アズ

  • ロシア料理

  • 現地表記

    :Азу(ロシア語、タタール語)

  • 概要

    :牛肉とじゃがいもとトマトのスパイシー炒め煮

アズ

アズは代表的なタタール料理であり、ロシア国内ではよく見かけるおかずの1つでもあります。ナチュラルな味わいのロシア料理の中では、ウズベク料理、ジョージア料理、タタール料理はときに異色のスパイシーさを発揮し、そしてそれがロシア料理の幅を広げています。タタールについて大雑把に解説すると、地図でカスピ海を見つけ、そこから真北を見ると、首都モスクワと同緯度くらいの高さのところにカザン、そこから若干南にサマーラという都市を見つけることができ、それらの都市沿いにボルガ河を見つけることができます。そのあたりはロシア語とはまるきり系統の異なる言語を話しイスラム教を信仰するテュルク系の人々 -ボルガタタール人- が住まい、素晴らしい文化を育んできました。アズは、きっと作られ始めた当時は、異国のじゃがいもやトマトや唐辛子を使い、でもだからこそ美味しいごちそうだったのではないかと思います。今は普段の家庭料理でもあります。

材料

2人分):

じゃがいも
2~3個
サラダ油
適量(※1)
牛厚切り肉(※2)
150 g
玉ねぎ
1/2個
にんにく
1かけ
きゅうりのピクルス
5 cm
トマト缶(ダイス、※3)
100 mL(※3)
小2/3
こしょう
小1/4
唐辛子粉(※4)
小1/4
具がひたひたになる量
  • ※1:サラダ油の使用量は、拍子木切りのじゃがいもをフライパンに入れて少なめの油で揚げ焼きにする量を使います。フライパンのサイズによって変わります。
  • ※2:牛肉は厚みが必要なので、安いものでもよいのでステーキ肉を使うとよいです。
  • ※3:トマトピューレを大さじ2~3杯使ってもよいです。日本ではトマト缶のほうが入手しやすいので、ダイスのトマト缶の中身を100 mL使うレシピとしました。
  • ※4:唐辛子粉はカイエンペパーパウダー、レッドペパー、一味唐辛子などを使います。辛さは好みにより加減します。

調理時間

作り方

  1. じゃがいもの皮をむき、1.5 cm幅の拍子木切りにし、水にさらす。
  2. すべてのじゃがいもを水洗いしたら、ザルにあげ、乾いた清潔なタオルの上にあけ、タオルで押さえて水気をよくふき取る。
  3. フライパンに、鍋底がかろうじて覆われるくらいの量のサラダ油を入れ、じゃがいもを入れて中火にかけ、ときどき返しながら表面がカリっとするように焼く。
  4. じゃがいもの表面が全体的にカラっとしたら火を止めて、じゃがいもをキッチンペーパーの上に取り出す。
  5. 牛肉を1口ステーキサイズあるいは太めの棒状に切り、玉ねぎを薄切りにし、にんにくときゅうりのピクルスを薄切りにする。
  6. フライパンにサラダ油が大さじ1杯分くらい残るように、余分をスプーンですくい出す。
  7. フライパンを中火にかけ、牛肉を入れ、表面を美味しそうに焼き、玉ねぎとにんにくを入れて炒める。
  8. トマト缶の中身、きゅうりのピクルス、塩、こしょう、カイエンペパーパウダーと共にフライパンに入れ、トマトを潰しながら炒め、玉ねぎが透き通ったら水を具がひたひたになるくらいに加え、水分を飛ばしながら煮詰める。
  9. 煮詰まってきたら水分がやや残っているうちに味見をし、塩加減、こしょうや唐辛子のスパイス加減などを、くっきりとしてぼやけないような味に調える。
  10. じゃがいもを入れて全体を絡め、5分ほど混ぜながら炒めてじゃがいも味をなじませて出来上がり。
  11. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 現地ではアジカ(唐辛子が入るミックススパイス)を使うレシピもあります。
  • 味見をするときに、あとからじゃがいもが入ることを想定して、きっちりくっきりとした味にしておきます。
  • 現地でもブイヨンを加えて煮詰めるレシピがあるので、水を加えるとき、コンソメ顆粒など肉系のダシの素を加えてもよいです。
  • きゅうりのピクルスにディルなどのハーブが浸かっている場合、それも刻んで加えてよいです。

Tips about cuisine

  • 「アズ」のロシア語(ロシアの公用語)及びタタール語(タタール人の言語)の綴りは「Азу」。
  • 「Азу」(アズ)は食べ物を意味するタタール語である「Еда」(イェダ)に由来するという説がある。
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