ダラバ

  • チャド料理

  • 現地表記

    :ضراباまたはضرابة(アラビア語)

  • 概要

    :みじん切りオクラのねばねばスープ

ダラバ

ダラバ

ダラバはチャドの国民食。これは主食をちぎってつけて食べるためのもので、具にはよくお肉の角切りが入ります。「ダラバ」は単にオクラ(あるいはオクラパウダー)を意味するもので、そこで私が目指したダラバは、現地に最も普遍的にありそうだと思える国民食級のダラバです。オクラで緑が入り、オクラはとにかく細かくなっており、主食に小石が入ったとしても飲み込めるような咀嚼不要の強いとろみがあり、砂漠の体力維持にも役立つよう油がしっかりと入り、黄色か赤のピマンでアフリカの匂いを出し、マギーで庶民の味付けがなされ、少々のピーナッツバターでサヘル感と茶色い不透明さを出し、少々のトマトペーストでやや赤く、小さく角切りにした肉やモツがごろっと転がってチャドの遊牧文化を語れ、そしてチャド人に「これがダラバです」と言っても恥ずかしくないように努力をして作るダラバなのです。その甲斐あって、このダラバと調理法は後日チャド人に報告して合格を頂きました。

材料

2~4人分):

牛肉(※1)
300 g
玉ねぎ
1個
サラダ油
大4
500 mL
オクラ
20本
マギーコンソメ(※2)
1個
小1/3
フェンネル(※3)
小1/2
コリアンダー(※4)
小1
こしょう
少々
トマトペースト
小2
ピーナッツバター(※5)
大1
ピマン(※6)
1個
  • ※1:牛肉は煮込むと柔らかくなる部位を使います。厚さ2~3 cmほど必要なのと、高級な部位は必要ではないので、スーパーの特売のステーキ肉などがよいです。脂身があってもよいです。そのほかカレー用のカット肉でもよいです。
  • ※2:1 cm角で売られているコンソメキューブです。顆粒コンソメなどその他のもので代用できますが、アフリカではマギーコンソメが広まっているので、マギーを使うとアフリカ味が出ます。
  • ※3:フェンネルパウダーは市販されています。フェンネルホールがあれば自家製パウダーを作ってもよいです。ない場合はクミンパウダーで代用するか、省きます。
  • ※4:コリアンダーパウダーは(葉ではなく)種を粉砕したパウダー状のものを使います。
  • ※5:ピーナッツバターは必ず無糖のものを使います。
  • ※6:ピマンはアフリカでよく使われるコロンとした形の香りの良い唐辛子です。滅多なことでは手に入らないと思うので、なければハバネロ、それもなければ省きます。
  • やっと会えた。アフリカのあのすごい香りの「ピマン」栽培成功!

調理時間

:1 時間

作り方

  1. 牛肉を2~3 cm角にカットする。
  2. 玉ねぎをごく薄切りにしてからみじん切りにする。
  3. 煮込む鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、玉ねぎを入れて混ぜながら炒める。
  4. 玉ねぎにしっかりと火が通り、少し色づき始めたら、牛肉を入れ、引き続き混ぜながら炒める。
  5. 肉の表面が焼けてプリンと弾力が出たら、水を入れてフタをして、中火でぐらぐらと煮る。
  6. その間にオクラをみじん切りにする。まな板の上でねばねばしてまとまるようになるまで、そしてオクラが舌に触らないように、とにかく細かくたたき切りにする。
  7. ときどき鍋の中身をヘラで混ぜて、肉が柔らかくなり玉ねぎが溶けるように煮る。
  8. 肉が柔らかくなったら、マギー、塩、フェンネルパウダー、コリアンダーパウダー、こしょう、トマトペースト、ピーナッツバターを入れ、全体を均一に混ぜる。
  9. あればピマンを入れ、絶対潰さず極力触らずに煮る。
  10. オクラを入れ、常に混ぜながら煮て、完全に火を通す。
  11. 味見をして、とろみの濃さ加減を水で調節、その他塩加減や旨味加減などを好みに調える。
  12. 最後、ピマンを軽く潰して全体を混ぜてピマンの香りを出す。辛いのが苦手ならここでピマンを取り除く。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ここではステーキ肉を使って調理したので下ゆで不要です。現地にはモツを使って作るダラバもあり、その場合は下ゆでしてゆでこぼすとよいです。
  • にんにくを加えるレシピもあります。その場合は1かけ程度を玉ねぎと同様に扱うとよいです。
  • 玉ねぎのカットが大きいと煮ても形が残りやすくなるので、薄切りにしてからみじん切りにすると、ソースが良い仕上がりになります。
  • オクラを包丁で細かくたたくのは、日本料理の「オクラのたたき」と同じ要領です。現地ではオクラのヘタを使う人も多いので、ヘタを使ってもよいです。
  • オクラをハンドブレンダーを用いてみじん切りにしてもよいです。その場合、決して均一なピューレにしてはなりません。よって、連続運転はせず、一瞬だけモーターを回して、場所を変えてまた一瞬だけモーターを回す、といったことを繰り返します。そして、細かくみじん切りになったところからスプーンを使って別ボウルに取り分けていき、大きな塊がいつまでも残らないようにします。また水の一部(例えば100 mL)を使うとハンドブレンダーをまわしやすいです。オクラを包丁でみじん切りにしても、ブレンダーを使っても、10~15分くらいかかると思います。水の一部をオクラのハンドブレンダーに使った場合、煮込みの水分をその分減らして総量が変わらないようにします。
  • マギー(マジー)は現地ではよく使われるコンソメ風調味料です。現地ではまたマギーアロマ(マジーアロム)という中国醤油風調味料が入ったマギー(マジー)もあるので、このダラバに醤油を少し加えてもよいです。
  • この料理は、主食をちぎってつけて、主食がするんとのどを通るように食べるためのものです。よって、主食と同時に食べることをイメージし、塩加減はあまりぼけないほうがよいです。もちろんしょっぱくなりすぎないようにも気を付けます。
  • 現地にはトマトを多く使った赤いダラバもあります。
  • ダラバは生オクラのほか乾燥オクラパウダーを使って作る料理ですが、後者は日本では流通していないので、ここでは生オクラを使うレシピを掲載しています。

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