アゼルバイジャン料理を勉強していたときのことでした。アゼルパイジャンはパンが主食で、私も現地ではパンをよく食べていました。アゼルバイジャン語での名前を質問したところ、「チョレーチ」と教えてもらいました。
可愛い円盤パン♪♪ この頃はまだあまりテュルクの文化圏を旅していなくて、大きな円盤パンが感動的で新鮮で、それで写真を撮っておいたんです。
◆アゼルバイジャン語Wikipedia「Çörək」(≫こちら)
私が耳で聞いた発音はチョレーチだったけど、綴りは、「Çörək」。
◆英語Wikipedia「Azerbaijani language」(≫こちら)
アゼルバイジャン語の「k」の発音は、「カキクケコ」の音になるようだ。だから「k」は普通に読めばよい。
だったら、「Çörək」はチョレックになるの? ・・・でも、文字と発音が1対1対応の言語って、知らないなあ。「こんにちは」は文字通りでない発音になり、「こんにちわ」の字面と同じように読まれるし。ロシア語ではアクセントのないo(オー)を「ア」と発音するし。フランス語は読まない文字が多いし、英語は「eight」や「wednesday」みたいに知らないと読めない単語が多すぎるし、スペイン語やイタリア語は「h」を省略したり、etc。ということで、もっともっと、アゼルバイジャンのパンの名称が、日本語カタカナ表記で書けるように突き止めようと、数日時間をかけて、アゼルバイジャンの勉強をしながら、探しました。
そこから、随分時間を遣いました。
◆久しぶりのアゼルバイジャン料理|アゼルバイジャン ライフ(Azerbaijan Life)(≫こちら)
ここには、「(前菜の盛り合わせを)一緒についてくるパン(チョレチ)やラバシなどと一緒に食べます。」と書いてあります。
見つけて嬉しかった。ちなみにラバシはアルメニア方面(ナヒチェバン、グバドリ、ザンギランなど)に多い、紙のように薄い非発酵生地のパンです。「Lavaş」と綴られるので、現地発音を知らない人がインターネットで文字だけ見てカナカナ化したら「ラバシュ」のように書くところ、この記事の筆者は「ラバシ」と、耳で聞いた音を書いてくれています。大変に貴重な情報で、有難いです。
で、同じ記事内で、イースト発酵生地の円盤状パンを「チョレチ」と書いているのです。嬉しかった!! 冒頭のように私が現地で聞いてきたパンの名前はチョレーチでしたから、「Çörək」という綴りでも「チョレーチ」と読まれて、おかしくないのでは?と自信が芽生えてきました!!
◆Youtube「Azerbaijani cuisine – Azərbaycan mətbəxi」(≫こちら)
アゼルバイジャンの伝統料理を各種紹介してくれる、大変に嬉しい動画です。これを見ていたら、、、なんと!!!
0:21 チャバブ
さらに
0:31 チチャチャバブ
それから、
13:19 ランチャラン
わ!!!なんと!!!
英語字幕はそれぞれ「kebab」、「tika kebab」、「Lenkeran」です「Lenkeran」はアゼルバイジャン南部の都市です。これはアゼルバイジャン語表記で「Kabab」、「Tikə kabab」、「Lənkəran」です。
再掲載すると、
上の写真で、「Kabab」を「チャバブ」と言う。続いて「Tikə kabab」を「チチャチャバブ」と言う。
上の写真で、「Lənkəran」を「ランチャラン」と言う。
つまり、
アゼルバイジャンでは「k」が「チャ」の音で話されているのです!!!
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【現時点での結論】
アゼルバイジャン語でパンは「チョレーチ」、綴りは「Çörək」。アゼルバイジャンでは、「Kabab」を「チャバブ」と言い、「Tikə kabab」を「チチャチャバブ」と言うように、「k」が「チャ行の音」になっている。
(ただしアゼルバイジャン全方言に共通する事象かどうかは検証できていない。)
口語的なものなのか、地方の言葉なのか、あるいは日本語で「こんにちは」が「こんにちわ」と発音されるような全土例外ない発音なのかは分からない。だけど、「Çörək」が「チョレーチ」と発音される事実があることは確信できた。
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アゼルバイジャンでよく食べていた、主食の円盤パン。
「チョレーチ」は美味しいです♡ 自宅でも焼き立てをよく作って、よく食べています。