辛さの新活用。減塩に真剣に取り組む、一味唐辛子で超減塩豆腐チゲ

2020/01/26

私が実践している健康づくりの項目のひとつに「減塩」があります。私の血圧は収縮期(上)が106くらい、拡張期(下)が約60という超健康的な数字ですが、夫の方が収縮期130と正常域内の高めなので、今後の昇圧に備えて今から減塩を意識しています。そんな日常の成果もあって昨日は市の依頼で「健康づくり講座」の講師を努めてきました!!好評により追加講演も決定しました!!

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さて、料理は「食材」と「味付け」が2大要素となります。

減塩とは「味付けとしてのを減らすこと」が主目的になりますが、では「食材」には何を選びましょうか?

国立がん研究センター「大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について」(≫こちら

大豆イソフラボン

引用すると、「この研究は、世界で初めて前向き追跡研究で大豆製品やイソフラボンと乳がん発生率の減少との関係を示すことができた研究として注目を浴びています。」となっています。因果関係を統計的に検証する方法には、簡単な方法では後ろ向き研究、すなわち今乳がん患者と対照健常者を集めて、過去の大豆製品摂取量を聞き取り調査して、摂取量の多少ごとの発がん危険度を計算します。一方で、前向き研究は精度が高い方法で、十年単位の時間と費用がかかりますが、現時点で健常な人を集め、大豆製品摂取量の多い群と少ない群に割り付けて、将来にわたって発がんする人の数を集計し、発がん危険度を計算するというものです。調査費も人件費もかかり容易にできることではありません。だから「世界初の前向き研究」という言葉から優れた価値をもつことが伺えるのです。

結果の概要ですが、味噌汁の場合、1日1杯飲むと乳がんリスクは上がり、それ以上飲むと乳がんリスクが低下しましたが、私は1日に2杯も3杯も味噌汁を飲むことは塩分過剰の観点から大反対なので、味噌汁は1日1杯でも多すぎる。その視点より味噌汁を飲むと乳がんリスクは増大すると受け止めました。一方で、豆腐などの大豆製品は、週3~4回摂取する群も毎日摂取する群も乳がんリスクが低下していました。イソフラボン摂取量に換算した集計でも、イソフラボン摂取量が多い群ほど乳がんリスクが少ないことが見いだされました。イソフラボンは化学構造がエストロゲン(女性ホルモン)に似ているため体内で拮抗しているのではないかという推論であり、別論文では骨粗鬆症リスクを低下させるので、骨に対してはエストロゲン様作用。これって医薬品のSERM(サーム)すなわちラロキシフェンやバゼドキシフェンなどと似ています。ともあれ、豆腐や納豆は素晴らしいですね。

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さあ、今回、豆腐を使って「減塩、しかも乳がん発症リスクを下げる」という「W」(ダブル)で嬉しい料理を作ってみましょう。男性はほとんど乳がんにならないものの(※)夫も一緒に食べてもらいました(笑)。

※ただし男性の乳がんは存在します。

豆腐は私も夫も大好物。ただ豆腐で和食を作ると日本酒が欲しくなるのが難点。飲酒は肝臓がんリスク因子ですから、唐辛子で辛くするとお酒が欲しくなくなる作戦で、豆腐の辛いチゲを作ることにしました。

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韓国料理のチゲを作ろうとすると、韓国牛ダシ調味料、イワシエキス、キムチ、韓国産唐辛子、etc、といったように、それなりの特殊な材料が必要になってしまいます。今日は上の4つ、全部を家で切らしていてww、今日の材料は下の写真のような感じです。

豆腐、ネギ、煮干し、昆布、一味唐辛子、旨味系のダシ。

チゲ

アサリは好物なので買ってありました。

チゲ

減塩の目標ラインは、1)お味噌汁(1.8 g/150 mL)より減塩であること、2)市販のチゲの汁ストレートタイプ(2.9 g/150 mL)より減塩であること、と設定します。

レシピは簡単です。

heart『減塩&乳がんリスク低下に♪ 辛さの新活用、家にある材料で気軽豆腐チゲ♪』
材料(2人分):

あさり
12粒
水(調理用)
500 mL
昆布
5 cm角を1枚
煮干し
2尾
豆腐
300 g
唐辛子粉(※1)
小1
おろしにんにく
大1
砂糖
小1.5
長ねぎ(白い部分)
20 cm
ニラ
少々
チンゲンサイ
150 g
肉系のダシの素
少々

※1:今回は一味唐がらしを使用。製品によって辛さが変わるので好みの辛さになるよう量を加減してよいです。

作業工程:20 分(あさりの砂出しの時間を除く)

  1. 調理数時間前からあさりを水(分量外)に浸けて砂出ししておく。
  2. 同時に鍋に水500 mLを入れて昆布と砕いた煮干しを浸けておく。
  3. 豆腐を水切りする。
  4. 唐辛子粉、おろしにんにく、砂糖を小さな容器に入れて混ぜ、唐辛子ペーストを作っておく。
  5. 長ねぎを斜め薄切りにし、ニラを粗みじん切りにしておく。
  6. 別途湯(分量外)を沸かしてチンゲンサイをさっとゆでて取り出しておく。
  7. 昆布が入った鍋を火にかけ、あさり、唐辛子ペースト、肉系のダシを加え、長ねぎを入れて15分ほど煮る。
  8. 味見をして塩加減、辛さ加減、旨味加減などを好みに調え、豆腐を食べやすいサイズに切って優しく入れて、更に3分ほど煮る。
  9. チンゲンサイとニラをトッピングして出来上がり。
  10. Enjoy!

出来ました♪♪

チゲ

鉄鍋がイイ味を出していますね。湯気の出具合も美味しそうです。キムチもコチュジャンも使わないので、唐辛子の色が淡いのですが、それでよいのです。一味唐辛子からはしっかりと辛さが出ています。何より、もしキムチを50 g使ったら塩分は1.3 g増し、コチュジャンを小さじ1使ったら塩分0.5 g増しですから、唐辛子だけで辛さをつけるのは塩分を増加させないのが良いのです。

味はバッチリ美味しいと思います。アサリのダシが出ていて、おろしにんにくの旨味もあり、豆腐と青菜のおかずでごはんが進みます。ときにはこういう質素な食卓も良いですね。

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では鍋全体としての塩分量を計算します。
あさり可食部位30 gで0.7 g、肉系のダシとして創味シャンタン小さじ1で2 g。よって塩分量は2.7 g/500 mL1人あたり1.35 g/250 mLとなります。

チゲ

さらに、一味唐辛子を使うと辛さがきつくなるので、それを逆手に取ったイイことが起こりました。

とても辛かったので、自然と汁を残したのです。

チゲ

汁物は減塩の大敵なのは周知のとおり。だったら、美味しい汁料理を作りながらも汁が残るレシピは価値がある。それだけでも、汁を飲み干さない一味唐辛子使用のチゲは減塩にかなり役立つ。残りは別の料理に使えばよい。口をつけていないから問題ない。

今回汁を4割摂取し、6割が鍋に残りました。

だから最終的な摂取塩分量は1人あたり1.35×0.4=0.54 gです。0.54 gですよ、0.54 g!!!1日6 gといった塩分総摂取量目安に対し、1食で0.54 gなら完全勝利と言えましょう!!!\(^o^)/

▼塩分濃度計算結果

【一味唐辛子使用の豆腐チゲと類似食品の塩分比較】

  1. お味噌汁:1人分1.8 g
  2. 市販のチゲスープ:1人分2.9 g
  3. 今回の豆腐チゲ:1人分0.54 g
  4. 今回の豆腐チゲは、お味噌汁に比べると(1.8-0.54)÷1.8×100=70%の減塩。市販のチゲスープに比べると(2.9-0.54)÷2.9×100=81%の減塩であった。

すごい\(^o^)/
70%減塩とか、80%減塩とか!!
素晴らしい出来だと思います!\(^o^)/

これも、一味唐辛子の辛さのおかげです。

もし、腎機能低下などで真剣に減塩が要求される人がいて、その人に美味しいお味噌汁を作ってあげるのはむしろ酷ですよね。美味しいのに飲めないとは…。でもその人に味噌を徹底的に少なくした美味しくないお味噌汁を作るのはもっとがっかりさせてしまいますよね。だから、この豆腐チゲのように汁を辛くして、豆腐やアサリや野菜をおいしく食べてもらい、あとは「汁、要らんわ(笑)」と笑って言ってもらえるような料理のほうが、こころの健康にも寄与できると思います。この「辛さの新活用」は、私にとっても将来役に立つかもしれず、今回の体験は極めて有益なものとなりました。しかもお豆腐入りで、乳がんリスク低下の一助になっているのです☆

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本記事のタイトルは『辛さの新活用。減塩に真剣に取り組む、一味唐辛子で超減塩豆腐チゲ』です。この料理アイディアが、減塩を必要とする方の役に立てることを、期待しています。


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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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