大発見!!やっと見つけた!!「大盘鸡」のウイグル語名はターペンジでもよいのだ。

私はこれまで何回か大盘鸡を作りました。これまでは、どうも日本の火力条件のせいなのか、じゃがいもや調理器具の具合が現地と違うのか、コレだと思う大盘鸡を作ることができなかったんです。でもやっと、3年越しの夢が叶って、美味しいレシピ化に成功しました。

この料理の中国語簡体字表記は、以下の通りです。

大盘鸡(ダーパンチー)

「大盘鸡」と書いて、「ダーパンチー」のように読みます。

でも、この料理を名物とする新疆ウイグル自治区では、この料理を「ターペンジ」か「ダーペンジ」のように呼んでいました。ものの順番からすると、私は最初に「ターペンジ」ないし「ダーペンジ」という音を知り、後から中国普通話で「ダーパンチー」のように発音することを知りました。「ペン」と「パン」の違いに違和感を感じたものの、それは私の聞き間違いかな(あるいは人によって言い方が違うのかな)と軽く思っただけで、その後ずっとスルーしてきました。

でも今回、折角ウイグルの料理を美味しく作ることができた記念に、ウイグル文字と発音を検証しようと思いました。そして!!!分かったんです!!!やっぱり「ターペンジ」ないし「ダーペンジ」と聞こえた私の体験は正しかったということに!!!

ここでは、その料理名の検証過程を記事にします。

* * *

まず検証に取り掛かったのは、「新疆でダーペンジと言っていたのは、ウイグル語なのか、漢語なのか、それとも両方なのか」という点です。

◆中国語Wikipedia「大盘鸡」(≫こちら

大盘鸡

中国語:「大盘鸡」
ウイグル表記「قورۇمىسى توخۇ تەخسە چوڭ」
ウイグル語の読み:「chong texse toxu qorumisi」

なんか、ウイグル語だと、ながそーな名前になっていますね。チョンテフセトフコルミシ????

◆英語Wikipedia「Dapanji」(≫こちら

大盘鸡

ウイグル語の読みやすい表記が出てきました。
「чоң тәхсә тоху қорумиси」
これはUSY(ウイグルキリル文字表記)です。ロシア語に似ているというか、発音を示してくれているので読みやすいです。チョンテフセトフコルミシ
ただし、「тәхсә」の「ә」はエとアの中間音となることもあるので、チョンタフサトフコルミシのようになってもよいかもしれません。

意味もありました。
چوڭ(チョン)=大きな
تەخسە(テフセ)=平皿
توخۇ(トフ)=鶏肉
قورۇمىسى(コルミシ)=炒める

鶏肉炒めを大きな平皿に乗せて提供する料理という意味です。それだけの意味を含めているから長い名前になるんですね。なんか、中国語の「大盘鸡」を直訳したような名前です。

◆You tube「چوڭ تەخسىلىك توخۇ قورۇمىسى | chong texshilik tohu qorumisi」(≫こちら

発音を聞くのに動画は役立つので、その、チョンテフセトフコルミシを用いた動画を探しました。ありました。

大盘鸡

あった!!!
0:11 「チョンタスレキトホコルミセ」と言っています!!

ウイグル表記:「چوڭ تەخسىلىك توخۇ قورۇمىسى」
読み方:「chong texshilik tohu qorumisi」
発音:「チョンタスレキトホコルミセ」

・・・しっかし、まだすっきりしないなー。本当に、直訳して単語を置いてったような「チョンタスレキ~」という名称で現地に定着しているのでしょうか?

◆実際の料理メニュー写真を検証する。

現地の料理メニュー写真を記録から引っ張り出してきました(撮影地:喀什(カシュガル))。

大盘鸡

あら! チョンタスレキ~みたいな長い名前になっていないよ?

もうひとつ。別のお店のメニュー(撮影地:塔什库尔干(タシュクルガン))も同様でした。こちらは拡大して掲載します。

大盘鸡

7文字あります。

◆英語Wikipedia「Uyghur alphabets」(≫こちら

文字が分かれば、1つずつばらして検証することができます。

  USY UYY&ULY(※)
د  д  d
ا  а  a
پ  п  p
ه (下参照)
ن  н  n
ج  җ  j(下参照)
ى  и  i

※USY:Uyghur Cyrillic alphabet(ウイグル語キリル文字表記)、UYY:Uyghur New Script(ウイグル表記の新様式)、ULY:Uyghur Latin alphabet(ウイグル語ラテン文字表記)。

ここで、「ه」について
IPA(国際音声記号)では「ɛ」、非円唇前舌半広母音、英語のbedのe。日本語のカタカナ表記なら「エ」。
USYとUYYでは「ә」、ULYでは「e」、IPAのɛやæに相当、IPAのæはエとアの中間。

ということで、「ه」は「エ」~「エとアの中間」あたりの音になる。日本語カタカナ表記では、第一候補として「エ」と置くのがよいだろう。

なお、жとҗの違い。җってロシア語で見ない気がするんだけど、жがzh、җがjの音。IPAだと、жがʒ、җがdʒ。チュとヂュのような。この場合、ディセンダ(下に下がるチョン)がつくと音が重くなるって覚えておこうっと。

よって、出ました。
元表記:「ى ج ن ه ا پ د」
キリル:「и җ н ә п а д」=(右から読んで)ダーペンジ
ラテン:「i j n e p a d」=(右から読んで)ダーペンジ

やはり、私が現地で「ダーペンジ」と聞いたのは、正しかったように思います!!!

* * *

ダーペンジ

ヤッター、やっと作れた!!納得味のダーペンジ!!

すごい作ったなw

だって定義が大皿料理だもん

見た感じ醤油の利いた中華だけど、中華っていう感じの味じゃないよね

別にラグマン味とも近いわけじゃないのにね

でもシンチャンの味になってる。

旨い旨い(もりもり食べる)

シメにうどんを入れるのが定番だよ♪ うどん用意してあるからね♪


レシピは≫こちら。日本の調理条件で作る場合、じゃがいもが煮崩れないように、メークインを使うのがポイントです。

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