ウェルシュレアビット?ウェルシュラビット?私はレアビットで。

2022/04/06

英国料理に「Welsh rarebit」というチーズソースをかけたトースト料理があります。「Rarebit」はウサギの意味だそう。

さてこの料理名の日本語カタカナ表記はどうしたらいい? ウェルシュレアビット? ウェルシュラビット? 日本語カタカナでGoogle検索をするとどちらも相当に出てくるので、では私はどうしようか、考えることにしました。

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考えるためには根拠が必要なので、Youtubeで動画を見て発音を確認しました。
Welsh Rarebit Recipe(≫こちら

ウェルシュレアビット

2:28 発音を言い分けています。
「Rarebit」「Rabbit」「Rarebit」「Rabbit」・・・と。

これを聞くと、チーズソーストーストを指して「Rarebit」と言う時は二重母音が聞こえる。一方でウサギを指して「Rabbit」と言うときは単母音/短母音です。

All About Welsh Rabbit (or is it Welsh Rarebit?) from 1725!(≫こちら

ウェルシュレアビット

3:58 こちらも発音を言い分けています。
やはりチーズソーストーストの「Rarebit」は二重母音ウサギの「Rabbit」は単母音/短母音です。

ではRabbitがウサギを意味し、決してチーズソーストーストではないのかというと、そうではなかった

英語Wikipedia「Welsh rarebit」(≫こちら

見出しは「ウェルシュレアビット」(Welsh rarebit)です。でも別名が「ウェルシュラビット」(Welsh rabbit)です。

このページに書いてある、料理と料理名情報を私なりに翻訳して抜粋します。

  1. 18世紀頃に、ジョークを交えて「ウェルシュラビット」(rabbit)と呼ばれた。(The original 18th-century name of the dish was the jocular “Welsh rabbit”)
  2. しかし「ウェルシュラビット」とは言っても、実際はウサギ料理ではないので、その後「ウェルシュレアビット」と呼ばれるようになった。(which was later reinterpreted as “rarebit”, as the dish contains no rabbit)
  3. チーズをトーストに乗せるのはウェルシュでも食べられるやり方ですが、だからといってウェルシュレアビットがウェールズ発祥とは言えません。(Though cheese on toast was popular in Wales, there is no good evidence that the dish originated in Welsh cuisine.)
  4. 「ウェルシュ」はちょっと軽蔑的に、下等なり下品なりの意味を込めて使われた。「ウェールズ人ほどに貧しくて愚かな人はチーズ料理を食べてウサギ料理と呼ぶのだろう」と。別説では「ウェールズ人がウサギに近いものとして手に入れられたのは、トーストに乗せた溶けたチーズだった。」とも。(”Welsh” was probably used as a pejorative, chauvinistic, and xenophobic dysphemism, meaning “anything substandard or vulgar”, and suggesting that “only people as poor and stupid as the Welsh would eat cheese and call it rabbit”, or that “the closest thing to rabbit the Welsh could afford was melted cheese on toast”.)
  5. 以降もいろいろなことが書いてありました。

    英国はUnited Kingdom(連合王国)で表向きにはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドが「連合」している国ですが、実態はイングランドが強くて周囲を併呑していった。だから強大なイングランドに比して、弱者のウェールズが象徴された料理になった、とも言えるかもしれません。

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    今、英国料理に「Welsh rarebit」というチーズソースをかけたトースト料理があります。「Rarebit」はウサギに由来する単語ですが、料理名で使われるときはラビットではなく「ウェルシュレアビット」と読みます

    さあ、ウェルシュレアビットを作ってみました。

    写真のとおり、間違いない美味しさ。

    ウェルシュレアビット

    食パンの国英国の、ビール入りチーズソースをとろっとかけた美味しいトーストです。日本の食卓ならパンメインの食事は朝食かと思われますが、英国では昼ディナーでも夜のパブでも食べられています。ビールとウスターソースが入るチーズソースという未経験の組み合わせにはおののきますが、作ってみると、ごくかすかに感じるほろ苦さがベリーグッド!! 作りたての、チーズがとろっとしているうちに、ナイフとフォークを使って是非食べてみてください。

    レシピは≫こちら



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