チャド料理とスーダン料理の共通項と差異についてスーダン人に質問しました。

2016/02/28

チャドメニュー

これは、先日の日記にも掲載した、チャドの田舎の食堂の看板の写真です。チャドはスーダンと接していますので、スーダン人の友人オスマン氏に、スーダンにもこれらの料理(kabab、nachif(nashif)、Kibda、Marara、Ordvre)があるかどうかを、聞いてみました。あと、私が知らない「Koura」について、どんな料理なのかを質問しました。

* * *

「だいたいスーダン料理と同じだね。
カバブ、ナシーフ、キブダ、マララ。
クラは牛または羊の足を煮込んだスープだよ。
ただ、「ordvre」は知らない(他の名前で呼ばれていない限り)。」

Yes most of them are sudanese
1- kabab
2- nachif
3- Kibda
4- marara
Koura is soup of cow or ship legs
But i do not know about ordvre
Unless it has another name

* * *

チャドとスーダンで、共通する料理を、具体的により見出すことができました!! この写真はチャドのボンゴルという、カメルーンとの国境に近い町(スーダンとは反対側)で撮影しているだけに、驚きましたし、嬉しかったし、・・・でも、当然だという気持ちが再確認さえされました。

このアラブ料理の伝播の主な要因は、ハウサ人という、商業に長けるアラブの民だと思います。ハウサ人は、ヌビア(エジプトやスーダン)方面から西アフリカまで移動した人々。エジプト-スーダン-チャド-ニジェール-マリ-セネガルへ。そしてその周辺国へと、食文化は、徐々に形を変えたとしても、伝播していったのだと思いました。

ちなみに、スーダン人であるオスマン氏が「ordvreは知らない」と言っていたことで、私は、遅れて気が付くことができました。「ordvre」はフランス語かつ日本語化もしている「オードブル」、すなわち前菜です。なぜ気づくことができたかというと、スーダンとチャドで差異を考えたら、その1つは、チャドは元フランス領であり、スーダンはもとエジプトと同じ国かつ英領でもあったこと。すなわち、フランス語あるいはフランス料理の影響の流入が、チャドにはあってスーダンにはなかったのだろうと思ったのです。

エジプト-スーダン-チャド-ニジェール-マリ-セネガル

このハウサ・アラブの一連の流れを、宗主国で区切ると、以下のようになります。

エジプト-スーダン ←ここまで英領
チャド-ニジェール-マリ-セネガル ←ここは仏領

今回、スーダン料理とチャド料理の共通項と差異について、一面をまとめました。オスマンが「ordvreは知らない」と言ったことで、フランス料理の影響が、チャドにはやはり直接的にあるのだろう(そしてスーダンには多分ない)ことも実感できました。



* * *

本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
出典URL付記リンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやTwitterにおける情報の小規模な引用や紹介。
事前連絡出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動や出版等で、当サイトおよび当管理人のもつ料理レシピや写真を活用・使用したい場合(料金は≫こちら)。
事後連絡でもよいのでお寄せ下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。
ご遠慮ください】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用ならびに営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。