【世界20か国朝食！スパイスで地球を感じる・連載第5回スープ編】フランス料理スプドゥポワソン

『スパイスアンバサダー2021』
2021年4月から1年間の活動が始まりました。どうぞよろしくお願いします。さて、4～6月は「スパイスを使う世界の朝食」という、私にピッタリなテーマで、ものすごくテンションがあがります♪♪

わああ、世界って素敵！

＜世界のスパイス朝ごはんの選別コンセプト＞
20回連載で、世界のスパイス朝ごはんとそのレシピを紹介します。選ぶコンセプトは以下の通りです。

家庭の朝食と旅人が得る朝食は違う。正直、旅人基点でないと日本人は世界の料理に出会いにくい。だから基本コンセプトは「旅して出会う世界の朝食」とした。例えば「キューバ旅行気分♪」のように旅人視点を重視した。
主催者選定スパイス17種類のうち最低1つを使用する。
世界246か国を俯瞰してその国にどんなスパイス料理（選定17種類内）があるかを検証し、私がその国でその料理を実食した本物の料理を重視する。
本物重視。スパイスを使った我流アレンジ料理にはしない。スパイスを使うその国の食とする。
その料理がその国で朝食になりうるか、そしてそれはその国の国民食かどうかを検証済みとする。国民食の要件は、traditional、common、あるいはpopular。
スープ編、おかず編、主食編、ドリンク編と、配膳別に各5回ずつ紹介。なお液状のディップ類は主食を食べるためのものならおかずに、汁を飲むならスープに編入。また肉類であっても主食と合体していてそれ一品で食事が完結するなら主食に編入した（例：肉まん）。
各配膳内（5回内）ではメインスパイスは重複しない。
全体を通して（20回内）国は重複しない。

・・・とまあ、壮大な三元三次方程式並みの検証を経て（ここに最も時間がかかったけれど楽しかった）、20レシピを選定しました。

世界の料理って本当に素敵です。

美味しさに香りを乗せて、楽しい時間を一緒に過ごしませんか。
日常に入り込んだワクワクの時間。
嬉しいのは、味も見た目も楽しむ時間。
簡単、美味しい、幸せ。

特別な時間を贈ります。

＊　＊　＊

連載第5回はスープ編（5）・フランス料理の「スプドゥポワソン」です。
南フランス地中海沿岸地方のレシピで作ったお魚の旨味が濃厚に凝集されたスープです。朝市（マルシェ）の食堂で食べるようなスープでもあります。本当に、味付けがフランス料理。本当に美味しかった。しかも材料が簡単。「シノワ」（裏ごし）というフランス料理の技法の実力に、またひとつ料理の腕を上げてもらえ、感謝です。

レシピは簡単です。

『マルシェでも、カフェでも、レストランでも♪　スプドゥポワソン♪』
材料（2人分）：

魚の切り身（※1）: 200 g
玉ねぎ: 1/4個
にんにく: 2かけ
トマト: 1/2個
オリーブオイル: 大2
ベイリーフ: 1枚
水: 350 mL
パセリ: 小さい1枝
キャラウェイ（※2）: 10粒
サフラン: 5本
塩: 小1/2
こしょう: 少々
カイエンペパー: 少々

作業工程：1 時間 10 分

魚を1尾用意する場合、ウロコ、ヒレ、内臓、ヒレの下の小骨の集まり（縁側の部分）を除去し、胴体の骨ごとぶつ切り200 gを用意する。
玉ねぎとにんにくをみじん切りにし、トマトは小さな容器の中でキッチンバサミで切るなどして小さくしておく。
スープを作る鍋にキャラウェイシードを入れ、空煎りし、取り出してすり鉢などで潰しておく。
スープを作る鍋に玉ねぎとオリーブオイルを入れ、弱火で5分ほど、色がつかないように気をつけながら炒める。
にんにくと魚とベイリーフを加え、魚が鍋底にくっつきそうならオリーブオイル少々を追加し、魚の表面を軽く焼く。
トマトを入れ、火加減を中火に上げ、軽く混ぜながら、トマトの酸味を飛ばすように5分ほど炒める。
水、パセリ、キャラウェイシードを入れて強火で煮立て、弱い沸騰を保つ程度に火加減を落として30分煮る。最後のほうでサフランを入れる。
火を止め、骨と身を離し、骨や固形物（パセリなど）を取り出す。
濾し器かザルにスープを通し、濾し器の上で麺棒などで固形分をすり、スープをかけながらすり身をスープに落としていく。小骨が出たらその都度取り除く。
魚の身を濾し終えたら、スープをハンドブレンダーなどを使ってなめらかにし、鍋に戻す（鍋の中でなめらかにしてもよい）。
鍋を中火にかけ、混ぜながら、塩、こしょう、カイエンペパーパウダーを入れて味見をし、塩加減などを好みに調える。
（この間にフランスパンの輪切りにピザ用チーズを乗せてトースターで焼いておいてもよい）
スープが熱くなったら器によそい、（あればフランスパンの輪切りを乗せて）出来上がり。
Enjoy!

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この料理はすごいです。超絶美味。このスープの豊富なとろみは小麦粉などではなく、魚の身そのものなのだから、それだけ旨味が濃いかが想像できます。食べたとき高級フランス料理のオマール海老のスープかと思った。作っている最中から、「わあ、この手の込んだ調理がフランス料理だ」と感動する。南仏の朝市のあの香り。市場の食堂で食べられる新鮮魚のスープは最高。南仏仕立てなのでクリームもバターも使わず、素材の味が見事な仕上がりとなります。ホント、美味しくて、心に新しい感動が芽生えますよ。

私が好きな言葉は、
「料理の向こうに地球が見える」

こんな料理を、フランスの風景に重ね、自宅でもフランス旅行気分を感じられたらこんなに嬉しいことはない・・・。