、今回の記事では考察対象外としました。)

1)キュキュット 食器用洗剤 ポンプタイプ
界面活性剤37%
・高級アルコール系(陰イオン)
・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム

2)ジョイ コンパクト モイストケア
界面活性剤29%
・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
洗剤
・アルキルアミンオキシド
洗剤
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル

3)キュキュット クリア泡スプレー
界面活性剤16%
・アルキルヒドロキシスルホベタイン
洗剤

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それでは「私の理想の暮らしに1つ近づく商品」である、新発売の3)「キュキュット クリア泡スプレー」について、気に入った点を写真を添えて書いていきます。

キッチン洗剤

何が素晴らしいって、

  1. 「食事を楽しんでいる間にも汚れが落ちる」
     (→泡が簡単に出せ、その泡に浸けるから。)
  2. 「酔って寝てしまった間にも汚れが落ちる」(笑)
     (→泡に浸けるから)
  3. 「食事の直後に洗う必要がない!!」
     (→泡を浸けたら待つことが前提であるため)
  4. もうひとつ、

  5. 「泡を出す際、洗剤に直接手で触れなくていい」
     (スプレーで泡が出る。スポンジで泡立てるのとは大違い)

など、これらの点で、私の要求に合っているものでした。

◆実例その1:食後の食器洗いが簡単になった件
「ごはん美味しかったー♪」
「ごちそうさまー♪」
さあ次の行動は、食後のお茶を用意、食後のデザートを用意、食器洗いが面倒なら寝る(笑)、などですね。

さあ食器をシンクに下げて、スプレーで泡をシュシュッ!!
あとはお茶でもデザートでも爆睡でも(笑)
ああ何てラクチン♪

食器洗い

こういう状態で放っておきます♪

※なお写真では、泡が器の底に落ちる過程ですでに汚れを落としている様子も映っています。

そして次にシンクに立ったときに軽くスポンジでこすります。元の洗剤の洗浄力が結構長持ちするので追加の洗剤は要りません。

食器洗い

(↑いつもやってることですが、洗ってからすすぐまでの間は食器を伏せるのがMy習慣。)
伏せると洗剤が流れ落ちるのですすぎが短縮できるのです。)

いやーすごい!!多分泡調整剤も含まれているからなんだろうけれど、とにかくこれで洗った食器は
ピッカピカ!
ツルッツル!
さすがだわー、研究開発ってすごいわー、21世紀の洗剤だわー、感激! 基本的に泡だけで汚れを落とすので洗剤使用量(洗剤の減り)は少ない印象があります。それは「時間」の効果ですね。泡と汚れを接触させてから「時間」を置くことで洗浄効果が高まったのでしょう。

ただし、「ツルッツル」になるため、食器をゆすぐ間に食器を落としそうになることが増えました (;^_^A ここは注意しなきゃ。

◆実例その2:調理の道具を洗うのも簡単になった件
油炒めをしたフライパンなど、調理道具には割と多くの油が残りますね。でも大丈夫。高性能泡スプレーにより調理道具を洗うのも超簡単になりました。

調理中、使い終わった道具をシンクに置く。
泡スプレーシュシュッ!

食器洗い

どれも油で汚れたものばかりですが、この状態で放置。次の調理を続けます。
そしてしばらく経ってから、泡をのばすようにスポンジで軽くこする。

食器洗い

(例のMy習慣。泡が自然落下するように洗ったら伏せて置く)

そして流水ですすぐ。
とにかくよく落ちるし、とにかくすすぎも早い、とにかくストレス低減です

泡で汚れを落とすのがウリだなんて、この商品、どれだけキツイ界面活性剤を使っているのかと誤解を招きそうですが、主成分は「アルキルヒドロキシスルホベタイン」。上に書いたことを再掲載すると、手荒れの原因であるタンパク変性作用や皮膚刺激作用が弱いのが嬉しいですし、しかも界面活性剤濃度は我が家の他商品よりも少ないのです。

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最後に。
「キュキュット クリア泡スプレー」(≫こちら)を使い始めて、私の洗剤の使い方全般に「良い変化」がありました。

下の画像は、ある研究発表論文の要旨の一部です。

◆食器洗浄に関する情報提供の教育効果(≫こちら

キッチン洗剤

抜粋しますと、

  • 目的:「食器洗浄に関して、洗剤の適量使用、適切な取扱いなどを教育することで大きな改善が見込まれると考えた。」
  • 手法:「節水に関する情報提供の前後に意識・行動調査(使用水量や洗浄後の食器の残留洗剤量など)を行う。」
  • 結果:「情報提供後では、提供前に比べて、水量、洗剤使用量、残留洗剤量が削減された。」

「情報提供の教育効果」って大事だと思いました。
そして今回私は、この洗剤を使うことで、洗剤から学ぶことがありました。具体的には、水で希釈せず汚れと洗剤を接触させることと、表面積を拡張すること(つまり泡を立てること)、接触する時間を置くことです。このやり方なら少ない洗剤で高い洗浄効果が得られるのです。「キュキュット クリア泡スプレー」は、私に、こんなことを改めて教えてくれた、まさに「教育効果」です。

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また、「汚れが落ちる」ことは私のキッチンを大きくシンプルに変化させました。
汚れが落ちる→きれいになる→楽しい→台所あちこちきれいにする→きれいになる→こまごました洗剤や掃除道具が要らなくなる→シンク下の物(こまごました洗剤や掃除道具)をなくせた→シンク下がガランドウになって超すっきり♪♪

シンク下

ここ、先日まで、可動式2段の棚を入れていて、重曹や洗剤類、掃除道具、ウエス、予備その他、いろいろビッシリ入っていたんですよ。だけどたった1本の洗剤からそれらをなくすことができた。

今あるもの。

  • 左奥:茶渋落としと台ふきん漂白用の塩素系漂白剤入り洗剤
  • 手前左:キッチン掃除の消毒用エタノール(洗剤要らずで汚れ落ちが良い)
  • 手前中央:「キュキュット クリア泡スプレー」
  • 上部:食器洗いの手荒れを防ぐゴム手袋。
  • 右下:砥石。

以上。

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「汚れがよく落ちる、というシンプルライフ」

たった1つの洗剤が、教えてくれた。
洗剤による「教育効果」が、暮らしまでスッキリと変化させてくれた。
モノに溢れる場所がガッツリ減った。
キッチンのシンプルライフがまた1つ実現でき、本当にこの洗剤には感謝しています。

「キュキュット クリア泡スプレー」(≫こちら

キッチン洗剤

レシピブログアワード2017受賞記事



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