【特定原材料等28品目不使用レシピ】みんなで一緒に食べたくて。食物アレルギーフリーカレー

2022/05/03


【スパイスアンバサダー2022】の活動として、4~5月は「目的別の美味しいスパイスカレーレシピ」を掲載しています。

私がこのシリーズの中で是非とも取り組みたかったテーマが、

多くの人に優しいレシピ

本当に素敵ですよね。

具体的な手法として取り組んだのが、

特定原材料等28品目不使用レシピ

です。

だっていつも不安だったのだもの。いつも、地域イベントを開くときや、我が家に来客が来てお料理をお出しするときなど、作る料理について、「食物アレルギーで食べられなかったらどうしよう…」と不安になってしまうから。その都度私は、アレルゲンが極力入らないレシピについて、考えてきたのです。

* * *

我が国には特定原材料制度があります。

これは我が国における発症数や重篤度から勘案して生命や健康の危険となりうる材料を指定し、食品衛生法に基づいて販売食品や施設献立の表示を義務付ける制度です。主には(体質により)アレルゲン(アレルギー反応誘発物質)となるもので、気管支収縮から呼吸を阻害して死を招くなどのリスクが周知されているものです。表示義務付けが7品目、それに準じるものが21品目。合計が28品目あります。

<特定原材料7品目>
えび、かに、小麦、そば、卵、、落花生
<準じる21品目>
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉くるみごま、さけ、さば、大豆鶏肉バナナ豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんごゼラチン

<このうち自作または外食のカレーで注意が必要なもの>

  • 小麦、ゼラチン(とろみをつける)
  • 乳(ヨーグルトやバターなど風味と旨味をつける)
  • 牛肉、鶏肉、豚肉、いか(美味しい具材になる)
  • カシューナッツ、ごま、くるみ(旨味ととろみをつける)
  • りんご、バナナ(自然な甘みと旨味をつける)
  • ごまや大豆(市販のカレールウに配合されているのを見かける)

* * *

美味しいカレーを楽しく食べるなら、みんなで一緒に食べられたらいいなと思いますよね材料をすべて自分が選べるスパイスカレーなら、それが実現できると思うのです。だからスパイスカレーは魅力的です!

正直、日本市販の三大肉類が全滅なので(鶏肉×、牛肉×、豚肉×)、肉類が入らなくても美味しくて、健康にも気遣った素材を探すことが一番の楽しみかつ課題でした。噛みごたえもあって、食べごたえもあって、旨味もある食材・・・。しかもそれが、「お肉がダメならアレにしようか」とか、そういう後ろ向きな探し方じゃなくて、「お肉が入っていない寂しさを感じないくらい絶品美味しい食材」として、前向きにポジティブにカレーに合う食材を探しました。

この答えのひとつとして思い浮かんだのが、たけのこです。

* * *

たけのこカレー

heart『特定原材料等28品目不使用レシピ♪ みんなで一緒に食べよう♪ たけのこカレー♪』
材料(2人分):

たけのこ(※1)
400 g
玉ねぎ
1個
トマト
1個
青唐辛子(※2)
1本
サラダ油
大3
クミンシード
小1/2
マスタードシード
小1/3
チューブにんにく(※3)
小1/2
チューブ生姜(※3)
小1/2
ターメリック
小1/2
コリアンダーパウダー
小1
カイエンペッパーパウダー
小1/2
クミンパウダー
小1/3
小2/3
200 mL
パクチー
刻んで大2

※1:水煮も可ですが、旬のたけのこを下ゆで(あく抜き)したものを推奨します。
※2:青唐辛子がない場合はししとうで代用するか、それもない場合は省き、辛さが減る分をレッドペパーパウダーなどで補います。
※3:市販のチューブにんにくやチューブ生姜の特定原材料等表示を事前に確認するとよいです。ハウス食品の「本香り生しょうが」と「本香り生にんにく」は特定原材料等不使用であることを確認済みなので推奨します。

作業工程:20 分

  1. たけのこ(下ゆで済みのもの)を2~3 cm角に切り、玉ねぎとトマトを薄切りにしてから2 cm長さに切り、青唐辛子を小口切りにする。
  2. カレーを作る鍋にサラダ油を入れて中火で熱し、油がしっかりと熱くなったらクミンシードとマスタードシードを入れ、何割かはじけたら玉ねぎをかぶせるように入れ、青唐辛子を入れて全体を混ぜる。
  3. チューブにんにくとチューブ生姜を加えて炒める。
  4. トマト、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダー、カイエンペッパーパウダー、クミンパウダー、塩を加え、トマトを潰しながら炒める。
  5. たけのこと水を加えて強火にし、大きなトマトがあれば潰しながら汁気がソース状になるように煮詰める(水分は減らすが乾かないようにある程度残す)。
  6. 味見をし、塩加減やスパイス加減などを好みに調える。
  7. 好みで刻んだパクチーをトッピングして出来上がり。
  8. Enjoy!
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たけのこカレー

美味しーい!!

たけのこカレー♪ 日本人としては実に嬉しいカレーです♪

このカレーの「画期的」&「美味しい」ポイントをまとめます。

  1. 特定原材料等28品目不使用なので、おもてなしにもふるまいにも優しい料理です。
  2. レシピ記載の「チューブにんにく」と「チューブ生姜」は、例えばハウス食品より市販の「本香り生にんにく」と「本香り生しょうが」で28品目不使用であることを確認済みです。
  3. とろみを出す小麦、ナッツ類、ヨーグルト、小麦粉など特定原材料等に該当する材料を使っていませんが、ほどよい煮詰め具合にすることで食べやすさを損なっていません。
  4. 肉類は牛肉・鶏肉・豚肉のいずれも特定原材料等に該当するアレルゲンなので、これらを使うことなく食べ応えと旨味を出せるたけのこを採用しました。自然でナチュラルで大変に美味しいです。
  5. 野菜がたっぷり摂れるコンセプトにも叶って、嬉しい一皿です。
  6. 竹は、実は民家や農地をむしばむ有害植物です。根がコンクリートやアスファルトの下に伸びてくると下から突き破るほどです。竹の発芽部分であるたけのこを適切に食べることで地域環境の破損を防ぐことができるので、ひいては地域づくりや地域活性化に貢献できます。

* * *

実はこういうたけのこカレーは、インド北部のシッキム地方などのチベタン地域(チベット文化圏)でよく食べられているんですよね。写真中の「Tusha curry」(トゥシャカリー)はシッキム語で「たけのこカレー」という意味です。

蛇足ですけど、チベタンはチベット仏教に基づく生活習慣をもち、日本にとても近い文化があるんですよ。数字の1~5は日本語では「いちにさんしーご」で、チベット語では「ちーにすんしーが」! って言うんですから。こういうふうに、文化の根底がどこかつながっている地域のことを偲んで、国際理解の一助となるのは有意義ですよね。このたけのこカレーも、美味しさの理解や味覚が、世界の異文化地域の人々と我々が、どこか根底でつながっている証しなのだろうと思います。

* * *

本記事ではアレルギーフリーを目指し「みんなで一緒に食べられるレシピ」の実践として、特定原材料等28品目不使用レシピを考案しました。これがひいては、食物アレルギーをもつお子さまの保護者の方、保育所や学校の関係者、イベントを企画する方、大勢がいる施設で日々の食事を作る調理者の方々などのお役に立てれば幸いです。


※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。



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