「野生のブタはいない」、本当の食育の実例。

2015/10/19

ご近所さんが、美味しいイノシシのお肉をときどき分けてくださいます。猟師が捕獲したもののうち、流通に出さないほど高級な部位を急速冷凍したものだそうです。

イノシシ肉

ということで、お肉を丁寧に解凍して、お庭でバーベキューをしましょう!!野菜のおかずに、冷えた白ワインに、シメのおむすびまで最初に全部用意して。

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「野生のブタはいない」

これは私が小学生のときに学校の先生が言っていた言葉。私の胸には今もこの言葉が残っています。(飼育豚が逃げ出して森に入ったwとかいうのは置いておいて。でもまあそれが子供を産んだとしてもイノブタにしかならないか?まあ置いておきましょう。)

イノシシは野生の動物です。ブタはヒトがイノシシを家畜化したものです。家畜の定義は、ヒトが他動物の生殖や繁殖をコントロールすることです。イノシシは縄文時代の遺跡から多く出土しており、縄文時代にはイノシシを家畜化していたことが示唆されています。

・・・野生のイノシシは、数千年(あるいは中国では一万年以上とも言われる)もかけて今の豚になった。豚肉は確かに美味しい。けれど、野生のイノシシの肉のほうが、肉の香りが良くて美味しいと思う。肉の色も豚肉と違うと、写真を見ても思います。

イノシシ肉

ときどきはこうして野生の肉を食べていくのって、よいことですよね。いい学びになります。我々の祖先が狩猟採集民族だった時代のこと、ほかの命を食べるという行為に関する考察、なぜヒトがイノシシをブタにしたのか、食べるためだけにヒトが作った、野生からかけ離れた生き物(ブタ)がいるということ。

一度、このイノシシ肉バーベキューに、小学生のお子様をもつご家族にお越しいただいたことがあります。学校の教員を勤めるパパが子供に、「野生の豚っていないんだぞ、なーぜだ?」と言い、子供が一生懸命に考え始めた。

あ、これ、昔の私とおんなじだって思った。
すごくいいことだと思った。

これこそが、本当の食育だ!!

きっとこの子も、考える力、調べる力、そして回答するために情報を統合する力が身に付いていくことでしょう。そういう能力が「勉強」であり、勉強は、できないよりはできるほうがよいことに論を待ちません。

私も、「世界の料理」という土壌で活動をしていくのは、「料理の向こうに地球が見える」という大好きなフレーズを実践したいからです。料理は文化の最たるものの1つで、料理背景にならないものはない。料理背景は地理や気候だけではない。政治も、歴史も、言語も、サイエンスも料理背景になり、それは非常に膨大です。

調べたいし知りたいし、海外にも出ていたい、なかなかやりたいことが多くて・・・そりゃあ世界246か国を対象に活動するのだから大変です。でも、私も自分の活動を通して、例えばこういった食育の視点も持ち併せて、次世代を担う人々の育成に貢献していこうと思っています。

教育者の気概を持って。



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