今年度もスパイスアンバサダーとして活動いたします。皆様ありがとうございます。
さて、この夏の新しい活動テーマは、「さっぱり・さわやかな世界のスパイスごはん」。酸味に着目し、「スパイスを使う世界の酸っぱい料理」のレシピや国のことを10回連載で紹介していきたいと思います。
* * *
<“さっぱりした料理”とは>
料理における「さっぱり」さとは、1)水分が多い、2)冷たい、3)酸味がある、の1つ以上を満たす料理である。唐揚げにレモンをかけるのは、その3つを全部手早く達成するから「さっぱりする」のです。また、結論から述べると市販の乾燥品としてのスパイスだけではさっぱりさを出すのは非常に困難です。例えば唐揚げやカレーなど、油分が多かったりもったりしている料理に、唐辛子やこしょうをかければさっぱりする? いや、刺激は生じるがそれは “さっぱり” とは違う。カレー粉?シナモン? いや、それも “さっぱり” した料理に変えているとは認識されない。バジル?ミント? それらは、みずみずしい生の葉なら1)水分UPによりさっぱりさを出せますが、香気成分が抜けた乾燥市販品ではほど遠い。
我々は、「さっぱり」した料理を作るために、1)水分の多い食材を使う(例:みずみずしいサラダ)か、2)冷たい料理を作るか(例:冷や汁)、3)酢やレモンで酸味をつけるなどします。1)と2)は水分と温度の問題なので、味付けの点で “さっぱり” した料理に取り組むなら3)酸味がほぼ必須で確実です。
このような背景より、今回の「“さっぱり” した世界のスパイス料理10選」として「世界の酸っぱい料理」を選ぶことに結論が到達しました。
* * *
<スパイスを使った、世界の酸っぱい料理の選別コンセプト>
スパイスを使った世界の酸っぱい料理とそのレシピを紹介します。10か国を選ぶコンセプトは以下の通りです。
- 世界246か国を俯瞰してその国にどんな酸っぱい料理があるかを検証し、私がその国でその料理を実食した本物の料理を重視する。
- 「酸っぱさ」を4つの柱に分けた。連載第1~2回:酸乳編、3~4回:発酵編(※野菜の発酵を扱う)、5~7回:お酢編、8~10回:柑橘編と4大柱を構築する。
- 課題が「世界のスパイスごはん」なので、飲み物やデザートを作らない。おかずを作る(※最後1回だけおまけで驚きドリンクを紹介します)。
- アジア、欧州、アフリカ、米州、オセアニアと、5大陸を含める。
- 本物重視。スパイスを使った我流アレンジ料理にはしない。スパイスを使うその国の食とする。
- 10回連載でメインスパイスは重複しない。
- 10回連載で国は重複しない。
・・・と、このような壮大な検証を経て(ここに最も時間がかかったけれど楽しかった)、10レシピを選定しました。
世界の料理って本当に素敵です。
酸っぱい料理はもちろん残暑の疲労回復にも最適!!! そこに、日本料理にはない新しいアイディアが加わると、食の幅が広がり、暮らしの楽しみが広がります。「美味しいものは、誰が食べても美味しいのだから」、それを伝えることを私の楽しみとして、10回連載で世界の酸っぱくてさっぱりとしたスパイス料理を紹介します。
* * *
【第1回】酸乳編1)アフガニスタン料理「ボラニカチャル」
今ニュースで大きく騒がれているタリバンの国、アフガニスタン。アフガンはペルシャ文化圏で、酸乳(ヨーグルト等)を使う料理の多さに定評があります。

材料(2~4人分):
- トマト缶(※1)
- 1/2缶
- じゃがいも
- 中4個
- にんにく
- 1~2かけ
- 生姜
- にんにくよりやや少なめ
- オリーブ油
- 大2
- ターメリック
- 小1/8
- カイエンペッパー
- 小1/4
- 水
- 1/2 C
- ヨーグルト
- 1/2 C
- 乾燥ミント
- 大1/2
※1:トマト缶はダイスタイプを使用すると使いやすいです。生の完熟トマトがあればそれを刻んで使ってもよいです。
作業工程:30 分
- トマト缶の中身をハンドブレンダーまたはミキサーにかけ、ピューレ状にする。
- じゃがいもの皮をむき、5 mm厚さにスライスする。
- にんにくと生姜を細かいみじん切りにする。
- フライパンにオリーブ油を入れ、にんにくと生姜を入れ、中火で香りが出るまで炒める。
- トマトのピューレ、ターメリックパウダー、カイエンペッパーパウダー、じゃがいもを入れ、じゃがいもにまんべんなく絡めるように、優しく全体を和えるように炒める。
- 水を加えて全体を均一に混ぜ、フタして中火で8分煮込む。途中上下をひっくり返す。
- じゃがいもが柔らかくなって菜箸がすっと刺さるようになったら、もう一度トマトソースをじゃがいもに絡めるように全体を和える。
- 味見をしてトマトの旨味加減を好みに調える。
- もしフライパンに水分が多く残っていたら、じゃがいもを取り出し、残ったトマトソースを煮詰め、再度じゃがいもを入れて絡める。
- 皿に乗せ、フライパンに残ったソースをすべてかける。
- ヨーグルトを小さなボウルに入れ、溶き卵を作る要領で菜箸でなめらかにしてからかけ、上から乾燥ミントを砕いて散らす。
- Enjoy!
・・・今、ニュースで話題の筆頭のアフガニスタンです。アフガニスタンはペルシャ(イラン)の文化圏で、どちらの地域でもヨーグルトの和え物をボラニと言います。特にバンジャン(ナス)やカチャル(じゃがいも)を使ったボラニはアフガニスタン料理の代表的な存在でもあります。塩を一切使わないのにものすごく美味しいです。ペルシャ文化圏の山岳国家の人々に愛される料理を、是非お試しください。
「夏は、スパイスを使った酸っぱい料理が合う!」
これからも、その楽しさと美味しさが詰まったレシピを厳選し、夏に合う、スパイスを使う世界10か国の酸っぱい料理を掲載していきます。どうぞ次回もご期待ください。

~アフガニスタン料理、ボラニカチャル

~アルバニア料理、ターブコーシ

~中国料理、酸菜鱼(スアンツァイユー)

~ロシア料理、サリャンカ

~フランス料理、プレオビネグル

~ドイツ料理、ザワーブラーテン

~エジプト料理、ファッタ

~メキシコ料理、ポクチュク

~グアム料理、レモンフライドチキン

~インド料理、ジャルジーラ
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。