よく聞く「作り置き」。以前、対象を特定せずに「作り置き」で検索をしてみました。こんな画像が出てきました。
一気に数日分のおかずを作って冷蔵庫に入れておくという手法ですが、「作り置き」って綺麗な言葉で良さそうな印象がもたれますか? でもそれ本当にやりたいですか?
ズラリと並ぶ何日分あるいは一週間分の作り置き。見ていると写真映えは良いし、いざ自分がやるならどうやるかとイメージしたりもするのですが、とまどう気持ちも生じます。「これらは食べる時点で美味しいのかな?」とか「3日以上も経って食べるのはやはりこわいな」、そして単純に「おかずの塩分が濃そう」などの懐疑的な気持ちが生じます。
「こんな」作り置きはしたほうがいいのかしないほうがいいのか。そう考えたとき、結論はどう考えても、「こんな」作り置きはしないほうがいいとたどり着くのです。
もちろん常備菜的な少数の作り置きや、作ったおかずを2、3回に分けて食べることは否定しないし、それは主婦なら普通にやることなので問題なし。
私が「しない」に至ったのは「1週間分を週末に作り置き」等とうたわれる、上の写真のような「こんな」作り置きです。
他の人の考えは?と思ってネットを見たら、共感できる言葉が次々と出てきたので、今日の記事はその言葉を集めた記録とまとめです。
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<拾った声>
▼作り置き料理は、食べるものが数日間決めつけられる拘束感がしんどい。
▼今食べたくないものなのにあれを食べなきゃいけないというプレッシャーが窮屈。
▼全部冷蔵庫から出した料理って家庭的な温かさがなくてむなしい。
▼傷んでいないか不安がつきまとい、食事の楽しさが減る。
▼家族はみんな作り置きが嫌いで、出すと「またかよ」みたいな空気になる。
▼ゆでおきは不要かと。5分で出来ることを何日も前にやって古くする必要ない。インスタ映えの1皿を稼いでいるだけなんじゃ。
▼作り置きを考える時間と作る時間が無駄に思え、作り置きをしなくなった。
▼作り置きを作っても美味しいとすぐに食べちゃうし、味がイマイチだと残り続けるので作り置きはもうしない。
▼作りたてや切りたてのほうが美味しいのだから、そういうものはそうやって食べたい。
▼何日も前から置かれてたものを家族に食べさせたいとは思わない。
▼わざわざ古くしたものを食べようと思わない。
▼冷蔵庫に入れると食品は基本的に不味くなると思う。
▼食べたいものは日によって変わるから、煮物や浅漬けのような副菜以外は作り置きしない。
▼インスタで見る作り置きはフルーツもむいて容器に入れたり。鮮度は絶対落ちてくよね。
▼作り置きレシピで5日間保存可と書いてあっても、5日も経ったものは食べるのに抵抗ありすぎ。
▼食べていて楽しくない。だったら5分で炒める料理でいいから出来立てを食べたい。
▼家族には「何食べたい?」って聞いてあげたい。作り置きはそれができなくなるから作るほうも食べるほうも不満。
▼作り置き料理は傷みにくさ優先で砂糖、味噌、醤油、塩を多用するから味付けが濃くて塩分過多。酢を使うとどれも酸っぱい。
▼作るものを何十品も考え、料理するのに何時間も費やす。毎日思いつくものを料理した方が簡単だ。
▼計画を立ててもスーパーに行くと安いものやその日に美味しそうなものが見つかって計画を崩すことになる。計画を守るとお金が余計にかかっちゃうよ。
▼週末の作り置きと言うけれど、平日に頑張って、週末こそ好きなことに時間を遣いたいけどな。
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<私の話>
うちの母が、海が見える旅館の娘で、祖父と伯父が漁師、祖母と伯母が旅館のおかみ。幼い頃「夏休みに(母方の)おばあちゃんちに行く」というのが私の場合は「旅館に泊まって海で遊んで旅館のお手伝いをしてお小遣いをもらう」だった。旅館の料理は、時間がかかるものは仕込みをするけれど、忙しくても、おもてなしの気持ちで料理するものは、切りたて作りたてなんだということを学んだ。当然うちの母も、家族に旅館のような食事を作ることが多々あったw だけど、働いて忙しい日も、作りたて切りたて焼き立てという意味で美味しい料理を食べさせてくれていた。もちろん味が染みた煮込み料理もあった。それは味が染みたら美味しい料理を計画的に作っただけで、作り置きじゃない。
うちの父は、田んぼもち山もち果樹園もち漁業権もちの農家の息子。父は食品科学を専攻して香料会社の食品研究者になって同僚の母と結婚したらしいが、私にとって幼い頃「夏休みに(父方の)おばあちゃんちに行く」というのは「採れたて野菜や果樹園や釣りして遊んでナチュラルライフ三昧」だった。ともあれ、美味しい野菜や果物がたくさんあって、肉や魚もあってバランスが良くて、食卓は自家製の料理で充実している。農家なので出荷以上に多く収穫できた野菜は家庭で食べていく。漬物は作っていたけど料理はいつも新鮮な食材を使っていた。野菜はもぎたてのきゅうりやトマトを氷水に浸けただけでパリパリ食べて美味しかったし、魚は刺身や塩焼きや照り焼きにして、肉を外で焼いたり、お鍋したり、そういう「素材勝ちの料理」が美味しかった。
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「作り置きは働く女性など時間がない人に向く」という意見はあっていい。
だけど、私が塾などに行くようになってからは母も正規雇用で働きに出たけれど、冷蔵庫が作り置き容器であふれる生活はしていなかった。夜はお肉やお魚を焼いたり、野菜を切ったり蒸したり、納豆やお豆腐も食卓に乗ったし、なんか普通に普通の食事を作っていた。週末は作り置きではなく手の込んだ料理を作ってくれましたね。餃子やクリームコロッケが子ども心に嬉しかった記憶が強いです。
こう思い出したとき、私も、「時間がとれるときは手の込んだ美味しい料理を作りたい」という方向に、心がたなびきました。家族もとても喜んでくれています。
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ここまで考察した上で、自分の「作り置き考」 がまとまってきた。これでいいんじゃないかな。
◎食べたいものを健康によい減塩の味で作る。
→作り置きは味が濃くなるのでその懸念をなくす。
◎菜園の野菜、釣れたての魚、原木栽培きのこなど、美味しい食材を使って素材勝ちの料理を。
美味しい素材を集めれば味付けも調理の手間もぐんと減る。結果的に作り置き料理を頑張るよりも短時間で調理ができる。
◎食にお金をかけることも大事。我が家のお金の遣い方を考える。
→わかりやすいイメージだと、マーガリンをやめてバターに、カビつけして作る本物のかつおぶし、みりん風でなくて本みりん、酒も飲んで美味しいものを調理に使うようにすると、料理は手間がかからなくても味が美味しくなり、とられる時間がぐんと減る。
◎忙しい日ほどぱっと作る、あるいは忙しい日ほど朝に準備をする。
乾物が水に浸けてあるだけでも全然違う。平日頑張ってそして週末は手間がかかる料理作りを楽しむか、のんびりと好きなことをする。
◎「作ったらきちんと冷やすほうが美味しいもの」や「味がしみたほうが美味しい」は作り置きに適している。
「たくさん作るほうが美味しい」とか「調理しなければいけない食材がたっぷりある」ときは作り置きに適している。
◎作り置きするなら、家族に「また出た!ヤッター!」と喜んでもらえる美味しいものにしよう。
作り置きするなら、食べる人の喜びも大事。
◎献立は家族の健康を守ること、家族が病気にならない食事が最優先!
作り置きしようがしまいがこの発想は常にファーストでい続けること!
このやり方がいいと思う!