スパイスアンバサダーの夏の活動テーマは、さっぱり・さわやかな世界のスパイスごはん。この連載では、料理の酸味に着目し、「スパイスを使う世界の酸っぱい料理」のレシピや国のことを10回連載で紹介しています。
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世界の料理って本当に素敵です。
酸っぱい料理はもちろん残暑の疲労回復にも最適!!! そこに、日本料理にはない新しいアイディアが加わると、食の幅が広がり、暮らしの楽しみが広がります。「美味しいものは、誰が食べても美味しいのだから」、それを伝えることは私の楽しみです。
【第9回】柑橘編2)グアム料理「レモンフライドチキン」
懐かしいな。グアムや北マリアナに行くと、民家の庭にはレモンの木がよく植えてあって、そのナチュラルな酸味を年中存分に使えるだなんて、心からうらやましくなるばかり。レモン果汁によってお肉が酸っぱくなったフライドチキンは、ものすごーく美味しいんですよ。

材料(14個分):
- 鶏手羽元
- 6本
- 鶏もも肉
- 小さめ1枚
- 鶏胸肉
- 小さめ1枚
- レモン(※1)
- 1~1.5個(※1)
- 乾燥ガーリック
- 大1
- 塩
- 小1強
- 薄力粉
- 大4
- こしょう
- 小1/3
- 片栗粉(※2)
- 大4
- サラダ油
- 揚げ物に使う量
※1:日本によくあるサイズのレモンで1~1.5個分です。現地の小さなレモンやポッカレモンを使う場合は、レモン果汁として50~60 mLあるとよいです。
※2:片栗粉はコーンスターチの代用です。あればコーンスターチを使うと現地のレシピに近くなります。
作業工程:1 時間
- 手羽元を使う場合は軟骨が見えているところからキッチンバサミの片方の刃を入れて骨に沿って切れ目を入れて軽く開く。鶏もも肉や鶏胸肉を使う場合は4つくらい(あるいは好みの大きさ)に切り分ける。
- バットにレモン果汁を絞って入れ、鶏肉を入れてまんべんなく果汁をつけ、ときどきひっくり返しながら30分漬け込む。
- その間に、乾燥ガーリック、塩、薄力粉をすり鉢に入れてすりこ木ですり、ガーリックの粒や塩の結晶をすり潰す。
- こしょう、片栗粉、薄力粉を入れ、均一に混ぜる。
- (もし衣がゴツゴツ・ザクザクしたフライドチキンが好みなら、バットからレモン果汁小さじ2ほど取り、粉の入ったすり鉢に散らすように入れ、粉をかけて混ぜ、ヘラでダマを小さく潰しながら、極めて細かいダマを多く作る。)
- 揚げ物の鍋にサラダ油を高さ7 cmくらい入れ、160℃(揚げ物の低めの温度)くらいに加熱する。
- 鶏肉をキッチンペーパーなどの上に置いて余分なレモン果汁を落としてから粉をまんべんなくつけ、160℃の油に入れて10~15分、あるいはしっかり火が通るまで揚げる。
- 最後は揚げ油の温度を170℃くらいに上げ、こんがりした色になるように揚げる。
- Enjoy!
これはすごい!!美味しいから揚げができました。「できました」というよりグアムや北マリアナ(サイパン島やロタ島がある島国)のレシピを元に作っただけなのですけれど、日本で普通食べるから揚げは、下味ににんにくを利かせて、食べるときにレモンをかけることが多々あるけれど、このレモンフライドチキンはその逆をいきます。つまり、表面にあるガーリック入りの衣の旨味が口にじゅわっと広がり、後から肉に含まれるレモンの味を感じるので、結果的に「旨味ファースト」で美味しいと思いました。手羽でももも肉でも鶏胸肉でも美味しいので、私は部位をミックスして作って楽しんでいます。
「夏は、スパイスを使った酸っぱい料理が合う!」
これからも、その楽しさと美味しさが詰まったレシピを厳選し、夏に合う、スパイスを使う世界10か国の酸っぱい料理を掲載していきます。次回は最終回で、おまけの驚きドリンクを紹介します。

~アフガニスタン料理、ボラニカチャル

~アルバニア料理、ターブコーシ

~中国料理、酸菜鱼(スアンツァイユー)

~ロシア料理、サリャンカ

~フランス料理、プレオビネグル

~ドイツ料理、ザワーブラーテン

~エジプト料理、ファッタ

~メキシコ料理、ポクチュク

~グアム料理、レモンフライドチキン

~インド料理、ジャルジーラ
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。