作物栽培の本を読むと、ほとんどのものに、「野菜植え付けの前は、石灰を混ぜ、鶏糞/牛糞を混ぜる」と書いてある。でももう鶏糞や牛糞は買わなくてもいいんじゃないかなと、今は思っています。なぜならば、鶏糞や牛糞を買って菜園の土に混ぜることを何度か行ううちに、そうして加えた栄養は、自然なことではないような気がしたからです。
そして、家族とも話をして、鶏糞や牛糞を買うのをやめることにしました。主な理由は以下の通りです。
- その鶏や牛の素性が不明である。薬物を服用していることも多く、もし抗生物質を使っていたらその糞は土壌細菌叢にダメージを与える。
- キッチンコンポスト、雑草コンポスト、バイオトイレ、落ち葉堆肥、木草灰などを取り入れた暮らしをしている。
- 良い腐葉土ができるスポットが近所に幾つもある。
- 雑草を除去し続け、養分を他の植物に吸われない努力をしている。
- その結果として、今、野菜が元気に美味しく育っている。
上の写真は、キッチンコンポスト。下の写真はそこに入れたキッチンの生ごみが土に還った図です♪
キッチンの生ごみは、主に、野菜の皮やヘタや根、魚や肉の骨、魚の血や内臓、茶葉、卵の殻などです。ときどき米ぬかや砂などを足して混ぜていくことで土に戻った状態です。ここまで変化すると、おお~やってよかったね~って思いませんか! 人が健康になるためには栄養ドリンクではなく日々の食事をきちんとしようということと同じで、良い土を目指すには肥料投入ではなく土に自然の循環を取り入れようと、いつも思っています。
でもホントきれい。元生ごみだなんて気がつかないほど、いい土になりました。でも地面の土じゃないんですよ、もともと台所にあった食材なのですよ。養分がいっぱいありそうに見えますよね。自然から得られたものは、こうやって土に戻っていきます。
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一番大事だと、私が思うこと。
自然とは循環と共存です。植物や動物が自然界のものを食べ、排泄し、死ぬと分解されて土に還ります。土に還すためには土壌細菌や真菌がいて、それらの菌類と競合や共栄をする生物や植物がいる。
自然の土壌が循環から栄養を得ることは、人が食事をきちんと摂るということに似ていると思います。ビタミン剤を飲むより食事をちゃんとするほうが良いように、土も、肥料を加えること以上の基本事項として、自然の循環サイクルをきちんと取り入れたほうがいい。
土壌細菌や自然の繊維質や養分を含んだ土は実に豊かです。もちろん、リンを多く要する作物とカリウムを多く必要とする作物が菜園敷地で共存するので、その上乗せ分は用途に合わせた肥料で上乗せしたりもしています。でもあくまで土台をつくるのは、上に書いてきたような、土壌細菌や自然の繊維質や養分を含んだ、豊かな土です。
何より、こうやってできた元気野菜は、農家がお店の出荷用に作る野菜や工業的に作られた野菜とは、まるきり美味しさが違うのです。
「自然の循環を我が家の菜園へ。」
だから私は、鶏糞や牛糞をやめました。
菜園をもち野菜を作っている方々に共感していただければ幸いです。