チャド料理のダラバについて。本当のダラバとは。

2019/04/22

チャド料理ダラバについて知りたい!!と思った。

◆その土地の食、チャド|旅して(≫こちら

ダラバ

料理写真がチャドっぽい♡ これは私自身の作成コンテンツで、写真はチャド現地で撮影した本物です。アシがもち状の主食でムラが煮込み。「主食1+おかず1」の典型的なアフリカスタイルの料理です。あのときは「ムラ」にさえ出会うのが初めてで、それ以上の詳細情報を聞けなかったけれど、今思うにこのムラは、ムラカワルかムラタゲリヤか、ムラダラバか。どれでしょうか。

嬉しいことに私にはチャド人マダムの友人がいるので(しかもフランス語圏でも英語が流暢で料理が好きでFacebookにも投稿するような奇跡のマダム!)、自分で出来ることを調べてから、チャド人マダムとダラバについて話をし、教えてもらいたいと思いました。

でも(行ったことはあるにしても)チャドは未知の国。

パッとネット検索すると、出てくるものは

日本語検索「ダラバ チャド」

ダラバ

料理にチャド感がない

英語検索「daraba chad」

ダラバ

・・・ちがう。

フランス語検索「daraba tchad」

ダラバ

・・・ちがう。
どこを見ても料理にチャド感がない

次の瞬間、スイッチが入る。
よし、やってやるぜ。
気合が入った。

それゆえ、ここから先のネット検索をフランス語を中心に進めていこうと決めた。

* * *

チャドには「チャド語」というものがない。チャド各部族の言葉をまとめるのはフランス語であり、現地のアラビア語である。フランス語圏の国の情報はフランス語で外に出ているものが多く、情報が得やすいはず。私はアラビア語よりはフランス語のほうがまだ分かる。だから、せめてと思いフランス語で取り組んでみることにした。

* * *

◆Wikipediaフランス語版「Cuisine tchadienne」(≫こちら
「le daraba (gombo) ou légume gluant」(ダラバ(ゴンボ):ねばねばした野菜の料理)

◆Wikipedia英語版「Chadian cuisine」(≫こちら
「Daraba is a traditional dish prepared with okra, tomatoes, sweet potatoes, greens, peanut butter (or peanut paste), and additional ingredients.」(ダラバは、オクラ、トマト、さつまいも、緑の葉っぱ、ピーナッツバター(その他の材料も可)で作る伝統料理)

うーん、これだと、「ダラバ」の原義というか、「何をもってしてダラバというのか」が分からない。情報が極めて怪しいじゃないか。まだフランス語版のほうがましじゃないか。

◆Daraba, or peanut buttery vegetable stew (Chad)|Vegventures(≫こちら
「Daraba, or peanut buttery vegetable stew (Chad).」(ダラバはピーナッツバターで作る野菜のシチュー(チャド))。

恥ずかしいことにこのあたりで私の勘違いが始まる。あまりにダラバについてピーナッツバターの記載を見かけてしまったため、「なるほど、ダラバの定義は、ピーナッツバター煮なのね。セネガルのマフェみたいな感じね。」・・・と、結果的に誤りとなることを思い始めてしまったのである。

しかしそれでも「なんか違うんじゃないか。」という疑問が心をずっとよぎっていたのだ。そう思えていたことは非常に幸いであった。

* * *

ここでやめちゃだめだ。
もっと込み入って調べていこう。

◆Expeditionary Culture Field Guide: Chad|Google books(≫こちら

ダラバ

この本はいいですね。チャドで調査研究をするための準備書籍です。ここには「ダラバはオクラスープ」と手短にはっきりと書いています。

◆Dictionnaire des synonymes des mots et expressions des français parlés dans le monde(≫こちら

ダラバ

フランス海外学士院(Académie des sciences d’outre-mer)は、海外のあちこちにフランス語圏があることから、世界各地で使われているフランス語を収集・解析しています。その機関が作成する単語集です。

あった、「Daraba」。
1)生または乾燥のオクラ。
2)生または乾燥のオクラを使って作るねばねばした煮込み料理。

更に、直接ダラバ狙いではなく、興味を持った他のチャド料理の動画を見て、急がば回れ戦法にでたら、

あった!!ダラバヤビス!!

◆Youtube「Moulah Kawal」(≫こちら

ダラバ

2:02、「乾燥オクラパウダー」登場! 字幕は「بامية مجففة مطحونة」
・「بامية」バミヤ(オクラ)
・「مجففة」ムジャファファ(乾燥)
・「مطحونة」マツーナ(挽いたもの)

その別名として「ضرابة يابس」と書いてあるよ!? つまり、ダラバヤビスすなわち乾燥オクラと書いてある!

なおヤビスが乾燥を意味することは、◆Libyan Cuisine and Recipes(≫こちら)のページのフールのレシピで、乾燥豆の記載にFool yabisと書いてあるので誤訳ではないだろう。リビアとチャドは隣接している。もっと言うとチャドのアラブ地域とリビアが隣接している。アラビア語の同一方言であったとしても、超納得する。

OK!!!

ダラバはオクラそのものだ。
ダラバという料理の定義はオクラだ。
ダラバは食材としてのオクラの名称であり、オクラを使ったねばねば料理もダラバと呼ばれるのだ。

ここまでで、実にあれよこれよと手を尽くし、丸1日を費やした。頭脳が疲労してこの日はよく眠れたw

* * *

さてダラバ
オクラどろどろスープなんて、西アフリカも中央部アフリカも、どこにだってある。しかしいざ作ってみたいとなると、味付けや色合いなども確認しないといけない。

現地の写真を見なければいけないな。本物を見なければいけないな。

そう思って、現地の信頼できる画像を探すことにした。

◆インスタグラム「#daraba」
ダメ、ぜんぜん料理が出てこない。「#daraba tchad」も「#daraba chad」もダメ。

◆Twitter
「#daraba」→ダメ、ぜんぜんパッとするのが出てこない。
「#daraba chad」→現地でない人が作るようなものが少しだけ。

やっぱりフランス語だね。
「#daraba tchad」→現地の空気が感じられるダラバの写真が2つ出てきた。

ダラバ

なお、2つの現地写真も、肉入りのダラバです。色は随分違うし、野菜がこんなにゴロゴロと入る印象はないのだけれど(実際、チャド人友人マダムが作るダラバは、野菜の形は残りません)。ともあれねばねばして美味しそうだね♪

あ!あれ!?
右側、「ムラダラバ」(Moula daraba)と書いてある!!

ムラ!!・・・そうか、ダラバはムラの一種なのか!!

◆その土地の食、チャド|旅して(≫こちら

ダラバ

きゃー♡素敵♡ 料理写真がチャドっぽい♡ これは私自身の作成コンテンツで、写真はチャド現地で撮影した本物です。アシがもち状の主食でムラが煮込み。「主食1+おかず1」の典型的なアフリカスタイルの料理です。あのときは分からなかったけれど、今思うにこのムラはムラカワルかムラタゲリヤか、それともムラダラバのどれかでしょうか。

ということで、「ムラダラバ」(Moula daraba)とは、これまでの情報を統合すると、「オクラを使った(=ダラバ)ねばねば煮込み(=ムラ)」という料理になるのですね。

◆Ech Durdoumé bé Moula Daraba(≫こちら

ダラバ

キャー素敵♡ めっちゃチャドっぽい♡ お皿が、上で私がチャドで撮ってきた写真のものと似ていますし!! ここでも、ダラバは「ムラダラバ」と書かれています。

ムラダラバは奥の茶色い煮込みです(※)。お肉が入ってオクラでとろとろ。いいね、こういう料理がサヘル(※)の料理だ。

※手前の白っぽいのはほぼムラカルカンジと断定。またサヘルとは「サハラの淵」すなわちサハラ砂漠南縁の東西に長い一帯を指します。

* * *

さあそろそろ、ムラやダラバのアラビア語を探しにいきましょうね。

ダラバではないのですが、探しているうちに、いい写真に出会いました。
◆cuisine_tchadienne|Instagram(≫こちら

ダラバ

うっわー♡ チャドっぽい♡(もっと広く言うとサヘルのアフリカっぽい♪)・・・で、ここを見ているときハッとした。

Ech be moulah charmoot إيش بي ملاح شرموط」と書いてある。

この、「Ech be moulah」(アシビムラ)はまさに「アシとムラ」じゃないか!! アラビア語が併記されているからアシムラのアラビア語が分かります!
・アシ=「إيش」
ムラ=「ملاح」

別のところにもあった!!

◆Instagram(≫こちら

ダラバ

「この料理の名前は?」という問いかけに、「バミヤ」(بامية)と答える人と、「ダラバ」(ضرابا)と答える人がいた。バミヤはアラビア語圏広域でオクラを意味する。ダラバはチャドのローカル語のオクラだ。

ここまでで、ダラバのアラビア語が2つ出てきました。
ダラバ=「ضرابة」
ダラバ=「ضرابا」

チャド人マダムに質問すると、「どっちの綴りでもいいけど、私はこっちかな」と片方を指してくれました。彼女はワダイ人でアラビア語は母語でない(※)。つまり現地の人にも綴りに揺らぎがあると思われました。

※再掲しますがチャドは公用語がアラビア語です。母語でなくても公用語として、学校に通える層以上の人はアラビア語を習得しています。

それに、この写真、オクラのねばねばがたっぷり出ていて、お肉もやわらかそうで、美味しそうね♡

しばらくネット検索を続けていると「ويك」も出てきた。ウェイカか、懐かしい。スーダンの呼び方だね。

* * *

もうひとつ確認したいことがあります。
それは「ダラバは何語か」についてです。上のチャド人との会話でも、アラビア語であることは分かったのですが、自分でも何語なのかを突き止めてみたいと思います。正式な言語が分かればチャド内のどの地域の料理なのかを掴む大きなヒントになると思うからです。

今までの調査でも、フランス語でも正規アラビア語ではないことは分かっています。チャドのローカル言語は100以上あると言われるそうですが、あまりマイナーな単語が国中に広まることもないので、フラニ、ザガワ、ハウサなどのオンライン辞書を探して、オクラをダラバと呼ぶ言語を探しました。

・フラニ語(≫こちら):baskooje
・フラニ語(≫こちら):guwalto
・フラニ語アダマワ(※)方言(≫こちら):baskoje
・カヌリ語(≫こちら):guwalto
・ハウサ語(≫こちら):kubeewa
・ブラ語(≫こちら):mizha

※アダマワ:ナイジェリアカメルーンチャドの接するあたりすなわちおそらくチャド湖周辺部。

うーん、パッとしないなぁ。なお、カヌリ語にダラバという単語があるがモロヘイヤとは関係ないと言及されていました。(≫こちら

ダラバ

「The Hausa have a name for the wild form, tungurnuwa, and the cultivated form laaloo. This has been borrowed into Fulllde as lalo. Another Hausa name, malafiya is likely to be a borrowing from the Arabic mdukhiya. The Kanuri names, gamzriino and daraba do not seem to show any links with these.」(カヌリ語のgamzriinoとdarabaはハウサ語やフラニ語でモロヘイヤを示す単語とは一切関連しないようだ。)

そうしているうちに、見つけました。
ザガワ語です。

◆Beria [Zaghawa] dictionary(≫こちら
ザガワ語(地元ではベリア語と呼ぶ)はサハラ語だ。チャド中部からスーダン西部ダルフールにかけて100万人以上の話者がいる。

ダラバ

「ザガワ語でオクラはニャリと言う。参考:アラビア語ではダラバと言う。」

出てきた!!

そうか、ザガワ語地域のアラビア語か。
すなわち、
アラビア語チャド方言ということか!!

ダルフール地方のアラビア語は、Wikipedia「アラビア語チャド方言」(≫こちら)の図のように、上述のカヌリ語の地域(アダマワ)からチャドを経てスーダン西南部まで広がるようだ。

ダラバ

◆A grammar of Darfur Arabic(≫こちら

ダラバ

そのダルフールアラビア語の資料の中の記載として
・ウェーカ:オクラソースまたはオクラパウダー(weːka:okra sauce/powder)
・バーミャ:オクラ(baːmja:okra)
・ダラーバ:オクラパウダー(darːaːba:okra powder)
ダルフール地方はアラビア語スーダン方言とチャド方言が混交するのでウェーカとダラバが混交している。また、オクラとオクラパウダーを使い分けられることも分かった。

ということで、ダラバはアラビア語チャド方言である可能性が非常に高くなった(※)。

※スーダン東部カッサラに住む現地の友人に聞いたところ(他のチャド-スーダン共通料理は知っているが)ダラバという料理名は知らないとのことだったので、アラビア語スーダン方言ではダラバではなくウェイカの名称が使われるのだと思われる。

* * *

次は、やっと、レシピだね。

◆Daraba|Tchad virtuel(≫こちら
目次には「ダラバ、チャドの毎日の食事」(Daraba, le repas quotidien du Tchad)と書いてありました。「毎日の食事」っていうのがとってもいいね!

材料はオクラ(生または乾燥)。野菜は入れるならトマトその他、調味料は塩、ピーナッツバター、マギー、ピマン(アフリカ唐辛子)。
やっと会えた。アフリカのあのすごい香りの「ピマン」栽培成功!

概要を抜粋しますと、
「オクラは具ではなくソース自体の材料となる。シャパシャパしないように、もち状の主食によく絡まるように作る。ベジのソースでもよいが肉入りのソースに仕上げてもよい。新鮮なオクラの場合はとにかく細かく刻むこと。そして熱湯に入れ、他の調味料を入れる前に十分に煮る。塩、ピーナッツバター、マギー、ピマンなどの調味料を入れるのはその後で。ハングリーギャップ(période de soudure、※)を除きオクラだけで調理することはまずしない。」

※ハングリーギャップは野菜収穫がない時期の意味。日本の農作物栽培の例では春のマメ類と初夏の根菜類の合間など。

◆Youtube「Dry Okra Sauce」(≫こちら

ダラバ

英語タイトルは「オクラパウダーを使った煮込み」だが、アラビア語併記で「ملاح ضرابة يابس」ムラダラバヤビス、乾燥オクラで作る煮込み)と書いてある。「赤いウェイカ」と書いてある。そうか、わざわざ赤く作ったのか。

なおアラビア語からの英語字幕でミス?と思う誤記を見つけた。クミンとフェンネルを混同しているのではないだろうか。クミンは「كمون」(カムン)でフェンネルは「شمار」(シャムラ)だ。アラビア語字幕のほうが正しいだろう。

さらに◆Wikipedia英語版「Chadian cuisine」(≫こちら)に書いてある「ダラバはピーナッツバター煮」という表現もやはり違う。このダラバの動画ではピーナッツバターを使っていないからだ。ダラバはオクラ(またはオクラパウダー)。これでいいのだ。

* * *

最後に、自分が実際に調理するために、私がここまで頑張って見てきた画像のうち、私が選ぶベストなダラバの画像を選んでみようと思います。

今まで見つけた画像ではこれが現地っぽい♪

ダラバ

これも参考になる。(オクラだけではこんな色にならない気がする。自分で作るならもっと透明感をなくし茶色みを帯びさせたい。)

ダラバ

Facebookで見つけたこれも参考になる(自分で作るならもっと繊維を断ち切りたい)。(≫こちら

ダラバ

もういっこFacebook画像、この8番も素敵ですね。

ダラバ

ここで「あなたのお好きな料理は、どれ!?」(Quel est votre plat préféré?)という質問に8番を選ぶ人は多く、ダラバが多くの人に好まれる料理であることを確信しました。

あと、大事なことですが、そしてここには掲載しませんが、チャド人マダムに彼女の手作りのダラバの写真を見せてもらって、作り方手順も教わった。私は、ちゃんとダラバをつかんだと思います。彼女に聞くためにも、それまでの事前学習を頑張ってきたのですから。

よし、腑に落ちるところまで調べた。やれることはやった。私の心に響いたベスト画像をお手本に美味しいダラバを作ってみよう。なお上のレシピや動画により作り方の手順は参考にするとしても、調味料は、トマトは少しにとどめ、ガーリックペーストもまずは入れないでみよう。赤いダラバも緑のダラバもあるが、お肉のチャドらしく緑が混じりながらも茶色みを帯びるようなダラバを作ってみよう。

そう、この画像が、やっぱり私が最初に作ってみたいダラバです。

ダラバ

* * *

調査は以上です。
ここまで調査するのに丸3日かかりました。ものすごく時間を費やしたけれど、やって良かったと思ってる。だってこんなことをこうして調べられる人なんてそうそういないはずだから。

ネット検索全般に言えることだが、やはり調べるには能力が必要だ。その能力とは単に語学力などを言うのではなく、なんというか「限界まで本物を知りたい気持ち」なのだと思うのです。私には語学力が乏しくても地球地理の基礎知識が乏しくても、「本物を知りたい気持ち」が強いことが地味な作業の連続でしたが今回の成果につながったのではないでしょうか。そこに、フランス語とアラビア語が少々読めることと実際にチャドに行ってチャド及び文化が良く似た北スーダンで似た料理の数々を実際に食べていることも強みになりました。大好きなチャド人マダムがいてくれて、こんなに心強いことはありません。

でも一番大事なのは、気持ちです。
目標を高く持つことです。

仕事にしても家事にしても「自分の目標ライン」は重要です。家をピカピカにする目標と気持ちがある人に掃除道具と時間を与えたら家はピカピカになるでしょう。その目標がない人には贅沢に道具を与えても家をピカピカには出来ないでしょう。

だから、
目標ラインが目先にある人の検索能力は低い。
よって、
目標ラインが高い位置にある人の検索能力は高い。
のだと思うのです。

今回の私の目標ラインはなかなか高かったように思います。そりゃあそう思わないと貴重な時間を何日も費やせません。行ったことがあるとはいえ未知なる国チャドに尊敬を込めました。チャドはアフリカで一、二を争う秘境の国。そこに、苦労を伴っても再度行きたいと、美しいサヘル文化への夢を膨らませました。見知らぬ料理だからこそ真剣に慎重に。いい加減な調べ方はしたくない。だから時間はかかりましたが、ダラバのもつ言葉の意味も分かりましたし、やっと、現地の人に見てもらっても恥ずかしくないダラバを作っていけると思えるようになりました。この「思えるようになりました」という水準に到達し、目標ラインをちゃんと超えることができたのが、今回の調査において得た私の成果です。

* * *

ではこの記事の要点をまとめます。

【まとめ】

  1. 「ダラバ」は生のオクラ、乾燥オクラ、そしてオクラでねばりを出した煮込み料理を指す。
  2. 「ダラバ」の綴りは「ضرابا」と「ضرابة」が確認された。
  3. 「ダラバヤビス」(ضرابة يابس)は乾燥オクラ。
  4. 「ムラダラバ」(ملاح ضرابة)はオクラでねばりを出した煮込み。
  5. ダラバはアラビア語チャド方言である可能性が非常に高い。
  6. 必須の材料はオクラ。ピーナッツバターは必須ではないしダラバの定義にもあたらない。
  7. 個人的に目指すダラバは、現地に最も普遍的にありそうだと思える国民食級のダラバであり、オクラで緑が入り、オクラはとにかく細かいみじん切りになっており、主食に小石が入ったとしても飲み込めるような咀嚼不要の強いとろみがあり、砂漠の体力維持にも役立つよう油がしっかりと入り、黄色か赤のピマンでアフリカの匂いを出し、マギーで庶民の味付けがなされ、少々のピーナッツバターでサヘル感と茶色い不透明さを出し、少々のトマトペーストでやや赤く、小さく角切りにした肉やモツがごろっと転がってチャドの遊牧文化を語れ、そしてチャド人に「これがダラバです」と言っても恥ずかしくないように努力をして作るダラバである。

ダラバ

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しかしねw

・・・昔は随分とアラビア語の文字に格闘していたし読めていたんだけど日本にいると使うことがなくて多くを忘れちゃう。フランス語もやらないと読めなくなるな。だけど、今回こうしてアラビア文字とフランス語に徹したから、随分と楽に読めるようになってきた。やっぱり時々はこうしてのめりこんで勉強しなくちゃいけませんね。

* * *

で、ダラバを実際に作りました。

ダラバ

ダラバ

この写真と共に、私はチャド人マダムに御礼と報告をしました。彼女は日本人が家庭でこれを作ったことに極めて驚いて、喜んでくれ、彼女の持っている広報ページに掲載(!)までしてくれました。・・・認めてもらえた。やっと恩返しができた気がする。チャド人にチャド料理を認めてもらえた。嬉しい・・・。

レシピは、≫こちら

* * *

ではこれからも、世界の本物の伝播に向けて頑張ります!!応援宜しくお願い致します。



* * *

本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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