・・・私はずっと、「理想の朝食とは何か」を考えてきました。健康講座の講師をするときも、「理想の朝食を考えてください。それは ”朝食だから” 考えるんです。」と受講者に説いてきました。
例えばお祝いやパーティーの料理を想定してください。「ときどき食べる料理」なら、カロリーや塩分が多くても許容できます。夕食や昼食はまだ食べるものがまちまちに分散するけれど、問題はいつも似たものを食べる朝食です。
だから、私は、健康講座ではいつもこう言います。
「朝食だから、ちゃんと考えるんです。」
と。
この記事では、最近モニターで受領したブルボン社(≫こちら)のスライス生チョコレート(≫こちら)をきっかけとし、理想の朝食の1つを実現したことを記事にします。
そして、理想の朝食を一緒に考えてみませんか? だから今日の記事は、その考え方の手順も紹介します。
* * *
理想の朝食とは。
見映えじゃない豪華さじゃない(でもできれば見映えもほしい)。第一にエビデンスに基づく栄養コントロール、第二に簡単・時短で家事負担低減、第三にやってて楽しい、第四に満足な美味しさ、それらにより長続きできること。
それが、これです。
- 生チョコレートとチーズのホットサンド(食パン8枚切り×2枚分)
- 名水
- 豆をその都度挽いて作る淹れたてのコーヒー
- 自家継代しているヨーグルト
- 菜園で採ってきた生食できる野菜(今回はルッコラ)
- フルーツ
総カロリー536 kcal。
総塩分1.75 g。
カルシウム446 mg。
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栄養を考える段取りは、4段階です。
ステップ1 日本人の現状を知る
◆国民健康・栄養調査結果(平成30年)(≫こちら)
厚生労働省が毎年発表する、日本人の食事の状況です。
こういう表がありますが、
最初は塩分とカルシウムとカロリーだけを見るとよいです。長年&伝統的に&慢性的に解決をみない日本人の栄養プロブレムは塩分とカルシウムで、あとは適正体重維持のためにカロリーが大事だからです。
1日の摂取の現状 | |
(男)カロリー | 2164 kcal |
(女)カロリー | 1728 kcal |
(男)塩分 | 11 g |
(女)塩分 | 9.3 g |
(男)カルシウム | 504 mg |
(女)カルシウム | 500 mg |
* * *
ステップ2 理想の栄養摂取量を知る
◆日本人の食事摂取基準2020(≫こちら)
厚生労働省が5年おきに策定して公開する、日本人の食事基準です。
たくさんの項目がありますが、カロリーと塩分とカルシウムを見ます。
成人の推奨量/目標量を表に追加します。
摂取の現状 | 摂取基準 | ||
(男)カロリー | 2164 kcal | < | 2700 kcal |
(女)カロリー | 1728 kcal | < | 2050 kcal |
(男)塩分 | 11 g(過剰) | > | 7.5 g未満 |
(女)塩分 | 9.3 g(過剰) | > | 6.5 g未満 |
(男)カルシウム | 504 mg(不足) | < | 738 mg以上 |
(女)カルシウム | 500 mg(不足) | < | 660 mg以上 |
どうです? 毎日の塩分の摂りすぎと毎日のカルシウム不足が数字で実感できませんか? 塩分は高血圧や心臓・腎臓の病気を惹起し、カルシウム不足では骨や歯が悪くなり、脳神経系統も異状をきたしますから、健康でハツラツな人生を送るためにも、適正カロリーを意識しながら減塩と高カルシウムを実践しなければなりません(※)。
※摂取カロリーを増やすべきか減らすべきかはその人のBMI(body mass index;身長と体重のバランス)次第なのでここでは考察しない。
* * *
ステップ3 ターゲット項目の自分の理想量を決める
上の表を見て、朝食でどのくらい割り当てるかを、考えてみましょう。
1)カロリー
ファミレスのメニュー表を見てみてください。食べたいものを好きに食べると1食1000 kcalを余裕で超えうることが分かります。でも、やはり晩ごはんは好きなものを食べたいかな。まずは上の表を見て、自分の体重や体型を見て、1日に何kcalを摂りたいかを決めてみる。私(BMI 22弱をキープしたい)は1800~2000 kcalくらいにしようと思いますし、普通体重の人なら同じ感じでよいと思います。よって、夕食に800~1000 kcalと昼食に500 kcal前後を割り当て、朝食は500 kcal前後。朝の摂取エネルギーを減らすと午前中の能率が落ちるので、減らしすぎないで。
2)塩分
1日上限量が男性7.5 g、女性6.5 g・・・(汗)。これ、朝から塩鮭(塩分2~5 g)を焼いたり梅干し(塩分3~4 g)を乗せてごはんを食べてる場合じゃないよぅ。朝から味噌汁やスープ(塩分1~2 g)を飲むのもダメだよぅ。これは朝しっかり減塩して、昼食と夕食に塩分を摂る余地を残さないと、現状だと塩で体が破綻してしまう。ということで、朝食の塩分量は1日の1/4以下にすべきです。もちろん塩分が低すぎても午前中の能率が落ちるから、朝食の塩分は1.5~2 g程度にしようと思います。
3)カルシウム
うーん、カルシウム、足りてないよねぇ。1日量がざっと700 mg。恒常的に乳製品(高Ca)を摂れるのも朝食だけだろうから、朝食で1日量の半分(350 mg)以上を摂っておかなければならないな。
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ステップ4 マスト食品とNG食品を設定
◆発がん性のリスク・予防要因(≫こちら)
国立がんセンターのまとめの表です。朝食のように同じものを食べ続けやすい食事においては、いいものを継続摂取して、悪いものは避けるべきですから、こういう表を国民の大勢が目にすることは大事なことだと思っています。食材による発がん/がん抑制が確実視されているものは4つあり、
・野菜の食道がん抑制
・果物の食道がん抑制
・食塩の胃がん発症
・コーヒーの肝がん抑制
です。
野菜は胃がん抑制、果物は胃がん・肺がんの抑制、コーヒーは子宮体がんの抑制もデータが出ており多臓器でがん抑制作用があることが期待されます。一方で、加工肉の発がん性(大腸がん)が気になりますね。朝食にハム・ベーコン・ソーセージを食べる人は少なくないのですが、慢性摂取につながるおそれがあるので朝食ではやめたほうがよいのでは。
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栄養を考える4段階の段取りを終えました。
まとめると、
ということになります。
そしてこの『生チョコホットサンド』朝食は、
1人分あたり総カロリー536 kcal、総塩分1.75 g、カルシウム446 mg、野菜・果物・コーヒーつき、加工肉なし、です。すべての条件に沿う良い献立です。
<1人分のカロリー>
8枚切り食パン2枚=240 kcal
スライスチーズ1枚=60 kcal
スライス生チョコ1枚=83 kcal
ヨーグルト=93 kcal(150 g)
ルッコラ=6 kcal(30 g)
オレンジ=46 kcal(100 g)
コーヒー=8 kcal(1杯分≒200 g)
名水=0
ホットサンドの良いところは、ノンオイルクッキングであるという点です。トーストだとバターを塗りたくなるけれどホットサンドだと塗りません。総カロリーを重視するほど、炒め物は避けましょう。炒め物や卵焼き作りにサラダ油を使うとしても、大さじ1杯で111 kcalと、カロリーが高すぎてこわい…。
<1人分の塩分>
8枚切り食パン2枚=1.1 g
スライスチーズ1枚=0.5 g
スライス生チョコ1枚=0
ヨーグルト=0.15 g
ルッコラ=0
オレンジ=0
コーヒー=0
名水=0
「甘いという朝食のメリット」をつくづく再認識しました。甘さは減塩・美味しさ・満足度を得る最強の武器の1つなのですね。素晴らしい。ちなみにこのホットサンドの味をフランス語で言うなら「フロマージュオーショコラ♡」(Fromage au chocolat、チーズとチョコレート)って感じですね♡ チーズとチョコレートは好相性。実際に食べてみると、この生チョコが美味しくて、チーズ味を上手に奥に隠し、チーズの存在により生チョコの風味が一層ふくよかに口に広がりました。大変に美味でした。
あとは、減塩対策にもなると思うのですが、いつも朝は水を飲みます。水を飲むのは塩分体外排出には最重要ですし、パン食に水を飲むと満腹感がきちんと得られます。我が家はいい岩盤に囲まれた名水の水脈の上に立っていることが分かったようで、地下から名水を引いています。ちなみに神奈川に住んでいたときは水道水だったので、ピッチャーに常時1 Lの水を汲み置きして(残留塩素除去のためビタミンCをごくわずか加えて)キッチンに置いていました。
<1人分のカルシウム>
8枚切り食パン2枚=26 mg
スライスチーズ1枚=110 mg
スライス生チョコ1枚=43 mg(食品成分表に準じて推定)
ヨーグルト=180 mg
ルッコラ=60 mg
オレンジ=24 mg
コーヒー=0
名水=3 mg(総硬度より推定)
・・・カルシウム量がすごい・・・
朝食だけで446 mgすなわち1日量の6割以上を摂れる。もはやこの点でこの朝食は大勝利です。チョコレートを含めると乳製品が3種類摂取できるため、素晴らしい結果を導きました。
* * *
ホットサンドを作るのは簡単です。
材料(2人分):
- 8枚切り食パン
- 4枚
- スライスチーズ(※1)
- 2枚
- スライス生チョコレート
- 2枚
※1:スライスチーズは「とろけないタイプ」を使います。とろけるタイプを使うと焼いている間にときに漏れます。
作業工程:5 分
- (食パンが2枚並ぶホットサンドメーカーを想定)ホットサンドメーカーに食パンを1枚ずつ敷く。
- スライスチーズを1枚ずつ乗せ、スライス生チョコレートを1枚ずつ乗せる。
- 食パンを1枚ずつかぶせ、ホットサンドメーカーのフタをする。食パンがはみ出たらフタを完全に閉じる前に木べらなどで押し込む。
- 3分ほど焼いて出来上がり。
- Enjoy!
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ホットサンド◎
ホットサンドは、本当にいいですね。調味料を使わないのに美味しいです。パンって焼いて熱く香ばしくなるととそれだけで美味しいのですから♪
そして簡単♪ 時短♪
作るときは、
ホットサンドを焼くのは放置なので、焼いている間にヨーグルト、野菜、フルーツ、水を用意。それでもまだ時間があるので洗濯機をまわしに行ったり着替えをしたりして、そのうち出来上がり。包丁もフライパンも要らないから、ホント楽だよなぁ~。コーヒーは夫が淹れてくれます。
食後は、
パンをつかんだ紙を紙回収の袋に入れ(地域が紙を回収しています)、ウッドトレイとホットサンドメーカーをからぶきして収納。コーヒーと水のカップは、そのまま午前中の仕事テーブルに置きます。フルーツの器は水ですすぐだけ。だから、洗い物はヨーグルトの器とスプーンだけです。
ほら、洗うのこれだけ!! 完璧な時短でしょ!!
洗い物が少ないということは洗剤使用量が少ないということでもあり、この『生チョコホットサンド』は地球環境への配慮の点でも優れたレシピと言えるでしょう。
* * *
とろける生チョコは美味しい。だから加熱して食べたい。でもトーストよりも、挟みうちにして四辺を閉じるほうが、口や指が汚れなくて食べやすいです。ベタベタすると楽しくないもんね。
* * *
楽しいことは美味しいことにつながります。
和食だと配膳のお盆に向かって食事を摂ることになる。だけど、ホットサンドなら、自由きままに、景色を見ながら、共に時間を過ごす相手を見ながら、ゆっくり食べることができる。窓越しに美しい空や緑を見ては、幸せな時間を感じ、楽しいひとときを過ごしています。
見映えじゃない豪華さじゃない(でもできれば見映えもほしい)。第一にエビデンスに基づく栄養コントロール、第二に簡単・時短で家事負担低減、第三にやってて楽しい、第四に満足な美味しさ、それらにより長続きできること。
最終目的は自分と家族の健康と幸せのためであること。
それらに対し、理想の結論へ向けて「自ら学んで、自分で考える」ことが最重要だと思うのです。要は、「考えるちからを失わないこと」、
それが私の朝食の結論です。
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ブルボン社のスライス生チョコレートをきっかけとし、私が再び朝食について考え、理想の朝食の1つを実現したことを記事にしました。読んでくれる人と一緒に考えたくて、今日の記事は、その考え方の手順を踏みました。
最初から万人に栄養学的に非の打ちどころのないレシピを作れるのなら良いけれど、実際には沢山の経験や技術を積み上げて実現していくしかない。でも今回の、「生チョコがシート状に個包装」という新製品は、ひとつの理想の朝食を生み出しました。間違いなく良い技術と評価されることでしょう。
栄養学的に優れた朝食で将来の病気を予防し、あなたの人生に素晴らしい未来を!