<スパイスアンバサダーの活動報告>
4月・5月のテーマは、いつもの料理がスパイスで新しい味わいになるという趣旨で、10回連載形式で、10通りのスパイスアレンジレシピをお届けしています☆
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第2回は、北アフリカのモロッコの美味しいゆで卵の食べ方、『カムンメハ』です。
私は、長い長い世界旅をしていたとき、欧州第一弾の最後の国をスペインとしました。スペインのアルヘシラスからアフリカ大陸のセウタへと船で渡りました。セウタを抜け、アフリカ大陸最初の宿泊が、アラブの国・モロッコです。当時アラブ圏はラマダン(※)入りしており、日中は食べる物が得られない、そんな状況からアフリカの旅が始まりました。
※ラマダン:イスラム教の暦における断食月。およそ一か月の期間中は、日の出以降日没まで、一切の飲食やその他幾つかの行動が禁止される。
アラブはカフェ文化が強いのですが、単身で外食をするのは男性なので、カフェには日没前から男性たちが集まります。そして、日没のアザーン(※)が聞こえると、皆一斉に待望の飲食を始めます。もちろん空腹を急激に打ち破るのだからお腹に優しいものから食べます。空腹時の最初の食は、甘い物(ナツメや蜜がけの菓子や甘いミントティー)、具沢山スープのハレーラ、そしてルバイとカムンメハだった。
※アザーン:お祈り時刻を知らせるため、モスク(イスラム教の教会施設)が町中に届く大音量で聖職者の肉声を知らせるもの。
このとき初めて食べたモロッコ風味のゆで卵に感激♡
「カムンメハ」は、「クミンと塩」という意味です。クミンと塩で食べるゆで卵は日本の味とは違うけれど、だからこそ、美味しい食べ方を発見できて嬉しくて、私は今もしょっちゅうこのカムンメハの味で卵を食べています。
確かにゆで卵にマヨネーズというのも美味しいけどね。だけど油分をわざわざ追加するのは、健康やダイエットの点では見直すと良いと思う。かといって塩だけというのも味気ないし、塩だけで食べると、その味付けにおいては塩分100%になってしまうから、何かを混ぜることで塩分比率を減らす方が良いわけで。かといって塩こしょうの組み合わせではこしょうがキツすぎる。・・・その点、クミンと塩という、たったこの2つだけのコンビネーションは、油分がなく、塩分摂取比率が下がり、なおかつスパイスがキツすぎずに、ゆで卵がとても美味しくいただけるんです。
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レシピは簡単です♪
材料(3人分):
- 卵
- 3個
- 塩
- 小1
- クミンパウダー
- 小1
作業工程: 15 分
- 卵を小鍋に入れ、卵がかぶるくらいの水を入れ、強火にかけて、沸騰後10分ほどゆでる。
- その間に取り皿に塩とクミンパウダーを乗せておく。
- ゆで卵ができたら流水に当てながら殻を外し、水気を拭き取って皿に乗せる。
- Enjoy!
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ハレーラ(モロッコの具沢山スープ)があると素敵。
カレーを鍋にたっぷり作れる人なら、ハレーラを作るのも、要領が同じなので簡単です。
ホブズ(アラブの薄パン)があると素敵。
特にホームベーカリーで生地をこねれば、作業が実に少ない上に、焼きたての最高の味が食べられますね!
ほらこれは、モロッコのイスラム教徒が、胃に優しい食事としていただくときのスタイルだから、この食事もとても胃に優しい。
その上、このモロッコ風味のゆで卵、カムンメハが、ほんのちょっとの工夫なのにとっても美味しいのです♡
これを読んでくれた方には、このモロッコの風味を、こんなに簡単に取り入れられるのかということを記憶のどこかの片隅でも覚えておいてもらえたら、私はとっても嬉しいです。
【第1回】バルカン半島の美味ハンバーグ『グルマンスカ』
【第2回】モロッコの美味しいゆで卵の食べ方『カムンメハ』
【第3回】イラクは残ったパンの美味しい食べ方を持っている『タシュリーブ』
【第4回】アラブの焼きなすが世界的真価を発揮する『ムタバル』
【第5回】幸せ色のごはん、ターメリックでOK『サフランライス』
【第6回】中央アジアのシルクロード味の雑炊『スユクオシュ』
【第7回】オリエントに広まる感動の肉々ピザ『ラハムバジン』
【第8回】イベリア半島が受け継いだ世界の頂点文化『ピンチョモルノ』
【第9回】南米エクアドルの高Caミルクチーズスープ『ロクロデパパス』
【第10回】「砂糖カルダモン」の実力。スパイスの国のココナッツミルクプリン『ワタラッパン』
※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。