チュニジア料理、アルジェリア料理、モロッコ料理といったマグレブ地方の料理を作ろうと思うと、「薄々の小麦粉の生地」がよく登場する。ワルカ(ورقة)のほか、マルスーカ(ملسوقة)やジオール(ديول)等の様々な名称がある。ブリック、パスティラ、ブリワットなどなど、マグレブの数多くの料理に使われる重要食材である。
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「Warqa」の作り方をフランス語や英語やアラビア語を使って検索をすると、以下のような作り方によく出会う。
◆Warka (Brick Pastry) Recipe(≫こちら)
要は、「小麦粉などの材料を水で溶いたタネを加温した鉄板に塗り付ける方法」だ。
これもだ。
◆Warka – Homemade Moroccan Phyllo Dough Recipe – CookingWithAlia – Episode 320(≫こちら)
一方で以下は「小麦粉などの材料を水で溶いたタネを薄く流し込んで加熱する方法」だ。
◆ديول الكوريه#الورقه السائله بدون پانسو بلا مجهود شفافه ما دزيديش تشريها مره اخرى(≫こちら)
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でも、ふと、「もちもちスライム状のタネを加温した鉄板に接触させて薄膜を作る方法」を見てしまった。職人技も冴える動画は衝撃的だった。
◆Making Warqa (Filo Pastry) Marrakech style(≫こちら)
家庭の手作りもそうだった。
◆ماعندكش سنيوة نحاس جوزي تشوفي كيفاش خدمت الديول في سنيوة تاع عشرالاف مشروع مربح لربات البيوت(≫こちら)
「もちもちスライム状のタネを加温した鉄板に接触させて薄膜を作る方法」だ。
(アラビア語タイトルは英語翻訳で “I don’t want a copper year.”、日本語で「私は銅の年は要らない」というもので、マグレブ地方のアラビア語が分からない私は解読できませんでした。)
これは日本のフライパンと同じ道具で作っている。
◆ملسوقة تونسية أصلية بمكونين فقط بطريقة مميزة و بكل أسرار الإحتراف – لمتنا في رمضان(≫こちら)
「もちもちスライム状のタネを加温した鉄板に接触させて薄膜を作る方法」だ。
この、鍋の裏面で作るの、いいなあ。
◆حصرى ولأول مرة فاليوتوب ورقة ,ديول اوملسوقة طنجرة الضغط او الكوكوط باسهل وانجح وابسط طريقة(≫こちら)
これならガス火を使いながらも温度を低くすることができる。
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レシピは、これらの動画や、その他の動画を見て、おおよそ以下のように見当をつけることができた。
- 強力粉とセモリナ粉。セモリナ粉だけのレシピも、強力粉とブレンドするレシピもある。配合比はさまざま。
- 塩少々。例えば粉500 gに対し小さじ1。
- 油少々。オリーブオイルでよい(地中海料理なので)。塩と同程度の量。油を入れないレシピもある。
- 水。もちもちスライムになるまで徐々に加える。
- レモン果汁や酢をごく少々加えるレシピもあった。
作り方は、とにかく練る。水を徐々に増やして、ぷるんぷるんのスライムを作る。鍋の裏面で作る場合は薄く油を塗っておく。温度は100℃は超えるができるだけ低い温度とする。パリパリと崩れるように焼いてはいけない。
さあ、私もやってみよう!
よし、作るぞ!!