イスラム教の聖地メッカを擁するサウジアラビアは、長い間外国人の入国を厳しく制限しており、旅人が行きたくても行けない最たる国でした。その閉じた国が突然開いたのは2019年9月の大ニュースで、私は、「人々の暮らしが変容する前に」と解放直後のサウジアラビアへ旅立ちました。
「Maps me」(マップスミー)というオフライン地図ソフトで、観光した場所をピン留め。
これが私のサウジアラビア旅の軌跡です。
なかなか頑張りましたね (^^)v
現地で数々の素敵な料理に出会う中で、とびきり感動する料理がありました。それは大富豪の家のキッチンで女性たちが作るマルグーガでした。
みなさんはカレーうどんが好きですか? きっとカレーうどんは多くの人が好きな料理だと思うのですが、まさかアラビア半島にカレーうどんコンセプトの料理があるなんて!!と感動したのです。マルグーガは、汁だくの美味しいカレーの鍋に、ふわふわに延ばした非発酵生地(ラザニアのような広さをもつ生麺)を入れて、まるで麺に汁気を吸わせていただく料理です。サウジアラビアのナジュド地域(首都リヤドなどがあるエリア)で有名な料理ですが、小麦粉料理の発祥メソポタミアはイラクにあり、サウジアラビアはその隣国。メソポタミアの古代から続く小麦文化を感じる素晴らしい料理です。
教えてもらった作り方は簡単でした。つまりは、カレーを作って、生の小麦粉の生地を入れて火を通すだけです。そのときの小麦粉は白くなく、美味しそうな淡い茶色でした。
全粒粉は小麦を丸ごと細かく挽いた、やや茶色い小麦粉です。あのときサウジアラビアで見たマルグーガの生地の色は、まさに全粒粉!!
マルグーガはその美味しさや麺の特性を生かす調理法など、おすすめしたい点がたくさんある美食です。興味があれば、是非作ってみませんか?
材料(4人分):
<マルグーガの生地>
- 全粒粉(※1)
- 150 g
- 水
- 150 g
- 玉ねぎ
- 1個
- にんにく
- 3かけ
- クミンシード
- 大1/2
- サラダ油
- 大3
- 塊肉(※2)
- 300~400 g
- 塩(※3)
- 小2
- ターメリック
- 大1
- クミンパウダーA
- 大1
- コリアンダー
- 大1
- こしょうA
- 小1
- シナモンパウダー
- 小1/2
- トマト缶の中身
- 200 g(※4)
- 野菜類(※5)
- 刻んで丼1杯分
- 水
- 500 mL
- 唐辛子
- 1本
- バター
- 大1~2
- クミンパウダーB
- 小1
- こしょうB
- 小1/4
- <マルグーガ生地の準備>ボウルに全粒粉と水を入れ、ヘラで優しく混ぜて(練らないで!)、水が粉に吸われたらそのまま置いておく。
- <カレーを作る>玉ねぎとにんにくをみじん切りしに、カレーを作る鍋に入れる。
- 鍋にサラダ油とクミンシードを入れて中火にかけ、玉ねぎとにんにくを炒める。
- お肉を2 cm角くらいのサイズに切り、鍋に入れ、塩をふってときどき混ぜて炒める。
- ターメリックパウダー、クミンパウダーA、コリアンダーパウダー、こしょうA、シナモンパウダー、トマト缶の中身を加え、全体を混ぜ、弱火にしてフタをしてしばらく煮る。
- その間に野菜類を1~2 cm角(インゲンなど細長いものは2 cm長さ)に切る。
- 野菜類、水、唐辛子を入れて強火にし、沸騰したら弱火にしてフタをしてしばらく煮る。
- 小皿にバター、クミンパウダーB、こしょうBを入れ、鍋の横に置いて「溶かしスパイスバター」を作る。
- <マルグーガ生地を作る>作業台に打ち粉(分量外)を厚めにふり、マルグーガ生地をヘラで4等分して4か所に離して置き、その上に打ち粉をかける。
- 手に打ち粉をつけて生地をポンポン押しながら、ひっくり返して延びた部位にも打ち粉をつけながら、平たく延ばす。
- 最後は打ち粉をつけながら鍋の直径くらいに延ばし、ひっくり返したボウルや平皿の上に置いておく。合計4枚の生地を作る。
- <仕上げ>カレーを合計で50分ほど煮込んだら味見をし、塩加減やスパイス加減を好みに調える。
- (具が多くて水分があまり見えないようなら具を取り出しておく。)
- マルグーガ生地を1枚広げて鍋に入れ(できるだけ重なりを作らないように)、フタをして5秒待ち、フタをあけて煮汁を上からかけて火を通す。
- 2枚目以降も同様に鍋に入れて火を通す。具を取り出した場合は最後に戻す。
- 全体を軽く混ぜ、フタをして弱火で置いておく。
- 食べる前に「溶かしスパイスバター」を入れて軽く混ぜて出来上がり。
- Enjoy!
※1:全粒粉のほか、強力粉や中力粉で作ってもよいです。
<カレー>
※2:牛肉か羊肉の塊肉があるとよいです。ない場合はカレー用肉などを使います。
※3:現地では乾燥レモンを加えるレシピがあるので、塩漬けレモンの塩を使うとよいです。
※4:トマト缶はカットタイプが使いやすいです。1缶400 g入りの場合、半量を使います。トマトピューレや生トマトを使ってもよいです。
※5:野菜類の幅は広く、かなり自由に選べます。カレーに入れられる野菜類なら大抵OKです。現地では、にんじん、ピーマン、なす、かぼちゃ、インゲン、グリーンピースなどを使います。この写真ではかぼちゃ1/4個、なす2本、赤ピーマン1個、緑ピーマン5個を使いました。
作業工程:1 時間 20 分
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おいしそー♡
お肉やお野菜がごろごろ・・・そして麺もごろごろ入っています!!
写真でスプーンの上に乗っているのがマルグーガの生地です。
* * *
では、作り方を写真で紹介します。
まず、カレーを作ります。
上のレシピどおりでなくてもよく、ちょっと水分が多くてしゃぱしゃぱしたカレーで、美味しいと思える味のカレーなら、どんなカレーでも良いです
全粒粉と水を計量します。
「水、多くない??」と不安になりますが、教わったように作ってみたら本当に大丈夫でした(笑)。
マルグーガは麺打ちをするわけではないので、大丈夫なんです。水餃子のようにもちもちの皮を作る場合は粉に対して水分量46%くらいで作りますが、ふわふわ生麺だから100%で大丈夫です。
ヘラで4分割します。
全粒粉はいい色ですね♪ 手を使わないから手がベトつきません。
打ち粉をたっぷり敷いた上に置きます。
打ち粉も全粒粉です。
全粒粉は表皮(ブラン)や胚芽が入った状態で粉にしているからか、つまり接着力が低いので打ち粉に適しています。
打ち粉をした状態で指先でポンポンと押さえていきます。
薄く平らにします。穴が開いても大丈夫。
ちなみにボウルに乗せた一番手前のものが、重力で端が引っ張られるから一番上手に薄くできました。
素敵な薄さ♪ カレーの煮汁に入れていきます。
カレーの煮汁の中でふわふわ生麺に火が通ります。
【ポイント】マルグーガ生地を入れると生地が水分を吸ってカレーの煮汁が減りますが、煮汁が少ないのが気になるときは水を足してマルグーガを煮て、あとから再度味見をして塩加減やスパイス加減を調えるとよいです。ただしマルグーガはあまり汁だくに作る料理ではないので、水を足すときは少量ずつとし、あまりたくさん加えないようにします。
最後は溶かしバターとスパイスで仕上げてキメる!
マルグーガ完成です♪
全粒粉の生麺はカレーの煮汁を吸って美味しい。
カレーの汁は全粒粉の旨味を受け取り、良いとろみもついています。
* * *
今回、全粒粉の粉を、単に「いつもの小麦粉の代わり」として使うのではなく、「全粒粉でなくてはならない」と思える料理を作りたかった。そしてもう一つ、「料理を通じて世界が見える」ような、世界の学びになるような料理を作りたかった。
その答えが、サウジアラビア料理「マルグーガ」。
本当に美味しいので、興味があれば是非作ってみてください。
※本記事は(1)「日清製粉グループ×フーディストパーク」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)日清 全粒粉パン用 チャック付をモニター提供されたことに基づき執筆するものです。
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