韓国や北朝鮮のスープ料理は「국」。料理名に「국」がつく料理はとても多く、日本語では様々なサイトで「국」を「グ」「グク」「グッ」「ク」「クク」「クッ」等と表記しています。つまり表記が割れています。日本語は音が少ないので日本語にない音を日本語カタカナ表記にするから、それは表記が割れますよね。その点は、世界の料理名をサイトに常にカタカナで綴りたい私にとっては常に難関です。
私は実際に韓国や北朝鮮に行っていろんなごはんを食べ、朝鮮半島の料理が大好きです。また当サイトの閲覧者はほとんどが日本人なので、日本人が読めるように、料理名を日本語カタカナで書きたい。私は学校などでハングル/チョソングルを学んだことがない初心者ですが、努力はやらないよりやったほうが絶対に良い。だから、ネットで簡単検索→コピペで済ますという世間によくある姿勢はとりたくない。よってこのページは正確な情報源ではありませんが、自分が必要なことを自分が調べて学んだことのメモとして残しています。
◆日本語Wikipedia「グク」(≫こちら)
末尾にルールが幾つか書いてありました。
<ルール1>【初声のㄱ=k】語頭の初声では無声軟口蓋破裂音[k]で発音される。
※無声音は声帯が震えずに出る清音(ク)。有声音は声帯が震えて出る濁音(グ)。
<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】語中の母音の間では有声軟口蓋破裂音[g]となる。
<ルール3>【濁る子音の後のㄱ=g】語中の有声の子音の後では有声軟口蓋破裂音[g]となる。
<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】パッチム(終声)は、語末においては内破音[k̚]で発音される。
※「Coming!」を日本人読みで「カミング」と言えば破裂音だが、英語話者を真似して「カミン!」と言えばグは「グの音を出す形をしていても破裂しない」ので内破音である。
<ルール5>【声帯が震えずに出る清音の子音の前にあるパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】パッチム(終声)は、無声子音の前においては内破音[k̚]で発音される。
◆韓国語の発音変化のルールを知ろう!|ネイティブキャンプBlog(≫こちら)
<ルール6>【前のパッチムがㄴㅁㅇㄹならㄱ=g】「ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈ」が、パッチム「ㄴ・ㅁ・ㅇ・ㄹ」と母音の間に挟まれるときに有声音化する。
※濁音化または有声音化:「ㄱ」(ク)→「ㄱ」(グ)
<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】合成名詞で、前の単語のパッチム[ㄴ・ㅁ・ㄹ・ㅇ]の後ろにくる名詞が固有語(漢字語や外来語以外の単語)の場合、その語頭の「ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈ・ㅅ」は濃音になる。
※濃音化:「ㄱ」(グ)→「ㄲ」(ック)(喉にたまって出す無気音)
◆濃音化、鼻音化、激音化|趙義成の朝鮮語研究室(≫こちら)
<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】口音終声(ㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ))の直後の平音[ㄱ]は濃音に変化する。
※口音終声:「ッ」のように詰まる音、※濃音化:「ㄱ」(グ)→「ㄲ」(ック)、※バッグをバックと言うような現象。すなわち詰まる音の後ろに濁る音は来ない。
◆「국」の音の検証
スープ料理を意味する「국」は子音「ㄱ」(k/ɡ)と母音「ㅜ」(ウ)と終声「ㄱ」(k̚)から成る。
よって、<ルール1>【初声のㄱ=k】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】より「국」は「ク」。日本語のサイトではよく「국」が「クッ」や「クk」と書かれるものだが、通常日本語カタカナ表記は名詞を「ッ」で終わらせないため「국」の音は「ク」でよい。これは日本語で「떡국」(トック)の「국」が「ク」と表記されることと一致する。
◆各種スープ料理名の検証
韓国語Wikipedia「국 (한국 음식)」(≫こちら)を見て、スープ料理41種から、末尾が「국」のもの21種を下記のA~Uとしてピックアップし、「국」の前につく文字の要素を分解した。そして動画サイトや音声サイトを使って現地の生の発音を確認した。
<解析>
A.곰국:コムク(骨煮込み白濁スープ)
「곰」は子音「ㄱ」(k/ɡ)と母音「ㅗ」(オ)と終声「ㅁ」(mの口で言う「ん」)から成る。
よって<ルール1>【初声のㄱ=k】で「곰」は「コム」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】、<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「곰국」は「コムック」が話しやすくなった形で「コムク」。
発音確認(≫こちら):コムク
B.곰치국:コムチグ(ウツボスープ)
「곰」は子音「ㄱ」(k/ɡ)と母音「ㅗ」(オ)と終声「ㅁ」(mの口で言う「ん」)から成る。
「치」は子音「ㅊ」(t͡ɕʰ/t͡ʃʰ)と母音「ㅣ」(イ)から成る。
よって<ルール1>【初声のㄱ=k】で「コ」、終声「ㅁ」の次に口を開くので「ム」、「치」は「チ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】で「グ」、<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「곰치국」は「コムチグ」。
発音確認(≫こちら):コムチグ
C.김칫국:キムチック(キムチスープ)
「김」は子音「ㄱ」(k/ɡ)と母音「ㅣ」(イ)と終声「ㅁ」(mの口で言う「ん」)から成る。
「칫」は子音「ㅊ」(t͡ɕʰ/t͡ʃʰ)と母音「ㅣ」(イ)と終声「ㅅ」(内破音t̚)から成る。
よって<ルール1>【初声のㄱ=k】で「キ」、終声「ㅁ」の次に口を開くので「ム」、「치」は「チ」、「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】、<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「김칫국」は「キムチック」。
発音確認(≫こちら):キムチック
D.다슬기국:タスルギグ(カワニナ(巻貝)スープ)
「다」は子音「ㄷ」(t/d)と母音「ㅏ」(ア)から成る。
「슬」は子音「ㅅ」(s/ɕ/ʃ)と母音「ㅡ」(ウ)と終声「ㄹ」(英語のLのような音)から成る。
「기」は子音「ㄱ」(k/ɡ)と母音「ㅣ」(イ)から成る。
よって<ルール1>と同様にて「ㄷ」が清音なので「다」は「タ」、「슬」は「スル」、<ルール6>【前のパッチムがㄴㅁㅇㄹならㄱ=g】より「기」は「ギ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】、<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「다슬기국」は「タスルギグ」。
発音確認(≫こちら):タスルギグ
E.된장국:テンジャンク(味噌スープ)
「된」は子音「ㄷ」(t/d)と母音「ㅚ」(ウェ)と終声「ㄴ」(センナの「ん」)から成る。
「장」は子音「ㅈ」(t͡ɕ/d͡ʑ/t͡ʃ/d͡ʒ)と母音「ㅏ」(ア)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって<ルール1>と同様にて「ㄷ」が清音なので「된」は「トゥェン」を日本語に近づけて「テン」、<ルール1>と同様にて子音「ㅈ」が語頭にないので「장」は「ジャン」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】、<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「된장국」は「テンジャンック」の「ンック」が話しやすくなった形で「テンジャンク」。
発音確認(≫こちら):テンジャンク
F.떡국:トック(おもちスープ)
「떡」は子音「ㄸ」(ッ+t)と母音「ㅓ」(オ)と終声「ㄱ」(k̚)から成る。
よって、「떡」は「ットッ」で、「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「떡국」は「ットック」が話しやすくなった形で「トック」。
発音確認(≫こちら):トック
G.만두국:マンドゥグ、만둣국:マンドゥック(餃子スープ)
「만」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅏ」(ア)と終声「ㄴ」(センナの「ん」)から成る。
「두」は子音「ㄷ」(t/d)と母音「ㅜ」(ウ)から成る。
よって、「만」は「マン」、「두」はㄷが語頭ではないので「ドゥ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「만두국」は「マンドゥグ」。
発音確認(≫こちら):マンドゥグ
※ただし「만둣국」の綴りも非常によく見かけた。この場合は「만둣」(マンドゥ)の末尾にパッチム「ㅅ」がついて<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】が適用されるため「만둣국」は「マンドゥック」。
H.매생이국:メセンイグまたはメセンギグ(青のりスープ)
「매」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅐ」(エ)から成る。
「생」は子音「ㅅ」(s/ɕ/ʃ)と母音「ㅐ」(エ)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。「ㅅ」は母音「イ」の前では(ʃ)(英語のsh)音だが他では(s)音なので「생」は「セン」。
「이」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅣ」(イ)から成る。前の文字のパッチム「ㅇ」(gを言う準備をした「ん」)の後ろに「イ」がくるので、「センイ」とも「センギ」ともつかない鼻にかかる音になるが、日本人が「センギ」の文字を読み上げる音だと「ギ」が強すぎて違ってしまうので「センイ」のほうが表記は無難。
よって「매생이」は「メセンイ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「만두국」は「メセンイグ」。
発音確認(≫こちら):メセンイグ
※ただし韓国人発音を耳にした日本人がメセンギグと書きとるであろう音も多数散見される。「매생이はメセンイ(鼻にかかるイ)やメセンギ(鼻にかかるギ)と読まれる」(고『’매생이』 또는『’매생기』라고 읽고)(≫こちら)と記載がある。これはパッチム「ㅇ」のngの「g」に後の母音が “引きずられ” 易く実際に話者が「ンイ」を「ンギ」に近い発音をしている」(≫こちら)との解説がある。
I.몸국:モンク(豚肉と海藻のスープ)
「몸」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅗ」(オ)と終声「ㅁ」(mの口で言う「ん」)から成る。
よって「몸」は「モン」で、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「몸국」は「モンック」が話しやすくなった形で「モンク」。
発音確認(≫こちら):モンク
J.뭇국、무국:ムク(大根スープ)
「뭇」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅜ」(ウ)と終声「ㅅ」(内破音t̚)から成る。「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「뭇국」は「ムック」が話しやすい形で「ムク」。
発音確認(≫こちら):ムック
※「무국」の綴りも非常によく散見された。この場合<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】により「ムック」が話しやすい形で「ムク」。
K.미역국:ミヨック(わかめスープ)
「미」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅣ」(イ)から成る。
「역」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅕ」(ヨ)と終声「ㄱ」(k̚)から成る。
よって「미역」は「ミヨ」+「クを出さないkの口」で、「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「미역국」は「ミヨック」。
発音確認(≫こちら):ミヨック
L.미역냉국:ミヨンネンク(冷たいわかめスープ)
「미」は子音「ㅁ」(m)と母音「ㅣ」(イ)から成る。
「역」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅕ」(ヨ)と終声「ㄱ」(k̚)から成る。
「냉」は子音「ㄴ」(n)と母音「ㅐ」(エ)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって「미역」は「ミヨ」+パッチム「ㄱ」(クを出さないkの口)だが、パッチム「ㄱ」の次に鼻音の「ㄴ」が続くためパッチム「ㄱ」が鼻音化してパッチム「ㅇ」(りんごの「ん」)の音に変化して「미역」は「ミヨン」。「냉」は「ネン」。「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「미역냉국」は「ミヨンネンック」が話しやすくなった形で「ミヨンネンク」。
発音確認(≫こちら):ミヨンネンク
M.북어국:プゴグまたは북엇국:プゴク(干しタラのスープ)
「북」は子音「ㅂ」(p/b)と母音「ㅜ」(ウ)と終声「ㄱ」(k̚)から成る。
「어」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅓ」(オ)から成る。
よって<ルール1>と同様にて「ㅂ」が清音なので「북」は「プ」+「クを出さないkの口」と次の母音が合わさる&<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】により「ゴ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「북어국」は「プゴグ」。
発音確認(≫こちら):プゴグ
※ただし「북엇국」の綴りや「プゴク」の発音も非常によく散見された。この場合は「국」の前にパッチム「ㅅ」がついて<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】が適用されるため「북엇국」は「プゴック」が話しやすくなった形で「プゴク」。
N.섭국:ソック(ムール貝スープ)
「섭」は子音「ㅅ」(s/ɕ/ʃ)と母音「ㅓ」(オ)と終声「ㅂ」(p/b)から成る。
「ㅅ」は母音「イ」の前では(ʃ)(英語のsh)音だが他では(s)音なので「섭」は「ソ」+「プを出さないpの口」。「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「섭국」は「ソック」。
発音確認(≫こちら):ソック
O.순대국:スンデグ(腸詰めのスープ)
「순」は子音「ㅅ」(s/ɕ/ʃ)と母音「ㅜ」(ウ)と終声「ㄴ」(センナの「ん」)から成る。
「대」は子音「ㄷ」(t/d)と母音「ㅐ」(エ)から成る。
よって「ㅅ」は母音「イ」の前では(ʃ)(英語のsh)音だが他では(s)音なので「순」は「ス」+「ヌを出さない「ん」の口」、<ルール1>と同様にて「ㄷ」が濁音なので「대」は「デ」、「국」については<ルール2>【母音の間ではㄱ=g】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「순대국」は「スンデグ」。
発音確認(≫こちら):スンデグ
P.오이냉국:オイネンク(冷たいきゅうりスープ)
「오」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅗ」(オ)から成る。
「이」は子音「ㅇ」(無音)と母音「ㅣ」(イ)から成る。
「냉」は子音「ㄴ」(n)と母音「ㅐ」(エ)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって「미역」は「オイ」、「냉」は「ネン」。「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「오이냉국」は「オイネンック」が話しやすくなった形で「オイネンク」。
発音確認(≫こちら):オイネンク
Q.장국:チャンク(醤油味のクリアスープ)
「장」は子音「ㅈ」(t͡ɕ/d͡ʑ/t͡ʃ/d͡ʒ)と母音「ㅏ」(ア)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって<ルール1>と同様にて「ㅈ」が清音なので「장」は「チャン」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「장국」は「チャンック」が話しやすくなった形で「チャンク」。
発音確認(≫こちら):チャンク
R.재첩국:チェチョック(しじみスープ)
「재」は子音「ㅈ」(t͡ɕ/d͡ʑ/t͡ʃ/d͡ʒ)と母音「ㅐ」(エ)から成る。
「첩」は子音「ㅊ」(t͡ɕʰ/t͡ʃʰ)と母音「ㅓ」(オ)と終声「ㅂ」(p/b)から成る。
よって<ルール1>と同様にて「ㅈ」が清音なので「재」は「チェ」、「첩」は「チョ」+「プを出さないpの口」、「국」については<ルール8>【パッチムㄷ音(ㄷㅅㅈㅌㅊㅆ)、ㅂ音(ㅂㅍ)、ㄱ音(ㄱㅋㄲ)の後のㄱは「ック」】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「재첩국」は「チェチョック」。
発音確認(≫こちら):チェチョック
S.콩국:コンク(豆乳スープ)
「콩」は子音「ㅋ」(kʰ)と母音「ㅗ」(オ)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって「콩」は「コン」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「콩국」は「コンック」が話しやすくなった形で「コンク」。
発音確認(≫こちら):コンク
T.해장국:ヘジャンク(ヘジャン=解腸、回復の骨ダシスープ)
「해」は子音「ㅎ」(h/ɦ)と母音「ㅐ」(エ)から成る。
「장」は子音「ㅈ」(t͡ɕ/d͡ʑ/t͡ʃ/d͡ʒ)と母音「ㅏ」(ア)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
よって、語頭の「ㅎ」は「h」音なので「해」は「ヘ」、<ルール1>と同様にて子音「ㅈ」が語頭にないので「장」は「ジャン」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「해장국」は「ヘジャンック」が話しやすくなった形で「ヘジャンク」。
発音確認(≫こちら):ヘジャンク
U.황태국:ファンテック(干しスケトウダラのスープ)
「황」は子音「ㅎ」(h/ɦ)と母音「ㅘ」(ワ)と終声「ㅇ」(りんごの「ん」)から成る。
「태」は子音「ㅌ」(tʰ)と母音「ㅐ」(エ)から成る。
よって、語頭の「ㅎ」は「h」音なので「황」は「ファン」、「태」は「テ」、「국」については<ルール7>【合成名詞で前の単語のパッチムがㄴㅁㄹㅇで次が朝鮮半島固有語(漢字語・外来語以外)ならㄱ=ック】と<ルール4>【語末のパッチムのㄱ=クの形をするがクとは言わない】。よって「황태국」は「ファンテック」。
発音確認(≫こちら):ファンテック
* * *
できた… (´;ω;`)ウック…
初心者だったため、21個の料理名における文字構成の解明と発音検証に丸6日間かかりました… (´;ω;`)
<感想>
今回やってよかったこととして、動画サイトや音声サイトを使って発音を確認しながら進めたことです。Google翻訳などの機械音声ではなく、人の声を確認することは守りました。「국」が「グ」だったり「ク」だったりする。「매생이」がメセンイに聞こえたりメセンギに聞こえたりする。理論を学ぶことと同時進行で発音を幾つも確認することは良い学習方法でした。6日間はとにかく韓国語の動画を見続けていたので、話し方全体の流れや声の出し方、ともあれその土地の「言葉」にずっと触れることができました。
また、ローマ字表記化ではぜんぜん正しく読めないと深く認識できたことも成果です。「북어국」(プゴグ)や「미역국」(ミヨック)をローマ字表記化するとそれぞれ「bug-eogug」と「miyeoggug」になるのですが、これだけでは正解の発音にはローマ字表記では到達不可能です。
スープを意味する「국」の表記は、日本語では「떡국」(トック)の「국」が「ク」と表記される形で定着したので、「グク」や「クク」を除外するほうが好ましいと思いました。だから日本語カタカナ表記化では、「국」は「グ」か「ク」。でも前につく単語により○○ククや○○グクに聞こえるものもある。ただそれは後続する単語によって「국」のパッチムに音が伴ったのかもしれない。
また、「재첩국」(チェチョック)みたいな、「pの音を出さないpの口」が入るものは「チェチョプク」にするかもちょっと悩みました。だけど「プ」と書いてしまうと日本人は「プ」の音を出してしまい、元の単語と違ってしまう。悩みますが、日本人の発声ほどには音を出していないのでカタカナに書かないことにしました。
子どもが間違えながら平仮名読んで喜んでるレベルですが、それでもその子どものように、自分も成長する一途です。
朝鮮半島はスープ料理がとても豊富だと再認識することができた。
きゅうりスープやしじみスープなど、日本にいても作れるスープがたくさんあったから、こんなスープも作りたいな、このスープも作りたいなと、わくわくしました。こういう調理の気持ちが膨らんだことも、今回の成果です。